表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぬこ様と魔王様と 〜もしも魔王が、猫を飼ったら〜  作者: ひろしたよだか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/67

【その6:ぬこまみれセイント】

本日も2話更新!


「……あの、私の顔に何か?」


 困惑する聖女。


 我、びっくりして思わず固まってしまっていたようだ。


 そんな我と聖女の間に、神官服の男が滑り込む。


「ルラ様! また見知らぬ者にそのように気安く。御身を大切になさいませ!」


 む。こやつは何か我に対して誤解をしているようだ。我は聖女などに興味はない。それよりも……。


「ここはどういう施設であるのか? あー……それは一体?」


 我の質問に、ルラと呼ばれた聖女は神官の注意も聞かずに、屈託のない笑顔を見せる。


「猫たちに餌をあげております。教会の奉仕活動の一環なのです」


 ねこ。ぬこの種族はねこと言うのか。なるほど、見た目の愛らしさからして、ねこと言う響きも悪くない。


 知らずにぬこと名付けた我の名付けセンス、称賛されるべきであろう。


「あの? 奉仕活動にご興味が?」


 ルラが首を傾げてくる。


「いや、そうではない。実は我の家にもぬこ……ねこがいるのだが、そやつが病かもしれず、薬を手に入れたいのである」


「まあ、猫ちゃんを飼っておられるのですか! でも、病とは?」


「うむ。立て続けに2度もくしゃみをしたのである」


「くしゃみを……それだけ?」


「そうだ。今までぬこが、2度も続けてくしゃみをしたことはない。これは何かの病に違いなかろう」


「えっと……その、まず、その猫ちゃんのお名前は“ぬこ”さんでいいのですかね?」


「うむ」


「ぬこちゃんは、おいくつくらいなのですか?」


「知らぬ。少し前に我がし……ではなくて家に迷い込んできたのである。……そうだな。そこにいるねこ達と大きさはさほど変わらぬ」


「ああ、保護されたのですね。それで。……でも多分、そんなに心配することははないと思いますよ」


「だが2回も……」


「その後もくしゃみが止まらないのですか?」


「いや」


「でしたら問題ありませんよ。もしもくしゃみが続くようでしたら、ここに連れて来れば私が癒して差し上げます」


「ルラ様!」


 また神官が口を挟む、うるさい男だ。紅蓮の炎で焼いてしまおうか。


「ハーロット! すみません。この者は私のお目付役のような者でして……。その、私が聖女などともてはやされているもので……」


「うむ」


 知っておる。我、一度殺しかけたので。


「……驚かないのですか?」


「うむ? 驚いた方が良いのか?」


「いえ。そんなことは。新鮮な反応でしたので、つい」


「そうか。や、それよりも、我が家は少々遠くにあるので、気軽にぬこを連れてくるのが難しいのである」


「ああ。この街の方ではなかったのですね。もしかして、大きな街に薬を求めに? わかりました。それでしたら協力いたしましょう」


「ルラ様!」


「ハーロット! 猫好きに悪い人はおりません! 遠路はるばる、ぬこちゃんの薬を買いに来たのですよ! 協力してあげたいとは思わないのですか?」


「しかし……」


「では、私たちだけでまいります。ハーロットはここで、猫達の面倒を見ていなさい!」


「じゃあ行きましょうか。……えっと、お名前は?」


「あー……マオである」


「この辺りではあまり聞かない名前ですね。異国の香りを感じる良きお名前です。ではマオさん、私が案内して差し上げます」


 妙なことになったが、ここは聖女の言葉に従おう。ねこ好きに悪い奴はいない。なるほど、良い言葉である。


「待ってください! ルラ様!」


 情けない声を上げるハーロットとかいう男を置いて、ルラはスタスタと歩き出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ