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ぬこ様と魔王様と 〜もしも魔王が、猫を飼ったら〜  作者: ひろしたよだか


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【その2:さいしんガジェット】

本日短めのお話を2話更新です。

読み飛ばしにご注意ください


 また新しい勇者が来た。


 毎回毎回よくも飽きぬものだ。


「貴様が魔王か!?」


「然り。我が魔王だ。初めまして。そしてさようなら」


 軽く氷の息吹を吹き掛ければ、それだけで勇者一行が吹き飛ばされる。これで実力もある程度分かった。大した相手ではない。


 さっさと片付けてぬこと戯れるとしよう。


 ぬことの時間は一仕事終えてからと決めている。そうしないと一日中ぬこと過ごしてしまうからだ。魔王としてそれはまずい。


 まあ、本音を言えば、我としてはそれでもいいのだが、仕事を放置すると、部下どもがうるさいので仕方がない。


 万が一にも、ぬこの部屋に入ってきたら大変だ。むさくるしい者どもが現れて、ぬこが怯えたら困る。


「これが魔王の力か……」


 何やら苦戦の雰囲気を醸し出しているが、まだ戦いが始まってもいない。本当にベリアルたちは何をしておるのか。この程度の者たちの侵入を許すとは。


「ホーウィ! 準備を!」


 勇者が仲間に何かを頼むと、学者風の男が道具を取り出し、すぐにこちらへ向けた。


 新手の武器か? 面倒だから男ごと吹き飛ばすか。そう考えた時である。


 カシャリという軽快な音が鳴り響く。若干身構えたが何も起きない。なんだ、失敗したのか。


 拍子抜けした気持ちであると、今回の勇者が声を張る。


「俺たちではお前に勝てないのだろう。だが、人間の積み重ねを舐めるな! この“写真機”で、お前の姿を絵に記録する! この情報を元に、お前の弱点を発見するものも出てこよう!」


「……ちょっと待て、今なんといった?」


「この情報からお前の弱点を……」


「違う、その前だ。我の姿を記録すると言ったのか? どうやって?」


「どうやって? それは、その、紙に焼き付けるのだ!」


「今、我の姿を焼き付けたのか? ちょっと見せてみよ」


「その手に乗るか! ホーウィ! お前に託す! その写真を世界に届けるんだ! 転移魔法発動!」


「ちょ! 待て!」


 我が手を伸ばすも、消えゆく学者。


「これで俺の目的の半分は達した。あとはせめて、貴様に少しでも次につながるダメージを与えてやる!」


「いや、ではなくてだな……」


「行くぞ! 魔王!」


 こいつでは話にならない。我はこの勇者との会話を諦めた。



◇◇◇ 



「魔王様、随分と難しいお顔をされておりますが、どうされましたか?」


 勇者の残骸を片付けていたベリアルが、我の様子に気づいて声をかけてくる。


「ベリアルよ、貴様は写真機なるアイテムを知っておるか?」


「しゃし、ん、き? ですか? 残念ながら……」


「そのアイテムを使用すると、対象物を絵にして記録できるらしい」


「なんと!? まさか、こやつらがそれを!?」


「うむ。我の姿を撮って逃げおおせたわ」


「それは由々しき事態ですな。すぐに追っ手を! 魔王様の絵を取り戻して参りましょう!」


「……うむ。そうだな。それが良い。いや、我の姿はどうでも良い。その写真機なるものを入手して参れ」


「は? ああ、なるほど。人間どもの新しいアイテムが我らの脅威になり得るか、それを確認しようと……流石は魔王様にございます! 海よりも深いお考えに感服いたしました!」


「そういうのは良い。すぐに手配せよ!」


「おまかせあれ! いかなる犠牲を払おうとも、必ず成し遂げて参りましょう!」


 ベリアルの後ろ姿を眺めながら、我はぬこが丸まってる姿を絵にすることを考えていた。



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