プロローグ 覇王様は幸せ、ショタはある意味地獄
年を跨いで考えていた第三章。
なんか面倒くさくなったので全部廃棄、まっさらから思い出したキャラで見切り発射٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
◆◆◆◆◆◆◆◆
私は魔法の未来を消した。
私を家族を仲間を助けてくれた魔法のだ。
未来の子供たちのために大切な魔法を裏切ってしまった。
どうか、どうかいつかの未来に魔法の未来を……。
貶めてくれる者が現れてくれることを、切に願う。
◆◆◆◆◆◆◆◆
魔法とはなんだろうか?
それは数多の物語で描かれ、人々の妄想の中で馳せられたであろう。
万を超える軍をたった一言で殲滅する魔法、傾国するほどの魅了という名の洗のゲフンゲフン魔法、〇ーラ。
……未来からやって来た青い狸がいたら全部使えね?
残念ながら俺が転生した異世界にはそれらのようなチート級の魔法は無かった。
だが神から授けられた魔法という存在はあった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まだ太陽の光が大地に差し込む前の暗く静寂に満ちた時。
エルセレウム王国の王都も人の動きは一切……。いや極一部だが国の根幹を揺るがす大事件が立て続けに起きたせいで、気絶か狂うか逃亡するか権力を使うかしない限り24時間フル稼働勤務の大部屋が王城にあるが、そこは除外すると動くものは夜目の利く小さな動物ぐらいであった。
「ん……」
そんなほぼ誰も起床していない時に、ある部屋で女性が目を覚ます。
彼女が顔にかかる長い銀の髪を指を差し込んで後ろに流すと美しく整った顔が現れた。可愛いでなく美しいが似合う顔はまだ眠気があるようで、くあと小さい欠伸をするだけで性別を超えて虜にする色気があった。
それで眠気が取れたわけではない。元々の彼女は寝起きは良いほうなのだ。それなのに眠りが浅くなった時に無理やりに起きたのである。
どうしてなのか、それは彼女の腕の中にいる、金色の髪にプニプニの頬っぺた、いつも感情のままに動く表情も可愛らしい寝顔で、スピョスピョ寝息を立てて寝ている彼女の婚約者の寝顔を見るためだ。
「眠っている顔も可愛いなぁ」
彼女はそんな少し涎も垂らしながら熟睡中の彼の顔を、彼女は見つめて嬉しそうにする。
抱き枕替わりにしていた小柄な彼を自分に引き寄せてサラサラの髪を掬ったり、頬っぺたを突いたり、顔に頬擦りしたりと、欲望のままに愛でる。
愛でられるほうはウーンウーンとうなされている様で、でもそこはかとなく幸せそうな表情であった。着ている寝巻には【欲しがりません成人するまでは】と日本語で刺繡されれていて、言葉がわからない彼女に聞かれた彼は『……心頭滅却です』と目をそっと反らして答えた。
一通り堪能した彼女は抱き枕婚約者を更に抱き寄せる。
自分より高い彼の体温が染み込んでくるのが心地良くて、脇に追いやっていた眠気が彼女に戻ってきた。
うとうとし始めた彼女は、あと数日でこの幸せな時間がもうすぐ終わるのを惜しみながら、更に胸元に抱き寄せて徐々に意識を手放していった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
目の前でオッサンが竹槍を持ってナニかと戦っている。
え? なに? 早く目を覚ませって。
でも叫びながら竹槍を突き出しているオッサンなんて滅多に見れない面白映像だからもう少し……。
本能に負けてもいいのかって? え、あのでかすぎて大きさがわからないナニかは俺の本能なの? それなら戦っているオッサンは俺の理性?
オッサンが自分の背後を指さす。そこにはミョ~ンと開いて肌色の空間が現れた。
我に構わず行けぇいっ! と叫ぶオッサン。勢いよく背後を指さしたせいで、肩と背筋と腰に大ダメージを受けながらに悲哀を感じる。
仕方がないので空間の先に向かう。
でも行ったら行ったで危険な感じがするんだよねー。
あっ! こらっ! 竹槍を割って投げてくるなっ!
ツルッ
アーーーーーー!
「……なるほど。危険はこれでしたか」
足を滑らせて落ちた浮遊感を味わい目が覚めた。そして視界にいっぱいに広がるのは肌色の峡谷。
うんまあ、婚約者グリエダさんに抱き枕にされて、スタイル抜群の彼女に俺の頭部は挟まれているのである。僅かな隙間で呼吸は確保されていなければ、俺は心のオッサンと今度こそ一緒に昇天しそうだ。
ありがとう心のオッサン! そのまま本能を押さえていてくれ! でも理性がオッサンなんて嫌だなぁ。
王城に泊まり込みの間、ずっと俺はグリエダさんの抱き枕の御役目を担っていた。前世の倫理観を持つ俺は未成年に手を出さないし、己もショタなのでそういうのはダメだ。
「明るさからそろそろ起きる時間ですね」
グリエダさんは一度俺を拘束すると日が完全に昇るまで解放してくれない。
脱出しようと試みたこともあるけれど、密着しているのでこうムニムニして心のオッサンが敗北しそうになるので諦めた。しょせん一.二三倍の出力にしか出ない我が魔力ではどうにもならないのである。
「これももう少しだと思うと耐えることは出来るのかな?」
第二王子率いる愉快な貴族たちを一人も逃さないように雇った裏のお仕事する人たちへの支払いが、俺の隠し金が様々な理由で凍結されて払えず。王城で事務処理のアルバイトすることになった。
それもストレスをダッシュ君や宰相や宰相たちで解消して本気を出したので、あと数日で終わる見込みだ。
つまり抱き枕業務も、俺とグリエダさんは自分の屋敷に戻るので終了なのである。
さすがに国の簒奪、王位争奪のすぐ後に問題は起きないだろから、普通の学園ラブコメが始まるはずた。
「んん」
「……」
グリエダさんは体勢が悪かったのか身体を動かす。
ムニュンポヨン
密着に追加で長いおみ足が俺に絡まってきた。
メーデー! メーデー! 俺から煩悩を取り払ってくれたまえ心のオッサンよっ!
諦めて竹槍で塹壕を掘らないでーっ!
覇王様「私は満足だね」
精神破壊ショタ「僕は心 (のオッサン)が死にました」
あけましたのでおめでとうございます<(_ _)>
流石に三巻発売前には再開しないとなーと投稿しました。
マジで一ヶ月以上考えた(途中バカップル投稿)のを廃棄しての第三章ですヽ(;▽;)ノ
いやなんかグダグダいろいろと私情が混じって二月になってつまんねーなと気づいたんですよ(-ω-;)
なので媚びて引いて省みて、そして忘却してなーんも考えずに書いていきます!(o´∀`)b
そんな【ハイブルク家三男は小悪魔ショタです】を見捨てずにお読みいただければ、筆者が喜びますm(_ _)m
最近のいいねのボタンが複数になって読者様も見れるのでドキドキです。









