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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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レスリングはネタだけのものではありません(笑)

 以前にも書きましたが、なろうの作品においては……レスリングという格闘技は色物である、と認識されているような気がします。まあ、かく言う私も総合格闘技を始めるまでは、レスリングのルールすら知りませんでしたが……すみません、ルールに関しては、実は今もよくわかっていません。さらに言うなら、レスリングのあのバックを奪い合う攻防は……客観的に見ればネタにされても仕方ないかな、と思う部分はあります。

 しかし、ここで皆さんに知っておいていただきたいのは……レスリングはとてもハードで奥深い格闘技だ、ということです。今回は再度、レスリングについて語ります。私の拙い文により、皆さんのレスリングに対する認識が少しでも変わってくれれば、私は使命を果たせた気がします。少し大げさかもしれませんが。


 いきなりですが、もし運動経験の全くない人がレスリングのスパーリングをしたら……まあ一〜二分が限度でしょうね。下手をしたら、スパーリングの最中に吐いてしまうかもしれません。レスリングの攻防がどれだけキツいものか……経験のない方にはわからないでしょうね。少なくとも、私はボクシングやキックボクシングのスパーリングの方が楽だと感じます。これも個人差はあるかもしれませんが……。


 レスリングという格闘技は、全身のパワー、スピード、スタミナ、そして柔軟性を要求されます。実際、「レスリングこそがあらゆる格闘技の下地になる。レスリングの経験は、後でどんな格闘技に転向しても役立つ」と言っていた人もいるほどです。実際、総合格闘技ではレスリング技術は必須科目ですが……キックボクシングなどの打撃系でもレスリングの技術を学ぶことにより、相手の突進やクリンチを上手くさばくことが出来るようになります。実際、試合で頭から組みつかんばかりの勢いで突っ込んで来る選手がいるんですよ……。

 また、空手とキックボクシングの世界で活躍した、とある格闘家も「レスリング選手の身体は強靭であり、格闘家としては理想的」と言っていました。柔道もそうですが、人と組み合い、押したり引いたりする競技というのは、それだけで全身の筋肉の強化になります。ウエイト・トレーニングでは鍛えられない、小さな筋肉をも鍛えることが出来ます。結果として、強靭な肉体が出来上がるわけです。

 さらに、強豪校といわれる高校や大学のレスリング部の練習のキツさは、本当に血ヘドを吐くほどの厳しさ……だそうです。入部の経験がないのに語ってすみません。とにかく、厳しい上下関係(正直、この点に関しては私は否定的な立場なのですが、その是非については今は論じません)、そして辛く激しい練習。そんな毎日の中で、肉体はもとより精神をも鍛え上げていきます。彼らを「しょせんはスポーツ格闘技の選手だから」などというような言葉で論じない方がいいでしょうね。少なくとも、なろうで流行りの「殺人のための技に特化した古武術」なるものを習っている高校生など……比較にならないほどの強靭な肉体、そして不屈の精神力を持っているのは間違いありません。

 そんな厳しい練習の中で造り上げた強靭な肉体、それはまさに凶器です。以前にも書いた、二人のレスリング部の学生が暴走族八人を叩きのめした場面ですが……レスリングの技は一切使っていません。少なくとも、私の目にはそう見えました。真正面から突っ込んで行き、力任せにブン殴りブン投げる。ただ、それだけで暴走族の群れを潰してしまったのです……。

 結局、高い身体能力というものは、それだけで少々の技術など凌駕するものなのです。レスリングはスポーツというイメージが強いかもしれませんが、なろうで流行りの訳のわからない古武術や、聞いたこともない格闘術など比較にならないほどの実戦性を秘めています。この古武術に関しては、いずれ私なりの意見を書くつもりでいますが……それはともかく、スポーツとしても格闘技としても、レスリングは素晴らしいものだと私は思っています。これだけは本当に、経験しないとわからなかったことですね。

 ただ、人と触れ合い、そして組み合うのが生理的に嫌いだという方もいます。そういった方にレスリングを勧めるつもりはありませんが……。


 蛇足になりますが……昔は格闘技の雑誌で、最強の格闘家は誰だ? という企画が年に一度くらいは組まれていました。この疑問に完全な答えを出すのは不可能です。しかし……あえて私の個人的主観を述べるなら、レスリング百三十キロ超級の選手であり、オリンピック三連覇の偉業を達成したアレクサンドル・カレリンこそが当時は最強の格闘家だったのかも知れない……とは思います。

 積雪三十センチの中でのランニング、不休で三時間ぶっ続けでのボート漕ぎ……こんな、昭和の格闘技漫画に出てきそうな内容のトレーニングをこなし、全盛期の背筋力は四百キロを超えていたと言われているカレリン……まさに怪物ですね。

 おまけで付け加えると、このカレリンの写真を見て「見かけ倒しの筋肉っぽい」とコメントした方がいたそうです。もちろん、カレリンを知らない方なのでしょう。しかし筋肉量が多い→見かけ倒しの筋肉という日本人特有の認識は、そろそろ何とかした方がいいような気がします……。





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