ようやくトレーニング再開できそうです
コロナによる自粛は、ようやく終息を迎えそうですね(ちょっと怪しくなってきている気もしますが)。今は当然のように、都内にあるほとんどのトレーニングジムや格闘技の道場は休業しています。が、来週には私の通っている格闘技ジムも営業を再開できそうです。ウエイトトレーニングの方も、来週より再開できそうです。
自粛期間中は、室内で自重のトレーニングをするしかありませんでした。下手に公園など行こうものなら、自粛警察に通報されそうな雰囲気でしたので……こうなってみると、改めてジムに行けるということのありがたみに気づかされます。
世の中には、未だにウエイトトレーニング=ボディビル=見かけ倒しの筋肉、と思っている人も少なくないようです。先日は「ウエイトで作った見世物マッスル」などと言っている武術家(?)を見ましたが、こんな生きた化石のような価値観の人がまだいるのか、と驚きましたね。
ウエイトをある程度やっている人間ならほとんどが知っているでしょうが、筋肉肥大を起こさず筋力のみを強くすることは可能です。例えば、ベンチプレッサーと呼ばれる人種がいます。これは、ベンチプレスを挙げるためだけにトレーニングしている人たちです。彼らは、筋肥大させず筋力のみを強くするためのトレーニングをしています。より正確にいうなら、ベンチプレスを強くするためだけにトレーニングしているのです。そのため、六十キロの体重でベンチプレス百二十キロを挙げるような人がいたりします。というか、そのレベルの人が当たり前にいる世界ですね。
ウエイトというと、どうしても筋肥大というイメージがあるようですが、筋肥大させず筋力強化のみを目的としてトレーニングすることも可能です。もっとも、そうやって付けた筋力を様々な競技に活かすためには、また別の練習も必要になりますが。
これは、あくまで個人的な意見ですが……正直、自重のトレーニングだと、どうしても鍛えられない部分があります。特に、相手を一瞬でねじふせる瞬間的なパワーのような要素は、自重だと難しい気がしますね。
例えばベンチプレスだと、重い重量を挙げる時は集中力が必要です。また、上手い力の出し方も必要です。アントニオ猪木は、瞬間的な力の出し方が上手い人だったそうです。
こういう瞬間的な力の出し方を、自重トレーニングで身につけるのは難しい気がしますね。自重トレーニングは、筋持久力アップや筋肥大は(レベルにもよりますが)可能です。が、全身の筋肉を集中させ一瞬だけ強いパワーを出す……というような部分を鍛えるのは、ちょっと難しい気はしますね。ただ、これはあくまで私の個人的意見であって、やり方次第なのかもしれないですが。
ここからは余談ですが、ベンチプレスやスクワットを続けていけば、確かに記録は伸びていきます。記録を伸ばそうと、さらなるトレーニングに取り組んでいくと、記録はさらに伸びていきます。が、いつかは伸びが止まる時が来ます。自身の限界を迎えた時ですね。
人間の骨は、だいたい五百キロくらいまでの重さには耐えられる構造になっているようです。つまり、人間は理論上ベンチプレス五百キロを挙げられるだけの骨の強さは備えているんですね。
ところが、現実にはその半分の重量ですら挙げられる人は少ないです。これは持って生まれた筋肉の質や筋力の強さもありますが……もうひとつ重要なのは、関節の強さです。
私自身の経験から言うと、かつてベンチプレス百二十キロを三回挙げられました。トレーニングの際も、百二十キロを扱っていました。
ところが、百二十キロという重量を扱うようになってから、ケガも多くなったんですよ。肩や肘や手首といった箇所を痛めることが多くなりました。
当然ながら、ケガをすればトレーニングは中止せざるを得ません。しばらくして、ケガが治ってからトレーニングを再開しましたが、重い重量を扱うようになると、またしてもケガをしてしまうんですね。
これは、私に限ったことではありません。その人にとって限界に近い重量を扱っていると、ケガの可能性が格段に上がります。関節の強さというのも、立派な才能なんですよ。普通の人だと、筋力の限界より先に、まず関節に限界が来てしまうんですね。
なので、ケガをしたくない人は……ある程度のレベルまでいったら、あとは付けた筋力を維持するようなメニューでトレーニングするのがいいと思います。でないと、本当に二ヶ月くらい肩を動かせなくなるようなケガを負うこともありますので。




