久しぶりの寝技練習
先日、久しぶりに寝技のクラスに参加しました。実のところ、ここ一年以上は、ジムに行っても打撃のトレーニングしかしていなかったのです。
そもそも去年の二月あたりから、コロナにより様々な方面の自粛が始まりました。格闘技のジムも例外ではありません。一時期は、私の通っていたジムも営業を休止していました。格闘技の練習もウエイトトレーニングも一切できない日々が、三ヶ月近くあったのですよね。
やがて緊急事態宣言が解除されジムも営業を再開しましたが、最初は打撃のクラスのみでした。マスクを付けてのミット打ちやサンドバッグが中心でしたね。私も、打撃のトレーニングしかしていませんでした。
昨年の秋あたりから、ジムにおける寝技のクラスも再開しましたが、正直言うと参加する気にはなれなかったですね。マスクをつけた状態での寝技のスパーリングは、ちょっと無理があるんじゃないの、という気がしていました。また、年末にかけて忙しくなってきたこともあり、寝技の方は完全にご無沙汰な状態でしたね。
そんな状態ではありましたが、先日久しぶりに参加してみました。一年以上のブランクがありましたが、終わってみてひとつ気づいたことがありました。
ウエイトトレーニングの記録は、ブランクにより確実に落ちます。
上にも書いた通り、格闘技もウエイトトレーニングもできない時期が三ヶ月近くありました。私が最初に再開できたのはウエイトトレーニングですが、まあ落ちてましたね。
中断する前は、ベンチプレス百キロが十回挙げられました。ところが三ヶ月近く空いてしまうと、百キロが三回しか挙がらなくなっていたのですよね。正直、三回目はほとんどインチキのような挙げかたでしたが、百キロが異常に重く感じました。ショックでしたね。「うわ、ここまで落ちるのか」という気分でした。
一応、家でも腕立てや軽いダンベルを用いたトレーニングはしていたのですが、やはり鍛えきれない部分はありますね。もし一年以上休んでいたら、確実にベンチプレス百キロが挙がらなくなっていたでしょう。ちなみに、今ではどうにか昔に近いレベルまで戻せました。
これが寝技になると、まるきり違っていました。
一応、マスクを付けてのスパーリングもやったのですが……いざ始まると、きちんと動けるのですよ。まあ以前に比べると劣る部分もありましたが、今まで培っていたものは、ほとんど覚えていました。プロ志望のバリバリの体をした青年を相手にして、一年ぶりにノースサウスチョークで一本取った時には「俺凄いじゃん」と内心で自画自賛してしまいました。もっとも相手の体重は七十キロほどでして、キャリアと体格差(私は九十キロ近く)を考えれば当然ですね。ただ、技術的な部分はあまり低下していなかったのは確かです。
ちなみに、持久力の方はきっちり落ちてました。スパーリング二回やっただけで、ゲロ吐きそうなくらい疲れました。ただ、これは慣れもありますね。単純に、マラソンが得意だから寝技スパーリングやっても疲れないかというと、そうでもなかったりします。
持久力はともかくとして、十年かけて磨いてきた技術というのは、体に染み込んでいるのですよね。スパーリングを重ねてきた経験というのは、本当にDNAレベルで体に記憶されている気がします。特に寝技は、培ってきたものがそのまま出るのですよね。
もちろん、打撃にもそれはあります。ブランクがあったからといって、右ストレートが出なくなるとか、左ハイキックが蹴れなくなるとか、そういったことはありません。また、対人における技術も覚えています。相手がこう来たら、こう返す……という部分は、体がきっちり覚えています。人によって差はあるかもしれませんが、いきなり初心者レベルまで落ちたりはしません。
ただ、飛び後ろ回し蹴りのようなアクロバティックな技は使いにくくなりますね。また、軽量級の動きの速い若者が相手だと、速さに反応しづらくなることはあります。これはブランクというより、老化の部分が大きいかもしれないですが。
人間、筋力や持久力といった部分は、サボっていればすぐに衰えます。しかし、長い時間かけて身につけた技術は、簡単には忘れたりしません。体が、きっちり覚えているのですよね。格闘技に限らず、若い頃にスポーツに打ち込んだ経験のある方には、是非とも体験していただきたいものです。
今後は、かなりスローペースの更新になると思います。申し訳ありません。




