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時々お酒飲める人が羨ましいけど絡んでくるな

はっ!?∑(OωO; )投稿したと思ってたら保存待機で三日経ってた(;´Д`)

最近一週間に一回は体調が悪くなる。

アニサキス死にます(つд`)

 その昔、美少女と見間違えんばかりの美貌を持つ男の娘が人攫いに攫われた。

 まあセルフィルなんだが、異世界で一度はやってみたいリストのお忍びを女装してハイブルク家の皆の目をかいくぐり、平民街に入って五秒で拉致された。

 途中で飲みに行く途中のロンブル翁が見かけ、飲みに行った店から伝言を頼み。殺意限界突破変態執事と三人メイドを、まだ中二病少々残っていた長兄が率いて半日と経たずに王都大手の人攫いと人買いの組織が壊滅した。


「んで、その人攫いと人買いの組織が後ろについてた娼館らが、ケツ持ちの後釜を狙った金銭を巻き上げるしか能のない中級の組織たちの抗争に巻き込まれてな。さすがに原因となったセルフィル様が対処に入って何とかしたのが今の娼館区画なんだわ」


「ほう。その何とかの部分が気になりますな」

「そこは一介の雇われ護衛の頭じゃわかんねえよ」

「いやいや戦場で名を馳せた方ならわかるでしょう」


 ハハハと笑い合うロンブル翁とエイプ子爵。

 挨拶を交わした後はジジイ二人、横には奇麗どころの女性を置いて飲み物を作らせて仲良く飲み始めた。


「いやー、ハイブルク家の連中はこういう楽しい場所に近寄らねえから楽しいわ」

「私も楽しいですよ。高位の貴族でもなければ入れない店は内装だけでも目を見張るものがある」


 エイプ子爵は店の内装を眺めたあと、これらも君たちの美しさをひき立たせるための装飾にすぎないですがと声をかけて、自分たちに付いた女性たちの頬を染めさせる。


「あらあら、蕩けさせる側が惚れさせられかけているわ」


 そこにコロコロと面白がる声と共に館の女主人メリダがやって来た。

 自分たちの雇い主のメリダが近づいてきたことでジジイたちの隣にいた女性たちに緊張が走る。

 メリダはそれを無視してロンブル翁とエイプ子爵の間に着席した。


「おいおい、あっちを(まと)めなくていいのかよ」

「ウチの()たちに任せたから大丈夫よ。それに娼館の纏め役がいたら緊張しちゃう娘もいるでしょ」


 ロンブル翁がだらしない顔で大きい故の彼女の谷間を覗いたあとに、店内の反対側を見た。そこには先ほど出迎えた女性たちに他店の者も集まっていた。

 その中心にはセルフィルがいて、その前にはテーブル挟んでケバい化粧で店に合わない安そうなドレスを着ている女性が座っていた。

 彼女はこの店の者ではなく、ランクがかなり下がる店の娼婦である。なぜ彼女がこの場にいるのか。


「その男がですねハイブルク公爵家のお抱えの魔法使いとか言うんですよ。もう笑うのを我慢するのがきつくて」

「僕の家は無駄金になるので昔ながらの魔法使いは一人も雇ってないですけどね」

「そのくせに料金をまけろとかごねてきたんで、出禁にすると言ったら慌てて全額払うんですよ。ウチなんてやっすい店なのにすぐにバレるような見栄を張るなってんです」

「逆上しないと思ってたみたいですけど、無理せず貴族がバックにいると言っていいですから」

「本当にヤバいかは経験からわかってますってぇ。弱みを握ったから払いきれなくなるまでお金を落とさせますよ」

「女性は強いですねぇ。その身を滅ぼしそうな男の特徴を教えてもらえますか」

「いいですよ。下男に後をつけさせて仕事も家庭も調べ尽くしてますから」

「何か起きた時用ですか、本当に男どもは女性に勝てませんね」

「そうよ~。だから……」


 セルフィルは区画にある娼館全てに呼びかけて魔法協会の関係者の情報を入手しようとしていたのである。


「あーあ、また愚痴り始めた。聞きたい事だけ聞けばいいだろうによ」

「だからロンブル翁はモテないのよ。女はただ聞いて欲しいの。解決して欲しい時はお願いするのよ」


 ロンブル翁はセルフィルの娼婦への対応に呆れ、メリダはわかっていないとロンブル翁に呆れる。


「ほほう。では店で自慢話をするのは悪手だと」

「それは違いますわエイプ子爵様。笑顔で娼婦は殿方を楽しまさせるのがお仕事ですよ。それでも楽しまさせてくれる方には情が傾くのではなくて」

「なるほど、では今度から聞き手にまわってみましょうか。残念ながら私はこの店に通えるほどではないので、別の店になりますが」

「あら、セルフィル様のお付き合いの方ということでお安くしますよ」

「痛たたたっ!」


 メリダは太ももに伸ばすロンブル翁の手の甲を(つね)りながら、エイプ子爵に笑顔といつの間にか作っていたお酒を渡す。


(しばら)くかかりますからゆっくり飲んでお待ちになさって」

「魔法協会の情報などそこら中に広まっているのに、更に集めようとするのは容赦ないですな」

「第二王子の時に調子に乗った初手を上手く使われたからな。少しは昔の頃のように慎重さを取り戻そうとしているんだろうさ」

「ほほう。今もセルフィル様は若いながら敵対者には容赦のない御方と思っておりましたが以前はもっとだと」

「おう。ハイブルク公爵領じゃ……」

「あらあら、ここでも仕切っていた奴らを壊滅させた時の事も詳しく話したほうがよろしいのかしら? それならもっと女の子を呼んだ方がいいわね」


 護衛の役目を放棄してジジイ二人は、セルフィルの昔話を酒の肴にして飲み始めた。更にメリダが追加でつまみと女性を数人呼ぶ。

 後は楽しい時間が流れた。

 セルフィルが娼館区画のバックを壊滅させた時に、前世で取引先が連れて行ってくれた高級キャバクラの接待技術と、前世で恋人たちに上手く転がされていた親友の転がし方を彼から学んだ最高級娼館の女性陣に、ジジイどもはなす(すべ)もなくデレデレと(とろ)かされていった。


 ただ、ジジイ二人にも手伝わせようとしたのに聞き取りで全員に指名されたセルフィル。そのちやほやされる恩恵を受けれず、時々二人に殺意の視線を送っていた。


(ジジイどもめぇ~。必要経費だと酒とおねーちゃんをつけて楽しみやがって、絶対に後でしごき使ってやるっ!)


「聞いてませんでしたねセルフィル様ぁ」

「は? へ? きき聞いていましたよっ! 副支部長の女が男どもの前では取り繕っているけど、男の視線が無くなった途端に貴方を侮辱したんですよね」

「それ二つ前のあたし~」

「ほわっ!?」

「じゃあ、もう一度最初から言いますね」


 セルフィルの心の中に住む前世のオッサンが、女性の話を聞いてあげると好感度は上がると親友から学んだ。しかし、ときおりキラーパスでくる『聞いてる?』などにおざなりに対応すると、好感度激下がりかワンモア聞くはめになるとは聞いていなかった。

 女性上位のハイブルク公爵家で身をもって学んだけれど、ただいま聞き取りミスをおかして七回目のワンモアとなった。


「ぷはぁー! やっぱ良い女に注いでもらう酒は美味いなっ!」

「このお酒は初めて飲みますが絶品ですな」

「うふふ。このお店のお酒は全てハイブルク公爵領から取り寄せていますのよ」

「酒は飲めねえのに、セルフィル様は幾つも酒の作り方を知っていてなぁ」


(それ機密じゃないけど言っちゃメーッ! ほら『ほほう』って目をギラリと光らせたよーっ!)


 黒色火薬は作っていないのに、日本酒洋酒各酒の酒造方法を眠りにつく為用の動画で覚えていたのを、今世で造りまくったセルフィル君。

 これチートどころか酒飲みどもに拉致監禁されるんじゃね? とセルフィルは恐怖し、酒造に合いそうな各所に製造方法を記した手紙を送りつけ、己の危機を低下させたことがあった。

 もちろん莫大な資産になる技術を漏洩させたのでヘルママと長兄にしこたま説教され、泣きながら酒飲みの酒への執着心とその危険度を説明したのは、ほんの数年前の事である。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 とあるなんちゃって野盗(愚王派元貴族)が占領している村近く。


「私が彼を婚約者に決めたとしても、あまり接していないエイプ爺は納得していない部分があるだろう?」

「十分文官仕事で納得しとると思うがのう」

「いいや、していないなあの生真面目爺は。だからしばらく彼に付いていれば認めるだろうし。そして少しは頭がほぐれてくれればいい。後は溜まっていた書類も片付けていたらいいな」

(小言が嫌で置いてきたみたいじゃの。しかし、エイプの奴は当主の姫様に厳しいだけで、素は遊び慣れている奴なんじゃが。おそらく婿殿気が合いそうだと思うの、と言ったらすぐにでも王都に戻りそうだし黙っておくか)


 ショタのフリータイム延長決定。


ジジイズ「「サイコー!」」

ショタ「絶対酷い目にあわせる!」


たぶん本編に書かない裏ネタ

●娼館街について

現在の娼館街のバックはハイブルク家。

寄子の爵位を使って高級から場末まで格に合わせた後ろ盾についている。問題が起きた場合公爵家の兵が派遣。

ただし、ハイブルク家が指定する店から酒や様々な物を購入するのが条件。

メリダの店はショタの当時のノリでチート酒にシャンデリアやスプリングが入ったソファーやベッドなどを優先して入れてある。

 セルフィルは誘拐や暴力で仕切っていたバックを排除して犯罪組織の温床にならないようにした。なので正式に買われた少女を可哀想と助けたりしていない。娼婦も貶されるのではなく、法を守るかぎりただの一般職業と考えている。その社会での中立性の感覚が蔑まれる中世の娼婦にとってどれだけ嬉しかったのかセルフィルは理解していない。

 なので客の秘密は厳守の夜の世界なのにセルフィルには秘密を漏らす。

 前話でお試しとからかったのは、ロンブル翁を使い出して本人が来なかった事への嫌味と、恩人の婚約への祝いの冗談。

●酒チート

酒飲みがいるかぎり、銃を作るより身の危険が高くなる。セルフィルは幾つかの酒造技術を広めたお陰で、相互不可侵状態を作り拉致監禁を何とか免れた。

ハイブルク領では生産して輸出しまくり、公爵家の資産が数倍になった理由の一つ。



コミカライズ版が更新されております。ライコミで無料分が見れますので興味のある方は下記のイラストから飛んでください。

覇王様がどんどんイケメンに見えてくるのですよ(´`:)

 

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【コミカライズ一巻も発売するよ!】 【ハイブルク家三男は小悪魔ショタです1~3巻、コミックス1巻絶賛発売中!】 表紙絵 表紙絵 表紙絵 表紙絵 表紙絵
― 新着の感想 ―
やらかしが切っ掛けで商業や歓楽街に影響力を持つようになったのね(笑) 表と裏からの情報+流通に影響力を持つショタ…。
おのれ愚王(アニサキス)!! 信じてないけど送り出した子爵が婚約者と女の子の店で微笑みダブルピースw 半端に遊ぶのではなく、とことんまで調べておちょくり倒すなんて、これは第二の夢の島(親友インスパ…
アニキサスは辛いですよね。お大事になさってください。 ※自分はやったことないけど、知人で色々とやらかしているのが復数いまして。 しかしエイプ子爵はロンブル翁と話があいそうですが、まぜるな危険じゃない…
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