顔面への打撃
先日、またしても緊急事態宣言が発令されました。おかげで、私の生活にも様々な支障が出ています。トレーニングの方も、昔のようには出来ない状態ですね。しかも、これを書いてる日(五月七日)に延長が決まりました。まあ、今の環境でやれることをやるしかないですね。
さて、以前より思っていたことですが……映画やドラマやアニメなどといったフィクションのアクションシーンなど見ていると、当然ながら殴り合う場面があります。主人公が、顔を殴られたり蹴られたりするシーンもあります。さらには、マウントポジションから殴られたりするシーンまであります。
ところが翌日になると、青痣や顔にバンドエイドくらいで終わっているケースがほとんどなんですよね。実際に殴り合いをしたことのない人から見れば、これが現実なのかと思われるかもしれません。しかし、顔への打撃は結構なダメージが残るケースがあるんですよ。今回は、その部分について語ります。
まず、顔を殴られると痛いです。握った拳で殴られると、顔が傷ついたりします。
特に、前歯は意外と簡単に折れます。前歯が折れると、痛みもさることながら精神的なショックが大きいですね。
実は私も、前歯を折られたことがあります。殴られた直後、口内に異物感……ペッと吐き出すと血に砕けた前歯が混じっているんですよ。あれは嫌でした。殴られた時は興奮状態ですので痛みはあまり感じないですが、歯が折れたとなると精神的にキますね。
しかも、翌日に鏡を見ると前歯の欠けた自分の顔が映ります。この時は、かなりショックでした。
また、唇も簡単に切れます。私は、何度も切りました。特に酷かったのは、元プロキックボクサーのハイキックを食らった時です。食らった直後、頭がぐらんぐらんして目の前の映像がぼやけたかと思うと、上唇が切れて血がポタポタ垂れていました。幸いにも、縫うほど深くは切れなかったのですが、翌日には大きく腫れ上がっていました。その後しばらくの間、故いかりや長介さんのような顔になっていましたね。その上、食べる時に傷口に触れるとジンジン染みるんですよ。これは、かなりキツかったです。
時と場合によっては、鼻も折れます。私は総合格闘技の試合に出る際、トレーナーに「赤井さん、オープンフィンガーグローブは薄いから、鼻にクリーンヒットしたら折れるかもしれないからね」と言われて、ビビりながらも出場した記憶があります。幸いにも、鼻は折れませんでした。しかし、鼻血は出ました。以前にも書きましたが、鼻血がドクドク出てると本当に嫌ですね。軽く考えているかもしれませんが、闘っている最中の鼻血はそれだけで不利になります。
あと、忘れてならないのは額ですね。額は肉がついていないため、打撃で切れやすいのですよ。肘で切れるのは有名ですが、膝でも切れます。私は、プロ選手とのスパーリングで膝蹴りを額に受け(アクシデントですが)、額がぱっくり切れました。その傷痕は、今も残っています。
ここまで読んでいただけてわかったと思いますが、顔への打撃は結構なダメージになるのですよ。時には、顔面が崩壊してしまうようなこともあります。
第二回UFC大会に出場したスコット・モリスという選手は、マウントポジションからの肘打ちで顔の骨を陥没骨折しました。治療のため、腰骨の一部を顔に移植したとのことです。
さらに言うと、路上で喧嘩になり顔を殴ったら、相手がよろけて頭を打ち脳挫傷で死亡……これは、決して珍しいことではありません。
妄想内の格闘なら、顔を殴ろうが目つぶししようがマウントパンチしようが頭を踏み付けようが、相手は死にません。重傷を負った挙げ句に警察に訴えたりもしません。しかし現実は違います。軽く考えて欲しくはないですね。
ここからは蛇足ですが、ナルシストな方の中には、顔に傷がつくのが嫌で試合はおろかスパーリングすらしない人がいます。まあ、誰だって殴られるのは嫌です。私だって、顔を殴られるのは怖いです。気持ちはわからなくもありません。また、スパーリングをやらない人を否定するつもりもありません。人によって、格闘技に対する取り組み方は違って当然だと思います。
ただ、こういうナルシストに限って「俺は格闘技やってるぞ」アピールが凄いんですよ。聞かれてもいないのに経験者であることをアピールしたり未経験者にマウントとったり、自身のシャドーやサンドバッグ打ちの動画をあげたり……こういう人は結局、格闘技が好きなのではなく「格闘技やってる俺」が好きなんですよね。さらに、シャドーやったりサンドバッグ叩く姿を見てほしい……そのためだけに、格闘技やってるアピールしているのでしょう。まあ、先ほども書きました通り人それぞれですが。




