パンチのある作品とは……
私の行くジムには、元レスリング選手で現在はプロの総合格闘家をしているトレーナーがいます。このトレーナーはとても爽やかで人当たりが良く、他の人のパンチをミットで受けている時には「いやあ、強いパンチですね! 素晴らしい! いいパンチだ!」などとニコニコしながら声をかけています。ところが、たまに私のパンチを受けてくれることがあります。その時には、「赤井さんダメダメ! 体重の割りにパンチが弱過ぎ! もっと強く! 引きも遅い!」と、やたら辛口になります……確かに体格の割りにパンチは弱いかもしれませんが。
そんな時、ふと思いました。パンチが強いと言われるのは、みんな嬉しいのだろう。また、パンチ力を強くしたいとも思っているのだろう。ここは一つ、パンチを強くする方法についてあれやこれや語れば、もしかするとアクセス数がぐんと上がるかもしれない……などと言う邪念というか煩悩みたいなもの? に突き動かされ、パンチ力について書いてみました。なお個人的な意見もかなりありますので、この通りやれば全てが百%間違いない、という訳ではないことをあらかじめご了承ください。詳しく知りたい方は……専門家の書かれた物を読むのがいいかと思います。
私の若い頃は「パンチ力は背筋で決まる」という考え方が横行していました。しかし、その考え方はどうやら間違いらしいです。強いパンチを打つと、その反動で背筋が発達する……つまり、強いパンチが打てるから背筋が発達するのであって、背筋を鍛えて発達させたからといって、強いパンチが打てるようにはならないらしいのです。
では、強いパンチを打つにはどこの筋肉を鍛えるか……身もふたもない言い方ですが、全身の筋肉を鍛えるべきです。ふくらはぎから前腕まで、全ての筋肉をまんべんなく強化しなくてはなりません。強いパンチを打つには、全身の筋肉の力を総動員させて、拳に乗せる……まずは、これが出来ないと話になりません。ちなみに、私は出来てません。ですから、私のパンチ力は……ご想像にお任せします。
あと、これはあくまで仮説と言いますか、私個人の意見ですが……格闘家の中にはベンチプレス(ベンチの上に寝てバーベルを挙げる種目です。主に大胸筋を鍛える、ウエイトトレーニングの人気種目です)に対し、否定的な人も少なくありません。「大胸筋が付きすぎるとパンチが打ち難くなる」「スピードが遅くなる」「重い物を持ち上げる力とパンチ力は関係ない」などなど……確かに、その意見は正しいと思います。しかし同時に、ベンチプレスをやることにより、全身の力を一瞬に集中させやすくなるのも事実です。一回しか挙がらないような重さのバーベルを挙げる時、要求されるのは力もさることながら、全身の力を上手く引き出すことです。全身の力を一瞬で上手く引き出す……これはパンチを打つ際にも大いに生かせると思いますが……ちょっと一般向けでないマニアックな話でしたかね?
ただ、手首だけは念入りに鍛えておいた方がいいかもしれません。手首が弱いと、パンチが当たってもぐらつき、ダメージが伝わりません。下手をすると手首を痛めます。なので、パンチを強くしたい方は全身の筋肉を鍛え、なおかつ手首を意識して鍛えましょう。そういえば、握力×スピード×体重=パンチ力、と某格闘技漫画に書いてありましたが……握力はどうなんでしょうね? 当たった瞬間に拳を握りこむことにより、パンチの威力は高まるかもしれませんが……個人的には、握力の比重はそんなに高くはないのではないかと思います。詳しく知ってる人がいたら、ぜひ私に教えてください。
そしてパンチ力強化に欠かせないトレーニングと言えば……やはりサンドバッグを叩くことでしょう。パンチ力を強くしたい場合は連打するのではなく、一発一発に一撃必殺の気合を込めて打つべし打つべし! そうすることにより、パンチを打つための筋肉も強化でき、打つためのコツを体が覚えるらしいです。
とまあ、パンチを強くする方法について触れてみましたが……いくら強いパンチを持っていても、当たらなければ宝の持ち腐れですね。パンチを当てるためのトレーニングもしなくてはなりません。さらに、今は一発で倒すよりも回転の早い連打で倒す方が効率的であるという考え方がメジャーなので……まあ、弱いよりは強い方がいいのは当然ですが。結局は、いろんなトレーニングをしてください! という結論で終わります。




