ジム再開と足さばき
先週より、ようやく格闘技ジムが再開しました。私も少しずつではありますが、トレーニングを再開しております。
ただし、ジムの営業スタイルはかなり変わりました。まず、入る前に手の消毒です。昨今は、どこもそうでしょうが……はっきり言って面倒ですね。
しかも、出来ることも少なくなりました。まず、スパーリングは禁止です。少なくとも、今月中は無理のようですね。
また、寝技も禁止となっております。寝技の場合、確実に他人と触れ合うことになりますからね。スパーリングはもちろんのこと、技の打ち込みにも触れ合いが必要となります。そうなると、今の御時世からして無理なんですよね。万が一、会員の中からひとりでも感染者を出してしまったら……また営業停止になるでしょう。
ややこしい規則も増えました。会員は、ジムに入る前に検温しなくてはなりません。この時点で、熱が三十七度以上の人は入館禁止です。また、練習中はマスク着用が義務付けられております。これは、はっきり言ってキツイですね。
特にキツイのがミット打ちです。本気で二ラウンドやると、酸欠状態になります。さらに、汗で濡れたマスクがへばり付き、本当に死にそうになることもあります。これ、気をつけてください。キツイと感じたら、鼻だけでも開けて呼吸を楽にすることをオススメします。
ただし、このミット打ちは重要な練習メニューですので、キツイですが外すわけにはいきません。私もだいぶ本格的な練習から遠ざかっていたので、自分では気付かなかったのですが、いろんな部分にズレが生じていましたね。これは、ミットを持ってくれるトレーナーからの指摘で気づけたことです。シャドーや、サンドバッグを叩くようなトレーニングでは、絶対に気づけなかったことですね。
そんなわけでして、当分は打撃の練習しか出来そうにありません。それも、シャドーやサンドバッグやミット打ちといったメニューが主になりますね。ただ、そういったトレーニングでも、出来るのと出来ないのとでは大きな差があります。この分だと、本格的な再開はまだまだ先のようですが……こればかりは、どうしようもありません。仕方ないので、出来ることをやりつつ気長に待つしかないですね。
さて、話は変わりまして……以前、とある方より足さばきについて聞かれたことがありました。そのままになっていましたので、今回は少しばかり足さばきについて触れます。とはいえ、私は総合格闘技しかやっていません。総合格闘技で用いられるフットワークはというと、ボクシングのものが一番近いかと(人によると思いますが)。もちろん、ボクシング技術そのままではありませんが、ボクシングと共通する部分はかなりありますね。
ただ、はっきり言ってしまうと……一度でも試合に出た人、あるいはガチに近いスパーリングしたことのある人ならわかるでしょうが、闘いの最中に相手の足なんか注視してたら、確実に秒殺されますよ。これは断言できますね。
格闘技で相手のどこを見るかといえば、上半身ですね。相手の上半身全体を見つつも、同時に目の動きに注視する。これは基本中の基本ですね。相手の上半身や目の動きを見ていれば、飛び込んで来るタイミングはわかります。パンチを放つ際の予備動作なども見えます。よく「ノーモーションの右ストレート」といいますが、完全にノーモーションの右ストレートでも、注視していればどこかしらに予備動作があります。
さらに、相手がキックを放つ際の予備動作も、上半身を注視していればわかります。闘いの際、足を見る必要などどこにもないんですよ。ただただ不利になるだけです。
最後に、足さばきについて根本的なことを書きます。私は格闘技を始めて十年を超えますが、足さばきなる単語をトレーナーから聞いたことは、ただの一度もありません。また、元プロのキックボクサーや、よそのジムから出稽古に来た総合格闘技のプロ選手から指導を受けたこともありますが、足さばきという単語を聞いた覚えはありません。みんな「フットワーク」「ステップ」というような言い方をしていました。
念のため「足さばき」なる単語について調べてみたのですが、どうも剣道や薙刀といった武道系の用語らしいですね。格闘技で使う言葉ではないようです。それを、格闘技の経験がないなろうユーザーが格闘技用語と混同して作中で使っていたのが広まってしまったのではないか……そんな気がしますね。まあ、人によるのかもしれませんが。少なくとも私は、足さばきなる単語を格闘技の選手やトレーナーから聞いたことはありません。




