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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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ボディ攻撃について

 先日、面白い動画を観ました。那須川天心が、巨漢のボディにパンチを打ち込む……それだけのショート動画です。巨漢は那須川のパンチを腹で何発も受けながら、ニコニコ笑っておりました。「これだけの体格差があると、那須川といえど通用しないのか」というようなコメントも寄せられておりました。

 私はこれまで、体格差の重要性について何度も書いております。なので、体格差を軽視するつもりはありません。その上で、あえて書かせていただくなら……那須川が試合で放つタイミングのボディブローを食らったら、この巨漢とて倒せていた……は無理としても、表情くらいは変えられていたのではないかと思うのですよ。




 まず、ボディへのパンチでダウンさせるためには……もちろん、強いパンチを打てることは必須条件です。しかし、それだけでは不充分です。当てるタイミングは、本当に大事ですね。

 ごく基本的なことですが、顔面を狙い強いワンツーを打ったとします。相手は、両腕でガードしました。この時、相手の腕には強いパンチの感触が残ってます。その感触が、顔面パンチへの警戒心を生むわけです。結果、瞬間的に意識は顔への攻撃に集中しています。

 そこで、三発目の攻撃を顔ではなくボディに打ったとしましょう。これは効きます。相手の意識は、顔面パンチの方にいっているわけですからね。意識外のボディブローは、来るとわかっているボディブローの数倍効きます。一発のボディブローで決まる試合は、こういうケースが多いですね。

 ボディブローというのは、タイミングが大事なんですよね。同じボディ攻撃のミドルキックは、威力だけならボディブローより遥かに上です。が、ミドルキック一発で決まる試合というのは、あまりないですよね。ミドルキックは動作が大きい分、来るのがわかりやすいです。相手がミドルキックを打つ動作に入った瞬間、こちらの体も「来る!」と備えられます。その状態なら、もらっても耐えられるのですよ(プロならば)。場合によっては、ミドルキックを敢えてもらいながらのカウンターパンチ……という手もあるわけです。

 そんなミドルキックに比べ、パンチは速いです。また、パンチでの連続攻撃の中にボディブローを混ぜることにより、威力が倍増します。いわゆる上下の打ち分けですね。結果、ボディブローによるKOが起きるわけです。

 ここで冒頭に書いたシーンに戻りますが、那須川は試合では、当然ながら顔面も攻撃します。顔面へのパンチやキック、さらには足へのローキックなども交えた攻撃をするでしょう。その合間に、ボディへのパンチを入れたら……巨漢といえど、さすがにニコニコしてはいられなかったのではないかと思いますね。

 実のところ、こんなのはボクシングやキックボクシングのジムでスパーリングを経験した人間なら誰もが知っていることですが、知らない人が意外と多いようなので今回のテーマとさせていただきました。


 

 

 そんなボディ攻撃に耐えるため、格闘家は様々なトレーニングをします。

 まず、基本は腹筋運動ですね。いろんな種類の腹筋運動をすることにより、腹筋を強くし攻撃に耐える鎧とするわけです。ここでシックスパックの腹筋を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、実のところシックスパックの腹筋が浮き出た体より、筋肉の上に脂肪がのった体の方が打たれ強いです。

 プロになると、ボディの打ち合いをメニューに加えている人もいます。同じくらいの体格の選手同士が向き合い、ボディを打ち合うというトレーニングです。そう、筋肉を強くするだけでは不充分なのですよ。実際に打たれる体験をすると、徐々に耐久力が付いてきます。最初は一発のパンチで倒れていたような人が、トレーニングを続けるにつれ打たれ強くなっていくのですよ。これは、ローキックにも同じことが言えます。最初は、一発のローキックで膝をついていたような人が、トレーニングを続けるうちに耐えられるようになっていくのですよね。これは、ボディビル的トレーニングで筋肉を盛り上げるだけでは得られないものです。

 さらに、選手によっては特殊なトレーニングをする人もいるようです。聞いた話ですが、目をつぶった状態でシャドーボクシングをして、時おりパートナーに軽く腹を打ってもらう……これは、見えないパンチに対する耐久力をつけるためのトレーニングのようです。先ほども書いた通り、意識外からのパンチは数倍の威力があります。そこで、見えない状態でパンチを受けることにより、瞬時に体が反応し筋肉を固め防御体勢に入る……そういう能力を高めるものかと思われます。


 最後に……念の為ですが、目をつぶった人の腹を思い切り殴るのは、非常に危険なのでやめてください。昔、私の知人が「ヤキ入れ」と称して不義理をした後輩に目をつぶらせ、思い切り腹を殴りました。結果、後輩の内臓が破裂したそうです。知人は、傷害で訴えられ初犯にもかかわらず実刑判決を受け、二年ほど刑務所で過ごしました。







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― 新着の感想 ―
[良い点] ち、知人……(´゜ω゜`)。 [一言] ローキックという技もあるのですね。ジョニー(懐かしい存在になってしまいましたね)はハイキックが得意だったので、ハイキックがあるならローキックもありま…
2023/03/23 19:09 退会済み
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