僕さあ、ボクサーに……
まず、思いつきで下らないサブタイトルにしてしまったことを深くお詫びします。
前にも書きましたが、ボクシングという格闘技はなぜか、噛ませ犬扱いが多いようです。様々な格闘技小説、マンガ、映画……ゲームはどうなのでしょうか。強いボクサーが出る対戦格闘ゲームというのはあるのでしょうか。最近は対戦格闘ゲームをやってないのでわかりませんが。
それはともかくとして、私のジムにはボクシングの経験者が何人かいます。その中にはプロライセンス所持者もいます。彼らとスパーリングをしていて気づくこと……それはボクシングという格闘技の強さです。そこで今回は、ボクシングの汚名返上そして名誉挽回といきたいと思います……もっとも、ボクシングやってる方々はそんな小説やマンガでの評判など気にも止めていないと思いますが。
ボクシングがなぜ、噛ませ犬扱いが多いのか……やはり、一番メジャーな格闘技である、というのが最大の理由でしょうか。
そして次の理由としては……技がパンチのみに限定されている、という点でしょうね。実際、某有名格闘技マンガでも「グラブをはめる、蹴り技がない、投げ技がない(中略)以上の理由で、君らは格闘士として失格だ」などというセリフがありました……それはともかく、技がパンチのみ=弱いという考えなのでしょう。しかし、これは間違いです。技がパンチのみに限定されている分、そのパンチは磨き抜かれ、洗練されています。また、技がパンチのみに限定されている=足は移動のみに使うということになります。役割分担がはっきりしており、体の使い方が実に合理的です。ボクシング経験のある方や実際に間近でご覧になった方はわかると思いますが、ボクサーの動きは柔らかく、しかも早いです。下手な格闘士(?)では、あの動きには到底ついていけないでしょうね。ちなみに私もついていけません。
また、技術の応用が利くのもボクシングの利点です。路上などでは狭い道、電柱、止めてある自転車、看板などなどいろんな障害物があります。蹴りが使えないケース(狭いと使いづらいです)、組み技が使えないケース(下に石があったり、多人数を相手にした場合)など、いろんなケースがあります。しかし、ボクシングの技術はかなりの状況で応用が利きます。
あと……私の気のせいかもしれませんが、アウトローの世界の武闘派と呼ばれる方にもボクシング経験者が多いように思います。これもやはり、ボクシングという格闘技の持つ実戦性の高さゆえではないかと思います(他の理由もありますが、あえて書きません)。以前、そんな方の喧嘩を見たことがありますが、飲み屋で騒いでいたデカイ外人を裸拳でバカスカ殴り、戦意喪失させていました……もう十年以上の話ですが、あれは横で見ていて怖かったです。
ついでに言いますと、ボクサーは裸拳で殴り慣れてないから素手なら弱い、という話も聞きますが、拳を痛めるのを防ぐため、拳を強くする練習をしているボクサーも結構います。さらに、喧嘩の時は興奮しています。なので拳を少しくらい痛めても、殴り続けることは可能です。相手をKOするまで殴り続けることも可能です……翌日は物凄く痛みますが。ちなみに試合の途中、拳を骨折しながらも最後まで闘い続けたボクサーもいます。
ですから、これを読んでいる皆さんには「ボクサーは弱い」などという誤った認識は捨てていただきたいですね。ついでですが、私の通うジムの軽量級のプロ選手にある日「マニー・パッキャオと総合格闘技のルールで試合したら勝てますよね?」と聞いたところ、「無理」という答えが返ってきました。
もっとも、当のボクサーたちはそんなこと気にも止めていないというのが現実ですが。彼らはボクシングという競技に誇りを持っています。何を言われようと、何を書かれようと気にも止めていないでしょうね。そういった部分は私も見習いたいものです。お気に入りが一日に四件減ろうが、よくわからない作品がランキングの上位にいようが、動じないで自分のスタイルに誇りを持ち、作品を書き上げていきたいものです。




