解毒薬と衝撃の事実 3
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三時間もかけてドレスの採寸と仮縫いの試着をしたわたしは、そのまま上機嫌な公爵夫人に連れられてお庭でティータイムに興じていた。
「さあ、召し上がれ?」
テーブルの上に並べられているお菓子はとっても美味しそうだけど、量がすごい。
……これ食べたら、夕食が入らなくなりそうなんですが。
と思ったけど、美味しそうなケーキに目移りしちゃうわたしは、残念過ぎる。
公爵夫人おすすめのフルーツケーキを食べてみたけど、くっ……いつぞや、クリストバルが買って来た王都の有名店のショートケーキ並みに美味しいわ! なんてことかしら! 手が止まらない!
「食べながら聞いてくださいませね。アサレア王女は、ここに二か月半滞在なさるとクリストバルから聞いていますけど、その間のスケジュールはこれでいかがかしら?」
「うぐっ」
この方、すでにわたしのスケジュールを考えていたよ!
公爵夫人がおつきの侍女さんから受け取ったスケジュール一覧をテーブルの上に置いて、わたしは目を向いた。
……淑女教育に音楽、刺繍? ダンスに算術に歴史に詩歌? 詩歌ってなんだ⁉
思わず目をまん丸くしてしまったわたしに、公爵夫人はおっとりと、
「足りなかったかしら?」
なんて地獄の使者のようなセリフを吐いてきたので、わたしは慌てて首を横に振ったよ!
「本来王女殿下は、一流の教師たちからこれとは比べ物にならないくらいたくさんの教育を受けるはずなのですけど、さすがに二か月半で詰め込むのは厳しかったので、この程度で許して下さいませ」
いやいや。
いやいやいやいや。
お気遣いは嬉しいけどね、ここで勉強漬けになるなんて想像もしていなかったよ! これっぽっちもね!
なんてこった、と何度もスケジュール表を眺めてわたしは頭を抱える。
……せ、せめて半分くらいに減らしてくれないかな~。
ちらっと公爵夫人を見ると、嬉しそうな顔でにこにこ笑っているから、減らしてもらうのは無理っぽい。
「さあ、王女殿下から当然の権利を奪った不届きものに、ぎゃふんと言わせてやりましょうね」
いえ、ぎゃふんと言うのはたぶん……わたしになりそうですよ。はい。
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