閑話王城の惨状その4(中庭、???、エンディング)
遅れた言い訳
PC買い換えたら、外付けHDを付けるとクラッシュするドキドキPCだった♡
あと三巻とかコミカライズが楽しくて現実逃避(極寒の深夜に兎、電アシ自転車筆者、猪の順番で疾走マジ)
●パーティー……妹ショタ(Verメイド)、妹のじゃ姫(Verメイド)、脱落者ダッシュ(オッサン汗度120%)
「ふぅ。どうやらうまく撒けましたね」
「セルフィーが遅いからサイショーに追いつかれるとこだったのじゃ」
俺とのじゃ姫はあのおぞましき【統合中枢詰め込み部屋】を脱獄した。
きっかけはダッシュ君の逃亡劇からだ。
訓練後のむさ苦しい騎士団長の脳を、今日の訓練で破損した武具の修復見積書の計算でパンクさせて半分失神状態にし、離席の許可を取ってコソコソと逃亡しようとしたのである。
「まさかのダッシュ君がご主人様の僕を見捨てるとは……」
思っていたよ。だって俺と宰相、扉への動線をチラチラ確認しているんだもの。
「わらわが捕まえなければ逃げられたのじゃ!」
「うん。まさかセイレム公爵に自分を投げさせた時は宰相と一緒に驚愕しましたよ」
逃げるダッシュ君に追いすがるお爺ちゃん財務大臣、セイレム公爵を口説き落としてポーンと居並ぶ机を飛び越えるのじゃ姫。
そしてダッシュ君の背中に飛び蹴りをくらわして倒し、それでも足掻く彼の顔の横にどこから取り出したのかナイフを突き刺した。
権力は自分を奴隷のようにこき使うけれど暴力は振るわれないと感づき逃亡しようとしたダッシュ君。でもマジカルのじゃ姫のマジ狩るナイフには屈してしまった。かなりの数の獲物を狩っているナイフの血臭は生存本能を諦めさせたようだ。
「さて尊い犠牲を無駄にしてはいけません。リリィが大臣たちからせしめたお菓子をどこかで食べましょう」
「あげないのじゃ……」
抱えた大量のお菓子を取られまいとガルルルルと威嚇する未来女王。
その後は時間的に日当たりの良い頃合いの中庭に移動するこにした。その道筋が窓を越えたり、壁にしか見えない扉をくぐり抜けたりと、のじゃ姫の『近道を行くのじゃ』のお言葉ににのったけど、この子どうして国の最重要機密を知っているのかな?
着々と王妃様からのお叱りが俺に近づいて来ているなぁ……。
「さて何をして時間を潰しましょうか」
中庭に到着すると俺たちは一時的に離れた。
のじゃ姫は庭師として城内に住んでいるジェジェ、じぇ? ……ゼンーラに会いに行っている。
信頼できる存在が少ない彼女には心の安定のためには必要と考えられた為の彼の処置だけれども。煩わしい家も身内も捨てて、そこそこいい身分を得て公爵家の侍女長からお墨付きの技術を仕事に出来るのは勝ち組でなかろうか。
「REIWAジャッパーンの独り身の理想生活を送りやがって……」
忙しいこの身、心のオッサンの嫉妬で嫌がらせをする暇もないので、念を強めで送るぐらいはしておく。オッサンの怨念は数十年後に頭皮の目立ち目の霞み口臭腋臭に腰膝の痛みが起きるのだ。人、その怨念を加齢と言う
城に相応しい部分と抽象画みたいな剪定が半々の中庭を歩く。
実はまともな箇所は愚王で奇抜なのは成り上がりのセンスの無い側妃の意見が取り入れられていたらしい。
「愚王だと思っていたけれど私室はまともなだったしなぁ。でも白タイツを穿いていたのは王の正装なんだろうか? 長兄が玉座に座るのを拒否したのはそのせいかも……おや、噂をすればあそこにいるのは」
俺の歩く方向の先に休憩用のベンチがあり、そこに二人が座っていた。
訂正、一人はもう一人に膝枕をされて寝ている。
「ふむふむ。仲が良いのはよろしいことですね」
てか、今この二人が険悪婚約破棄にでもなったらエルセレウム王国は完全崩壊するだろう。国内最大派閥公爵家と俺の改造公爵家の対立は愚王派閥を処理するのとは問題の規模が桁違いになるに違いない。
その一人、アリシア=セイレム公爵令嬢が俺に気づいた。
細い指を口元に寄せてシーと合図してくる姿が可愛らしい。
将来の義姉さんのお願いに忍び足で近寄る。
「長兄はお疲れ様ですか」
「はい。休憩のお茶を飲まれたバルト様は眠たそうになられていたので、私が少しお休みになられるのをお勧めしました」
男どもが見たら見惚れるニッコリ笑顔のアリシアさんに膝枕されているのはハイブルク公爵家の苦労に……おっと中心の俺の一番上の兄、長兄であった。
庭園でイケメンが美少女に膝枕とは、モテない具……筆頭ダッシュ君が見たら妬み嫉みで、そして身分とリア充の格差で憤死するのではなかろうか。
「背もたれに寄りかかってお眠りになろうとされるので、セルフィル様に教えてもらった膝枕を行わさせていただきました」
「ほほう。機会があれば逃さず即実行、アリシアさんは優等生ですね」
アリシアさんと俺は文通をしている。
最近は大部分が長兄への惚気しか書かれていない手紙に、男心をくすぐる方法を書いて返していた。前世の親友がハー……恋人たちにされてグッとキたのをピックアップしたから効果は抜群なはずだっ!
「『この疲労は弟のせいだ』とおっしゃられていましたよ」
「……膝枕も僕が伝授したとバレてました?」
「はい」
クスクス笑いながら首肯するアリシアさん。
オゥノゥ。長兄のマジ説教はクドクドと長くて地味につらいのですよ。
「あまり一人で背負ってはダメですよ。セイレム公爵家はまだまだ恩返し出来ていないのですから」
「んー。今回はセイレム公爵にかなり無茶してもらったので、帳消しだと思うのですが」
「セイレムは己が納得するまでしつこいのですよ」
エルセレウム王国が建国したときから忠臣であり続けた超頑固者の血筋だと言いたいらしい。
俺としては第一王子の婚約破棄の借りは、セイレム公爵が逃亡するアガタ公爵たちを見逃しつつ第一王女オーレッタを説得、王都まで間に合わせる速度で帰還してくれたので相殺……いや、少し借りが出来ている思っているのだが、まだまだ返し足りないとおっしゃりますよこの公爵令嬢。
「でもご兄弟のバルト様に迷惑をかけるのはあまりしないでくださいね。忙しくて私との時間が取れなくなりますから」
メッですよ、と叱られちゃった。
すっごい可愛らしいですけど、自分たちのいちゃつきタイムを邪魔すんなと言うことですよね。あとそのメッは滅ではないですよね?
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長兄にかなりのご負担をかけたお詫びに、今日一日分の長兄のする俺の後始末分は処理したと伝えると、アリシアさんは膝枕の延長を決定なされた。
数日後に宰相の下に数倍になって戻ってくるように細工はしたが、敵である俺に任せた宰相が悪い。
少しアリシアさんとお話してその場から離れた。
俺はダダ甘空間に長時間いると国を滅ぼしたくなる病気にかかるのだ。ダッシュ君なら嫉妬と妬みで炎浄化して消滅するぐらいだ。
あと俺がいると長兄の眉間の皺がどんどん深く刻み込まれていくので、長兄の健康の為に他の場所に行くことにしたのである。
寝ていても末っ子の弟を感じるとは兄弟愛が深い長兄だ。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「それでどうして僕はメイドの仕事をさせられているのでしょうか?」
「それは貴方がメイドの姿で私たちの下に来たから使うしかないでしょう」
「ええ、娘にまでメイドの服を着せる愚か者には、しばらくの間メイドをすることで罪を許しましょう」
なぜか俺はエルセレウム王国二大熟じゲホゲホ……巨頭にお茶を出していた。ショタメイドで。
長兄とアリシアさんと別れてのじゃ姫を回収しにいくと、のじゃ姫はお菓子をたらふく食べてゼンーラに膝枕させて爆睡していた。
ゼンーラは準男爵ではあるものの、王城内は最低限の場所にしか入ることが出来ない。しかも隠密行動中のためメイド服姿の王女を普通の使用人に任せると、幾人かの首が責任で飛んで一人二人が物理的に飛ぶ。
仕方ないので俺が背負って誰も首が飛ばない責任者、母親の王妃様の下に連れて行ったのである。
ただそこに俺が逆らえない人物の一人ヘルママがいて捕まってしまったのだ。
「僕の拘束期間はどのくらいでしょうか?」
「そうねぇ」
「もちろん私たちが飽きるまでよ」
ウボヘァ。
言葉にならない声は心中で発する。だってこの二人の前で出したら、何をいちゃもんつけてくるかわからない。
ちなみに眠りののじゃ姫Verメイド服は、王妃様の傍に離したらモゾモゾ動いて王妃様にピッタリくっついた。
起きているときはまだまだぎこちない親子関係らしい(ウチの三人メイドと変態執事調査結果)が、時間が経てば距離感も縮まるだろう。
「ところで」
言いかけながら俺が淹れた紅茶のカップを置くヘルママ。
その顔は真剣な表情。娘を慈しみながらショタをイジメていた王妃様も目を細めた。
これは今から大人の話になるようだ。
ちょうどよかった。今後の俺の動きを伝えておかなければならない二人である。長兄は? 頭じゃなくてお腹を押さえていたね。それでも止めないのは必要と長兄は判断したからである。
「そうですね。愚王とランドリク伯爵に返り咲きの芽が無くなり、残ったアガタ公爵の下に……」
「そういうことはどうでもいいのよ」
「そうね」
「いやいやいや、御国の重要なお話ですよっ!?」
「それよりも貴方とグリエダさんの進展はどうなの?」
「無視!?」
「何を言っているの。国にとって防衛の最重要地を護るアレスト辺境伯家の話なのよ。貴方たちの関係はなによりも重要な話だわ」
「重苦しく言ってますけど、ただの色恋沙汰を聞きたいだけですよね……」
女性は人の痴話話を聞くのが大好物らしい。熟じボクフォッ! 心のオッサンがくの形になって草原を吹っ飛んだ。なにス〇ンド? 心にスタ〇ドを飛ばすの熟じグフィボラッ! え、マジで死ぬから禁止ワードの発言は止めろ?
それからはダッシュ君の悪夢より酷いものだった。
「いえ、ですからそういうのは仲を深めてからでして」
「何を言っているの高等部ですでに子供が出来て自主退学した子もいるのよ」
「私なんて卒業してすぐにバルトができたわねぇ」
男の下世話な話なんて女に比べたらガキの妄想だと思うの。
「ですが今のグリエダさんは僕のことを男というより、お気に入りのペットを手に入れてだだ甘に甘やかしているんだと思うのです」
「「ああー」」
納得すんな熟女どもブッガハァッ! 心のオッサンー!
◆◆◆◆◆◆◆◆
「最初は前菜のダッシュ君から始まり。スナオ君たち騎士団で整えて、メインの宰〈笑〉相でガッツリ、甘々な長兄とアリシアさんでフィニッシュと思ったら、魔女たち特製毒っぽい味の胃もたれドリンクを飲まされてしまった……」
ふらふらおぼつかない足取りの俺。
ストレス解消の為に遊びに出かけたので逃亡するつもりはなかった。それに二人の魔女に弄ばれていた時にそっと近寄ってきた執事が渡してきたのは料金未払いの督促状。
必殺な便利屋さんが怖いのでしっかりとアルバイトで稼がないといけないのである。
そして元愚王の私室の前に着いた。
「でも少し休憩してからにしましょう」
せっかく回復した精神的な何かが最後のイベントでごっそり消費されてしまったから、これからもっと仕事が増えて絶叫する宰相でも想像して回復させよう。
そう思いながらノブを回してドアを開いた。
「やあお帰り。休憩するのかい? なら一緒に寝ようか」
「……」
開いたドアの先にはバスローブ姿の美女、グリエダさんが立ってこちらにニコリと微笑んでいた。
おそらくハイブルク製のお高いバスローブ。タオル地じゃないと拭いた気がしない俺が脳をフル回転して作った副産物である。
それをスタイル抜群の彼女が着ると、ローブの間から谷間がボンッ、紐で結ばれたウエストはキュッ、そしてボンッなのである。
心のオッサンはすでに顔を両手で両目を抉り出さんばかりに覆っている。俺も確認した後に蹲って覆い隠したよ。
知っているかピーンと張るだけで乳袋は出来ないんだぞ! あれはちゃんと測って縫製しているんだ!
「大丈夫かい?」
「ええ、ダイジョウブデス」
だから前かがみで覗き込まないでください。心のオッサンみたいに手の隙間から血が染み出してくるので。
「声もあまりよくなさそうだ。すぐにでも横になろう」
そう言ってヒョイと俺をお姫様抱っこで抱き上げるグリエダさん。
あああー! 視覚は封じ込めても触覚がムニュンポヨンムニッを感じるのー!
絶対にグリエダさんの恋愛レベルは小学校低学年だよ!
●結果……悟りショタ(Ver煩悩メイド)、遊んで食べて爆睡のじゃ姫(Verメイド)、脱落者ダッシュ(ムサイ度300%)、飯ウマースナオ君(改造度45%)、セイレム公爵その他大臣(孫満足)、宰相(ストレス150%)、騎士団長(汗ムサイ)アリシア(幸福度100%)、長兄(胃度78%)、ゼンーラ(全裸0%)、王妃様(娘度100%)、ヘルママ(イジリ度65%)、必殺な便利屋さん(執事度100%)、グリエダ(バスローブ度300%)
悟りしショタ「結果的にショタボディが体力の限界を迎えてポヨンて眠って回復しました」
覇王様「よくわからないが、セルフィルを抱き枕にしたからよく眠れたよ」
ダッシュ「……こっちは汗ムサイ中徹夜ですよ」
遅くなりましたがあけましておめでとうございます<(_ _)>
遅くなった理由は前書きにも書いていますが、小悪魔ショタの続きをどのストーリーで書くか悩んでいました。あとTSのも続き書きたいな新作書きたいなとかウダウダしているうちに年跨いでかなり過ぎてました。ぼちぼち本腰をいれて書いていきます。
二月末に発売される第三巻、コミカライズ版もよろしくお願いしますm(_ _)m
変態執事アレハンドロに三人メイド、アリーセイトカルナはやはりショタ至上でした(o´∀`)b
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ご感想ではネタバレ返信をすることもしばしばあります(;・д・)









