閑話王城の惨状その2(訓練場)
500万PV達成ー!(≧∇≦*)
実は二つに分けられる話だと、投稿する寸前に気づいた後半の話。
●パーティー……美ショタ(Verメイド)、暴れん坊のじゃ姫(Verメイド)、ヘタレダッシュ(裏切る気47%)
渋るダッシュ君を先頭に俺達は城内を歩いていく。
「どうして誰も声を掛けてこないんでしょう」
「堂々としていて格好とシチュエーションが合っていれば、他人のことなんて皆そう気にしていないんですよ」
何度も使用人達や貴族騎士とすれ違っても何も言われない現状に疑問をもったダッシュ君に答える。
「だからダッシュ君、誰かが気づいて特定の誰かに連絡を取ってくれるなんて思わない方がいいですよ」
「ぐぅ」
自分から騒いで周囲に気づかせる度胸はないダッシュ君。
「あれがヘタレという生き物です。ヘタレというのは自分から行動しないで、他人に人生を委ねて自分は不幸だと嘆くのです。リリィは国の頂点に立つのですから、ダッシュ君みたいになってはダメですよ」
「わかったのじゃ。ダッシュはメー」
「この瞬間、ダッシュ君が未来の女王に疎まれるのが決定した瞬間だった」
「平気ですよ。僕は地方の下級文官になりますから……」
微妙に震えるダッシュ君の身体は俺の評価のせいか、それともロリ権力者に嫌われるかもしれないのか。
ま、それは横に置いといて俺達が到着したのは騎士団の訓練場。
本日のグリエダさんの相手は国家騎士団らしい。
何度も彼女に辛酸を舐めさせられた彼らがどのくらいもつようになったのか少し気になっていたのである。
愚王政権時代に少しは腐ったかもしれないだろうが腐っても鯛、国を守る彼らがやらっれぱなしであるわけがない。
「「「うわぁ」」」
なの訓練場には見渡す限りの死体が転がっていた。
完全フル装備で槍持ち、初期の頃は木剣に訓練用の防具だったはずだがいつの間にここは戦場になったのか。
「「なむー」」
「その手を合わせるのが死にゆく者へのものと何となくわかりますけれど、誰も死んでいませんからね」
思わず俺とリリィは冥福を祈った。
リリィはハイブルク邸で学んだのだろうが、食事の時には教会式に修正するよう教育係に伝えておこう。そうしないと俺がたぶん怒られる。
「う、うぅ……」
「息があるのじゃ。楽にしてやった方がいいのじゃ」
「いやいや、訓練だから仕留めたらダメですよ」
「スナオ君、始末されるから起きてーっ! 」
のじゃ姫はどこからかナイフを取り出し構え、呻くスナオ君に止めを刺そうとする。
いつの間にか彼女の狩ってもいいカテゴリーにヒューマンも入ってしまっていたようだ。ヤバい、王妃様の隣にヘルママが居て追加で土下座している俺の光景が予想できるの。
「起きてスナオ君っ! 訓練中に王女様に止めを刺される悲惨な最後になっちゃうよっ!」
「う、い、そんなの嫌だ……」
「言葉にすると、上位に食い込むぐらいかなり嫌な死に方ですね。たぶん記録に残すと国の恥だと抹消されるでしょう」
殺る気満々ののじゃ姫を押さえて、スナオ君をダッシュ君が起こすのを待つ。
「はっ! こ、ここは?」
意識が回復したスナオ君が死屍累々の騎士団員たちを見、そして俺たちを見て。
「俺はまだ地獄の中にいるのか……」
今、俺を見て絶望した顔になったねスナオ君?
「今日も午前からグリエダ様との地獄の始まりだと騎士団員の皆さんと意気消沈していたんです」
「人の婚約者を地獄とのたまうけど、騎士団長直々の要請だからね」
「グリエダ様がやって来ると、その背後にはアレスト辺境伯の家臣の方々が付いておられて」
「うん」
「『私だけの相手も飽きただろう? そろそろ対軍の実戦的な訓練をしようじゃないか。なあに用意したのはたかだか騎馬民族相手に戦ってきた二十名の爺達だ。現役なら余裕で対処出来るだろう?』と」
「「「うわぁ(なのじゃ)」」」
「装備を整える時間は与えられたので、全員が完全装備を選んで訓練場に戻ってきたら、あれが……」
スナオ君が視線を向けた先には少し前に作った懐かしき土塁の防壁が存在していた。
「あれって攻める側になると全然近づくことが出来ないんです。盾を持った団員もその上に何本も同時に射られて吹っ飛ぶし」
「そういえばコンパウンドボウをアレストの爺様たちに報酬代わりにあげましたっけ」
レンタル品を返せと催促したら弓を抱きしめてイヤンイヤンする爺達に折れてあげてしまった。
そして長兄にハイブルク家の秘匿物をやるなとしこたま怒られた。
それなりの素材が無ければ現状の弓より少し性能が良く、壊れやすく制作も維持費も馬鹿高くて大量生産出来ないのに。
あれか、メイドのカルナの土魔法で選別した鉱石を高炉で(何度も)大爆発させてハイブルク家の財政を少し傾けさせたことを思い出したせいか? その後に何倍にも増やしたのに、なんて心の狭い長兄だっ!
「もしかですがあの土塁はウチのメイドですか?」
「なんですかあれ。防壁側に少し坂になってて地味に降りにくい高さを降りたら、また坂になっていて」
「それは坂を上った時の足元とそこから降りる際の無防備な瞬間に、防衛側が圧倒的な遠距離攻撃があるともう甚大な被害を与えるかなと考えたんですが、効果は覿面だったみたいですね」
「「あんたか」」
「ちなみに攻め込んだ時点で退却は超困難になりますから、最適解は距離を取っての様子見、攻めるなら矢幕が薄い箇所からの多大な犠牲を覚悟の一点突破でしょうかね」
「獲物には逃げ道を用意して、そこに罠を仕掛けるのじゃ!」
「リリィはわかっていますね」
うん、容赦ねえよグリエダさん。
俺がマロッドに仕掛けた陣地構築の発展型は少人数の訓練で絶対にやっちゃいけないのよ。もし陣地に突入成功しても覇王様が待ち構えているってゴゥトゥヘルじゃね。
てかこの陣地、メイドのカルナが造っているよな。
コンパウンドボウのアフターサービス整備で派遣することになっていたけど、何やってんのあいつ。
そして騎士団側が半壊した頃にフル装備馬に騎乗の騎士団長が登場して陣地を突破してグリエダさんに一騎討ちを申し込んだらしい。
しばらく打ち合い木剣を二人で何本も折って訓練は終了。
何やってんだあの脳筋団長。
「お二人が打ち合っている間に、『呆けている場合か』と団員はキッチリと仕留められました」
「オーガですか」
「容赦ないですね」
歴戦のアレスト家の爺様たちは超本格派のようで、ダッシュ君と俺は軽くドン引き。のじゃ姫はうんうんと頷いている。
どうやらグリエダさんは訓練場をすでに後にしたようだ。
爺様たちも帰っているようだし、これ以上大量の屍の前にのじゃ姫を置いていると本当に止めを刺しそうなので、他の場所に移動する。
動けないスナオ君は放置だ。そのうちリビングデッドの様に騎士団員と動き出すだろう。
ダッシュ君は残って看病しててもいいよ。
え、破損した訓練用の武具の事務作業を手伝わされそうだから嫌だ? あ~、それは面倒くさいね。さっさと去ろう。
あとカルナ。
いくら俺の婿入り先でも肩入れし過ぎだ。侍女長にチクって説教一時間コースを……、上司責任で俺も巻き添えになるから止めておこう。
「さて、次はどこを覗き見しましょうか」
「まだするんですか……」
「わらわはこっちに行きたいのじゃ!」
「そっちは鴨が飼われている方向ですよね?」
少しは本能を抑えようかのじゃ姫よ。
あるゲームの神父ショタ「おお、スナオ君よ。死んでしまうとは情けない」
のじゃ姫「なむなむなのじゃー」
ダッシュ「死んでません。気絶しただけです」
覇王様がチート遠距離武器所持歴戦爺たちを率いて防壁付きの防衛戦って、攻略出来ません(´Д`)
騎士団長は鎧をベコベコにしながらも、事務仕事のストレス発散が出来てスッキリしたあと、爺たちに訓練指導の交渉をおこないました。
これで国家騎士団の実力が数段上がります(^^)ただし団員の精神の狂気度は数段上がりますが(;・д・)
メイドのカルナはコンパウンドボウの出張整備に出向いた時に、グリエダに捕まって防壁を土魔法で造り出しました。
ただ、ショタが使用した陣地の発展系を造ったのは、爺たちがショタの陣地を勝手に進化させたのを注文しただけです。それがショタが考えていた一つにそっくりだったのは、爺たちが超一流の戦上手だったせいですね(^^;)
なのでカルナはヤベーの造らされてるー!とショタへの弁解を考えて冷や汗をかいてました。
地味に今後の伏線を書いている筆者です(*´∀`)大半はキャラ名と一緒に忘れていってますけど(;´Д`)
今年いっぱいは突撃!隣を盗み見を書くと思います(・ω・)
さてYouTubeで村瀬歩様の心のオッサン、ショタ、覇王様の美声を聞きながら書くか。
https://m.youtube.com/watch?v=5XJ3TtgREe8&list=WL&index=3&pp=gAQBiAQB
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ご感想ではネタバレ返信をすることもしばしばあります(;・д・)
待たれる間にもう一つの拙作でもお読みいたたければ幸いです。
【釣り合う二人はバカップル】
ノクタ版
https://novel18.syosetu.com/n1277hy/
カクヨム版
https://kakuyomu.jp/works/16817139556484842815
ノクタ版はエチエチが入ります。ノーマル版はカクヨム版を。
ただのバカップルを書いていたのに、人前で読むと大変に危険物と化した物語です。
ショタの前世の親友、魔王様も少し出ます。
笑わずに読めたら是非ともご感想を!
君は雨乞いワールドから逃れられるか!(*´∀`*)ノ









