どうして問い詰める時は皆ゲ〇ドウスタイルなの?
本日は【ハイブルク家三男は小悪魔ショタです三巻】の発売日です。帰宅途中にご購入はいかがでしょうか(*´∀`*)ノ
伝えに来たダッシュ君は何も知らなかったので、宰相が常時いるはずの国の中枢人物たちが詰め込まれて仕事を行っている【統合中枢詰め込み部屋】に向かう。
「ところで本当に宰相を怒らせた原因は覚えてないんだね?」
「僕がした前提なのは納得できませんが、呼び出す程のイタズラをした覚えはないなんですよね」
「してはいるんだね」
俺が王城内のどこかで事務処理のアルバイトを行っているのを知った宰相は、地味に面倒な書類をダッシュ君に持って来させてきたのだ。それ以降、宰相の嫌がらせを俺が処理する書類は倍の懸案事項が発生するようにして送り返していた。
両方ともに手間が増えたぐらいで業務上の支障は無いようにしているのは、前世ブラック最底辺社員と現在ブラックトップ文官に染み付いた、仕事は増えてもいいから足を引っ張る様な事はしたくないという悲しい性である。
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「よく来たな」
「とか格好よく言われても、呼びつけられた理由もわからないので困るのですが」
コテンと首を傾げた俺。
【統合中枢詰め込み部屋】に入室したら、正面に横並びに机を置いて中央に宰相、その隣に大臣たちが座って俺たちを待っていた。
なぜか全員が机に肘をつき重ねた両手で口元を隠すゲ〇ドウスタイルで。長兄も怒るときにするけど、地位が高いと格好つけたがるのだろうか。
ダッシュ君は激怒していたとか言っていたけど、宰相たちは表面上は冷静に見える。たぶん彼は宰相との格と地位と年齢と経験の差から感じ取ったのであろう。そこら辺の感覚は転生して鈍くなったから羨ましい。
「教えよう。だがその前に……その、それでいいのか?」
「?」
厳しい顔つきの宰相たち。しかし、目はキョドッていて俺たちの方をちゃんと見ていない。そして、宰相の言葉に首を傾げたのは俺ではない。
「僕を呼びつけて一席しか用意してなかったらこうなるとは考えませんでしたか」
「ああ、一つしかないのは共に座れと暗に言われているのだと思っていたよ」
傾げていたのはグリエダさんだ。
俺と一緒に来て、宰相たちの前に一脚だけ置いてあった椅子にスッと座り、サッと俺をその長い脚の上に乗せたのである。
オッサンとお爺ちゃんの前での羞恥プレイには、心のオッサンが数秒死んだ。実に穏やかな顔で空を見上げながら真っ白な灰になっている。
頭頂部を撫でないで! お爺ちゃん大臣らの微笑ましい表情が、心のオッサンのメンタルを削るのですぅ!
宰相に話を進めるように視線を送る。
「……こういうものが私の下に届いた」
宰相は一通の手紙を見せてきた。
一瞬、俺が困っているのを見続けようとしたのはわかっているからな。だって俺も同じように考えるからね。
「差出人は魔法協会だ」
「魔法協会?」
「エルセレウム王国に雇われている魔法使いを全て引き上げると通達してきた」
宰相は俺がどうしてそんなところからと聞き返したと思ったのか話を続ける。
魔法協会。
まあ簡単に言うと魔法使いが所属する協会だ。エルセレウム王国のある地域で国を跨いで運営している組織で、言うなればファンタジー世界にある冒険者ギルドの魔法使い限定版だ。ただし、お金を預けて遠方で引き出すことは出来ないし、長距離通信もない。ただの協会である。
いや、興味がなかったからそんなに調べてないんだよね。思い出したら結構大問題が……。
「第二王子の王位簒奪の時に、協会所属の魔法使いに大量の死傷者が出たことを理由にだそうだ」
「……それ厳密には国の責任ではありませんよね?」
最後はグリエダさんの覇王パワーで鎮圧した第二王子の王位簒奪。その時に戦場に出ていた魔法使いの殆どが第二王子側であり、最後は日曜朝のヒーローポーズ背景大爆発を起こしてほぼ全滅した。
ちなみに味方側の被害はダッシュ君の精神は大幅減、スナオ君はGSに懐かれ、アレストの爺さんたちは肩腰に痛みと些細なもの。そして俺は敵味方の中心で美貌の女騎士に抱きかかえられて悲鳴を上げる羞恥プレイという大きなトラウマを植え付けられる大被害を受けた。(心のオッサン秘技、それは横に置いといてでダメージ最小)
「大まかには国の責任になるだろう」
「国に属していないと面倒くさいですね」
【統合中枢詰め込み部屋】にいる大半が、俺の言葉に深くため息をついた。何ヵ国にもわたる組織は国にとって必要なほど面倒な存在でしかない。
「それでかなり重要な機密を僕に伝えるのはどうしてでしょうか」
俺関係ないよ。思い当たる事はあるけどさ。
「……協会側は魔法使いの引き上げを中止したければ、セルフィル=ハイブルク、お前を寄こすようにと書いてあった」
「彼を巻き込もうとするのなら、私も付いてくるが」
「何度使者を送っても反応が無いのだ。セルフィル=ハイブルクを寄こす事がまず最初の交渉条件だと付き返されしまってどうしもうないのだよアレスト女辺境伯」
俺のス〇ンド覇王様が中年高齢者を軽く威圧する。だが流石は愚王の愚世を崩壊させずに維持してきた猛者たち、少し身じろぐだけですませていた。
「私が出向いて話し合って来よう。なに私も魔法協会には少々……いやかなり思うところがあってな。魔法を唱える口さえ無事ならいいのだろう?」
「落ち着いて落ち着いてくださいグリエダさん」
「冷静だよ私は。どんなに魔法使いの派遣要請をしても、アレスト辺境伯領は田舎の野蛮者住む所、稀有な血が流れる自分たちが行く場所ではないと断られたよ」
おおっと、目上の人に対して丁寧な喋りをするグリエダさんが荒いのは俺の為と思ったら、自分の領地への不遇な状況もあったみたいだ。
「国へ上申しても対応するのは下位の貴族に女ごときがと、上の方と会う取り付けもしてもらえなくてな……。そういえばここにいる方たちの何人かは夜会などで話そうとしても、後で聞く時間を取ろう言われて、一度も会えたことはないな」
「「「……」」」
顔を動かさないけどめっちゃ目が泳ぐ宰相ウイズ大臣ズ。
グリエダさんは子供で辺境伯を継承した。子供と女の子というなんちゃって中世貴族社会ではかなりの足枷になる。でもさ、彼女の領地は地形的に安定したエルセレウム王国で大草原の騎馬民族と怪しい動きをする隣国を抑えている最大のアキレス腱だ。
先王が息子の愚王の治世の為に用意した宰相たちがそれがわからないわけがない。おそらく愚王&側妃と愉快な貴族たちの腐敗政治の対応で余裕がなかったかとかだろう。時期的にみて第二の愚王になりそうな第一王子の暴君ぶりが出始めた頃だな。
いと哀れ宰相たち。俺に助けを求める視線を送るな!
さてどうしようか。
覇王様の覇気で宰相たちの胃痛悪化はどうでもいいけど、このままだとグリエダさんがやさぐれてダークサイドに堕ちてしまう。
でもこのまま大人しく宰相の言いなりになるのは気に食わない。
うーんうーん、何か場を混沌に落とすきっかけが欲しい。
バンッ!
「すまない宰相! セルフィルには悪気はあるが大体は人の為にやっているんだっ!」
「いいタイミングですけど、酷くないですか」
勢いよく扉を開けて謝罪とディスるのはどういうものなのかと思いますよ長兄。
宣伝係長ショタ「みなさーん、本日は三巻の発売日ですよー」
覇王様「メイド姿で可愛いね。スカートは短いと思うけど」
宣伝社長見込みのじゃ姫「わらわは頑張ったのじゃから買うのじゃ!」
ショタ「ダッシュ君は書類でミス一つするたびに一冊ご購入することになってます」
ダッシュ「はぁ!?」
ショタ「お金は未来のダッシュ君の給料から天引き中です」
ダッシュ「もうされてるんですかっ!?」
のじゃ姫「ダッシュはいっさーつ、にさーつ」
覇王様「まあ、愚王よりマシかな?」
二月後半、寒暖差で寝たら一時間おきの咳フィーバータイム強制起床。咳限界突破で血と嘔吐のデバフ。復活してさあ書こうかと気分を一新するために、グラブルで籤を引いたら大凶と凶。
これ以上のテンションだだ下がりはいらない筆者Death(´;ω;`)
まあそれは横に置いといて。
本日は【ハイブルク家三男は小悪魔ショタです三巻】の発売日です!(≧∇≦*)
ご購入していただけると筆者のおかずが一品増えるのでよろしくお願いします<(_ _)>
筆者のサインいる人いるのかなぁ(´Д`)念を込めまくったけど、一人でサインの練習をするのは中学生の頃の黒歴史を思い出して少しセンチメンタルな気分に…(・ω・)
(心の声)あとバカップルとかTSでノクタとか短編とかをちまちまと書いていたのは内緒にしておこう。
J「ん、と筆者が思ってた」
筆者「はぅあっ!?なぜここにいてバラすJ!ここは愛馬限界丸五代目(電アシ自転車)で逃亡を!」
J「ん。早朝に全力漕ぎ中にペダルが外れて隣の川に落ちればいい(落ちてはいないがほぼ実話。海外製は安全を保障していない)」
J……ノクタかカクヨムの釣り合う二人はバカップルで暴走している偽ロリ。
後書きがどんどん長くなっている……(´Д`)









