トレーニングジムにいる困った人
今回は、ウエイトトレーニングジムにたまにいる困った人について語ります。以前にもこんなのやった覚えがありますが、内容は違いますので。
●チン毛が見えてる人
いきなりこんなので恐縮ですが、過去に一度だけ遭遇したことがあります。
問題の人は、プロレスラーであり俳優の故プロフェッサー・タナカのような風貌と体格の人でした。タンクトップを着ており、上半身の筋肉は凄かったです。履いているパンツは、かつて一世を風靡したレイザーラモンHGのように短いものでして、大木のごとき太ももが見えています。私は内心「スゲー体してるな」とビビっておりました。
そのタナカ氏、ベンチプレスを始めたのですが……ベンチに仰向けになり両足を開くと、もっさりと生えているチン毛が丸見えではありませんか。本人は気づいていないらしく「フン! フン!」と重いバーベルを挙げていました。当然、怖くて指摘など出来ません。
まあ、このケースは私も一度しか遭遇していません。極めて珍しいケースなのかもしれないですが、ないとは言い切れません。なので、気をつけるようにしましょう。あんまり短すぎるウエアを着る際には、事前にベンチに寝てみてチェックした方が無難かと思います。
●集団で訪れる人たち
これは、だいたい四月から五月あたりになると出現します。薄着になる時期に向けて、綺麗な体にしようというのでしょう。もちろん、それ自体は立派な心がけだと思います。否定する気は毛頭ありません。
ただ、こういう人たちは集団であるケースが多いんですよ。それも、二人や三人ならいいのですが……六人や七人で来場し、ペチャクチャ喋りながらベンチやマシンを長時間占領していたりします。ひどい時になると、トレーニングもやらずにベンチに座り込んで喋りに集中していたりします。これは、本当に迷惑ですね。
こういう人たちは、ジムにひとりで行くのが怖いのかも知れません。マッチョな男たちがいる中に、ひとりで飛び込んでトレーニングするのが嫌なのかもしれません。ただ、そういう気持ちを乗り越えない限り、いつまで経っても自分の殻を破れないんですけどね。
ちなみに、こういう人は基本的に長続きしません。これは断言できますね。だいたいが、七月あたりになると消えています。
●鏡の前でシャドーボクシングする人
これ、たまにいるんですよね。ウエイトのジムには大きな鏡が設置されていますが、目的はトレーニングのフォームをチェックするためです。
ウエイトトレーニングは、ただ単純にバーベルやダンベルを挙げればいいというものではありません。ちゃんとしたフォームで行わないと、効果がないどころかケガに繋がるケースもあります。なので、鏡でチェックするのですよ。
ところが、いきなり鏡の前に立ち一心不乱にシャドーボクシング……これは、はっきりいって迷惑ですね。
格闘技をやってる人間は、ウエイトトレーニングと格闘技の練習をきちんと分けています。ウエイトトレーニングのジムでは、ウエイトしかやりません。決まったトレーニングメニューをこなし、速やかに帰る……これが格闘家です。シャドーをやる時は、自身の所属しているジムか道場でやります。まあ、試合が近くて気持ちが高ぶっている時などは、鏡を見て構えて軽くワンツーなどしてしまう時はあります。しかし、それも一瞬で終わりです。
ところが、ウエイトトレーニングのジムでシャドーをやる人は……鏡を占領し一心不乱に行うのですよ。周りに人がいようが、お構いなしにやります。しかも、ほとんどが下手くそなんですよね。相手との攻防を想定してないシャドーなんですよ。
こういう人たちの目的は、結局のところ「俺は強いんだぞ」アピールなんでしょうね。さらに「シャドーやってる俺カッケー」というナルシズムもあると思われます。カッコ悪いんですけどね。
ちなみに大昔、ウエイトトレーニングルームにて新極真会の佐伯健徳さんとお会いしたことがあります。佐伯さんは、極真空手の全日本大会にて活躍している実力者です。その佐伯さんの前で、下手くそなシャドーをしている若者がいまして……私は内心「なんて身の程知らずな奴なんだろう」と思いました。
もうひとつ付け加えますと、相手を想定したシャドーは動くことが大事なんですよ。たとえば、ジャブを打ったら脳内の相手が後退する。ならば、こちらはさらにジャブを打ちつつ前進し、追い詰めてワンツー。あるいは、相手がパンチを振るいながら前進してきた。ならば、こちらはいったん後退しカウンター……こんな風に、相手の動きを想定し前進したり後退したり回ったりという動きが重要です。
話がズレてきましたので、結論を書きます。ウエイトトレーニングのジムでシャドーをするのはやめましょう。はっきり言って迷惑です。シャドーがやりたいなら、自分の通うジムか道場でやりましょう。ただ、こういう人のほとんどが、格闘技のジムや道場には通っていないと思います。




