表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

339/391

アマチュアレスリングの凄み

 最近、長州力の姿をバラエティー番組などで観る機会が増えました。若い人から見れば「滑舌の悪い面白おじさん」なのかもしれないですね。最近では、ユーチューバーとしても活動しているそうです。

 昔からのプロレスファンは、この姿を見て「長州も丸くなったな」と言うとか。実際、若い時は記者を怒鳴り付けて追い散らすこともしばしばだったと聞きます。

 そんな長州力が現役だった頃、ブルーザー・ブロディという外国人レスラーとタッグマッチで激突しました。ブロディは元アメフト選手であり、百九十八センチで百三十五キロの巨体を誇るレスラーとして知られていました。長州との試合も、完全にナメきった態度だったそうです。「相手の技を受ける」というプロレスのルールを無視し、ブロディだけが一方的に攻める展開だったようですね。当時のファンの間では「ブロディは、長州を子供扱いした」と語り草になっていたとか。マスコミも「さすがの長州も、ブロディには通用せず」と書き立てていたそうです。

 私は、この試合を観ていませんし、そもそもプロレスには様々な決め事があります。さらに言うと、当時はプロレスラーとしてはブロディの方が上であったのは間違いないでしょう。日本だけでなく、アメリカでも有名なプロレスラーでしたしね。

 ただ、両者が本気で闘っていたら、長州が勝っていたと思いますね。理由は、アマチュアレスリングの経験の差です。長州力は全日本大会で何度も優勝し、オリンピックに出場するほどのレスリングエリートですので。




 皆さんは、レスリングと聞いて何を連想するでしょうか。マットの上で中腰になり、組み手争いをしている風景を思い浮かべるのではないでしょうか。ボクシングや空手などの打撃系と比べると、今ひとつ迫力に欠けるように見えるかもしれません。

 しかし、それは大きな間違いです。何の経験もない人が、あの場に立ったらどうなるか……一瞬にして倒されてしまうでしょう。

 レスリング選手は、一日に何時間も取っ組み合っています。組んで、相手をどう倒せばいいか……その点を熟知しているのですよ。相手が倒されまいと踏ん張っている時でも、その力の入り方でどちらの方向に倒せばよいか、レスリング選手は瞬時に判断し動けます。これは、本当に凄いですよ。

 ですから、素人を転ばせることなどレスリング選手にとっては簡単です。よく合気道などで「相手の力を利用し~」などと言いますが、レスリングではそんなことは当たり前のようにやっています。

 私の通うジムには、中学高校大学とレスリングに打ち込んでいたトレーナーがいました。その人とは、何度もレスリングルールのスパーリングをやりましたか……全く相手にならなかったですね。私の方が十五キロ以上重く、腕力も私の方が上でしたが、それでも敵わないのですよ。特に最初のうちは、面白いようにスコンスコンと転ばされましたね。

 それでも通い続け、絞め技や関節技といった寝技ありのスパーリングならなんとか闘えるようにはなりました(体格差があるので当然です)が、純粋なレスリングスパーでは最後まで敵わなかったです。その後、件のインストラクターはジムを変わってしまいましたが、レスリングの強さや奥深さを体で教えてくれた人として、今もこの方を尊敬しております。

 冒頭に挙げた、ブルーザー・ブロディと長州力……若い方や、プロレスに興味のない方にはどうでもいい話題で申し訳ありません。が、あえて話を続けさせていただきますと、レスリングというハードな格闘技でオリンピック代表にまで昇り詰めた長州と、体は大きいが格闘技の経験があまりないブロディでは、やはり長州が有利ではないかと。プロレスの暗黙のルールを無視して本気で闘ったら、長州はブロディの力任せの攻撃をいなし、一瞬のタックルで組み付き倒してしまうのではないかと思います。さらに、上から押さえこんでの絞めや関節技にも持ち込めたでしょう。レスリングという格闘技の「相手を倒す」技術は、それを可能にするだけの強さがあるのですよ。

 これを読んでいる方々にも、レスリングという競技に一度は触れていただきたいですね。その強さを、体で感じる体験をして欲しいものです。




 ここからは蛇足ですが、そんな長州力も小川直也には手も足も出なかったとか。小川直也といえば、かつては日本の柔道界における重量級選手のエースであり、バルセロナオリンピックでは銀メダルを取っていました。総合格闘技の世界でも活躍しております。長州のレスリング技術も、小川には通用しなかったという話です。

 誤解されては困るのですが、私はレスリングより柔道が強いと言っているわけではありません。レスリング選手の中には、小川より強い人もいるでしょう。

 ただ、日本ではレスリングより柔道の方が競技人口は多いです。競技人口が多ければ、強い人間の集まる可能性も高くなります。大勢の強い人間同士での競い合いの中から勝ち残ってきた強者……それが、柔道のオリンピック代表なんですよ。海外だと話は別でしょうが、日本に限って言えばレスリングより柔道の方が競技人口は上でしょうからね。その競技人口の差は大きいと思います。

 さらに言うと、日本では大きくて強い人は、柔道か相撲の世界に多い気がします。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 興味深いお話をありがとうございました。やはり赤井さんのエッセイは自分にとっての活力剤です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ