小島瑠璃子の発言について
先日、小島瑠璃子の発言が話題になりました。要約すると「筋トレが世界で一番意味がわからない ・男たるもの魅せる筋肉じゃなくて、使える筋肉を持っておけよ ・人の役にたつ筋肉の方が良くない?」というものらしいです。かなり長く、筋トレ男子を批判する……というより、筋トレ男子に対する悪口を書き連ねていたようですね。
さらに、その発言があちこちで叩かれ、謝罪文らしきものを書いたようですが……その文章の最後に「私は、ムキムキがタイプじゃないだけなんだよ」と書かれていたそうです。
私は、身長百七十三センチで体重は八十五キロから九十キロあります。体脂肪率は計っていませんが、どちらかと言うとマッチョな体型です。一応、オフ会などでかなりの数のユーザーさんとも直接お会いしています。また、とあるユーザーさんとは一緒に筋トレしました(私は横でアドバイスしただけですが)。そんなわけでして、私がネットだけで「俺ってマッチョなんだぜ」と吹聴しているわけでなく(こういう人いるそうです)、実際に鍛えている人間であることはおわかりいただけるでしょう。
そんな私ですが、件の発言に対しては「あ、そうですか。すみませんね」としかいいようがないですね。これはイキるわけでも皮肉でもなく、心の底から何とも思いません。
以前にも書きましたが、マッチョな男というのは一般人からの偏見の目に晒されています。脳筋だとか、筋肉バカだとか、見かけ倒しの筋肉だとか……まあ、ひどいものです。
また、マッチョな男が嫌いな女性が多い……という事実も、ちゃんと知っています。統計を取ったわけではありませんが、一般女性の七割くらいはムキムキマッチョな男が嫌いでしょうね。嫌いとまではいかないにしろ、付き合う相手としては選ばないという女性が多数派であるのは間違いありません。
ただ、ここではっきりさせておきたいのですが、私は女性に好かれるために鍛えているわけではありません。というか、女性にモテたいという意識が強ければ、筋トレなんかしていないでしょうね。そんな意識でやっていたら、ここまで続いていなかったでしょう。
さらに言うと、小島瑠璃子の発言ごときで揺らぐような筋トレ愛好家はいないと思います。したがって、小島瑠璃子にぎゃあぎゃあ文句を言っているのは……そもそも彼女のことが、以前から嫌いだった人ではないかと。マッチョ側の反論を書き込んでいるふりをして、ここぞとばかりに叩いている気がしますね。まあ、私の想像でしかないですが。
先ほども書いた通り、私は小島瑠璃子の発言に対し、攻撃する気も反論する気もありません。嫌いなものを嫌いだと言っただけの話であって、目くじらを立てる必要は感じないですね。
個人的には『まともな否定派は?』の章にて触れた、とある情報番組の発言の方がよほど問題だと思うんですよ。プロレスラーが、高校の部活動できちんとしたウエイトトレーニングを指導して欲しい………という持論を語った時です。
「それ駄目。ウエイトトレーニングは体を固くして、怪我も増やすから」
これを言ったのは、女優のいとうまい子です。私の知る限り、かつてスポーツに打ち込み記録を出したとか、トレーナーの資格を持っているとか、そうした経歴を持っている人ではありません。そんな一般人が、プロレスラーのトレーニング理論を、一昔前の誤った偏見に基づいた知識で否定する……もはや、生きた化石のごとき時代錯誤な発言なのですが、こちらは話題にもなりませんでした。
筋トレ愛好家という人種は、依存症に近い部分があります。ギャンブル依存症が「パチンカス」などと言われようとパチンコをやめないように、小島瑠璃子の発言など気にもしていません。これまでと同じく、トレーニングに励むでしょうね。
結局のところ、ムキムキマッチョと呼ばれるレベルの筋トレ愛好家は、普通とは違う価値観の持ち主です。でなければ、その体に到達することは出来ません。
また、中には筋肉と同じくらい、自己顕示欲も肥大化している人もいます(全てがそうだと言っているわけではありません)。聞かれもしないのに、何キロのバーベル挙げられるとか昨日はハードなトレーニングしたとかいう自分語りをして、事あるごとに「俺スゲー」なアピールをしたがる人がいるんですよね。
以前、交流のあるユーザーさんが活動報告にて自身の筋トレについて触れていました。この内容は「最近、筋トレ始めたよ」というものであり、上に書かれたような「俺スゲー」アピールではありません。執筆活動の傍ら筋トレもしてる……という程度の、まさに活動の報告でした。ところが、その活動報告に「俺みたくガチで筋トレやってる人間からすれば、あんたのトレーニング大したことないよ」という内容のコメントをした者がいたんですよ。まさか、この『小説家になろう』というサイトにて、他人の活動報告にまで出現しマウント取りたがる筋トレ自慢が出てくるとは思いませんでした。
こういう人は一部ですが、目立つ存在でもあります。小島瑠璃子が「ムキムキマッチョが嫌い」と言っていたのは、実はこういう人が原因なのかもしれません。
さらに「脳筋」「筋肉バカ」とは、実はこういう人たちを指した言葉なのかもしれません。
蛇足かもしれないですが、一応書いておきます。ムキムキマッチョと呼ばれるレベルの筋トレ愛好家のほとんどは、他人のトレーニングをバカにしたりはしません。
以前、凄い体格をしているジムのトレーナーに「ベンチプレス何キロ挙げるんですか?」と聞いたら「百六十キロです」と答えました。「凄いですね」と言ったところ、笑いながら「いやいや、大したことないですよ。もっと凄い人は、いくらでもいます。上には上がいますから。私程度のレベルでは、この業界では雑魚扱いですから」と言っていました。
もちろん、このトレーナーは謙遜して言っているのは間違いありません。ただ、大半の筋トレ愛好家は「上には上がいる」という事実をちゃんと知っています。知っているからこそ、謙虚にならざるを得ないのですよ。頂点の人間から見れば、今の自分などしょせん雑魚レベル……その意識がない人は、そこで伸びが止まってしまうでしょうね。
残念ですが、「俺スゲー」アピールを繰り返したり、一般人にマウント取りたがる筋トレ愛好家が存在するのは間違いありません。が、それは少数派だということは知っておいてください。ただ、こういう人だけが目立つのも確かですが……。




