映画って、本当にいいものですね
さて、前回でも書きました通り、今回はちょっと変な格闘技映画を紹介してみようかと思います。まあ、変な格闘技映画と言えば……香港のカンフー映画は変なものがかなり多いのですが。燃えよデブゴンとか拳精とか……ただ、それだとキリがないので、あえてアメリカの映画のみを紹介します。
まずは、『ブラック・イーグル』です。実はこの作品、DVD化してません……そんなわけですので、観るためにはVHSのテープを中古で買うしかないんですよね……まあ正直、わざわざVHSのテープを買ってまで観る価値はないのではないか、とも思いますし。動画はあるかもしれませんが。
この映画の主演はショー・コスギです。ショー・コスギ……若い方はご存知ないでしょうが、かつてアメリカにて、忍者ブームを巻き起こした人……らしいです。私も詳しくは知りません。さらに言うと、ケイン・コスギのお父さんでもあります。ケイン・コスギも最近はあんまり観ない気がします……私だけかもしれませんが。
さて、映画の内容はと言いますと、ショー・コスギ演じるCIAか何かの忍者エージェントが、KGBか何かと戦う……というストーリーでしたが(すみません、ほとんど覚えてないです)、KGB側には、あまり売れてない頃のジャン・クロード・ヴァンダムがいるのです。若い時なので……まあ動きが素晴らしいんですよ。飛び後ろ回し蹴りなんかは……本当に華麗ですね。主役のショー・コスギを完全に食っちゃってます。実際、見終わって印象に残るのは、顔を黒く塗り、奇声を発しながらチェーンを振り回していたショー・コスギと、ヴァンダムの動きが凄くて主役のショー・コスギをボコボコにしてたこと、そしてヴァンダムの最期が「銃で撃たれて海に落ち、船のスクリューに巻き込まれて死ぬ」ことくらいしか印象に残っていません。ストーリーは全く頭に入ってこないんですよね、本当に。「何かワケわからん人たちがワケわからん理由で暴れてたなあ」くらいしか……まあ、一番ワケわからんのは主演のショー・コスギなんですが。ちなみに、まだ幼い頃のケイン・コスギも出ています。
次は『シンデレラ・ボーイ』という映画です。これは……『ブラック・イーグル』よりもさらにカオスですね。これまたDVD化されてません。ストーリーを簡単に言うと、格闘技でボコられた少年が修行を積み、ボコった相手をリングで倒す、というよくあるタイプの格闘技映画です。主人公を演じるのがカート・マッキニー……正直、他の映画に出演しているシーンを観たことがないですね。今は何をしてるんでしょうか。しかし、主人公の師匠となるのが、あのジークンドーの創始者であり伝説の格闘アクションスター、ブルース・リー……の幽霊なんですよ! しかも、似ても似つかないアジア系の俳優が演じてます……せめて、似た顔の役者を用意できなかったのかあ! とツッコミたくなりますね。で、その似ても似つかない幽霊とワケわからん修行をして強くなり、そして闘う相手が……何たる運命のイタズラか、またしてもジャン・クロード・ヴァンダムなのであります。もちろん売れてない時代の。で、華奢な少年である主人公が、マッチョでありながら華麗な技を使いこなすヴァンダムをボッコボコにします。この映画は恐らく、前回にて紹介した『ベストキッド』のパクり……いやインスパイアされて制作されたのではないか、と思われるのですが、展開の無茶苦茶さ、主人公のパワーアップ具合、そしてラスボスの強さはこちらの方が遥かに上です。実際、『ベストキッド』よりもこちらの方が好きだ! という方も少なからずいるようでして……まあ、割合としては少数派ですが(それ以前に、この映画の存在自体を知っている人が数少ないという事実もあります……)。あと個人的な見所は……ヴァンダムがリングのコーナーポストで行う開脚、これは凄いです。
ここまで色々と書いてきましたが、エージェントが格闘技を用いて世界征服を企む悪の秘密結社と戦ったり、あるいは弱い少年が格闘技と出会うことで強くなり、いじめっ子を倒す……そこには爽快感がありますし、何より格闘技の普及という点に関しては未だに絶大な効果があるのではないでしょうか。もちろん、中には本当に意味不明で理解不能な格闘技映画もあります。しかし、ほとんどの格闘技映画は観る者に感動や爽快感を与え、そして格闘技へと誘ってくれるものでしょう。私はこれからも、格闘技映画を紹介していこうと思っています。




