自宅の自重トレーニング
コロナの流行により、全国の格闘技団体は相次いで興行を中止しております。三月、K-1は興行を強引に開催しましたが……これは、いい結果をもたらさなかったような気はします。まあ、結果論ではありますが。
現在、都内にある格闘技のジムや道場はほとんどが休館しております。また、ウエイトトレーニングのジムもほとんどが休館しております。ほとんど、と書きましたが……おそらく、全てが休館していると思います。この状況でオープンしていたら、オーナーの頭がおかしいか、とんでもない大物かのどちらかでしょうね。
それはともかくとして、このような状況ではろくな練習が出来ないでしょう。また、このままだと「ジムに通わない」習慣が身に付いてしまう人もいるかもしれませんね。なので、体力の低下を防ぎストレスを解消させるため、自宅で出来るトレーニングを教えます……と言いたいところですが、そういうのは動画などを見た方が早いでしょう。映像を見る方がわかりやすいですから。
そこで今回は、自宅で出来る自重トレーニングについて思うことを語ります。
以前にも書きましたが、自重のトレーニングというのは意外に難しいです。
例えば腕立て伏せですが、筋肉に「効かせる」腕立て伏せは、トレーニング未経験の人には難しいでしょうね。筋肉に効かせるためには、使う筋肉の動きをしっかり意識する必要があります。
ところが、これは意外と難しいのですよ。ちゃんと効かせる腕立て伏せをするには、反動を使わず体をまっすぐ伸ばし、ゆっくりと体を下ろし、上半身の筋肉を意識して上げていく……などと書いたところで、ウエイトトレーニング未経験の人にはわかりづらいかもしれません。こればかりは、動画を見てもわからないでしょうね。いろいろ個人差もありますし、自分の体で学ぶしかない分野です。
これが、ちゃんとしたウエイトトレーニングのジムに入会しトレーナーにしっかり指導を受けていた人だと、目的としている筋肉に「効かせる」感覚がわかりやすいと思うんですよ。マシンにしろバーベルにしろ、トレーナーはフォームをきっちり指導します。人によっては、うるさいくらいに事細かく指導します。
その指導により、対象となる部位に効かせる感覚を体で理解できるのですよ。これは、技術に近いものがあります。この効かせる技術が身に付くと、腕立て伏せなどの自重トレーニングにも活かせます。
ちなみに、腕立て伏せや懸垂のような自重トレーニングをしてもらうと、運動神経のいい人ほど筋肉に効かせるのが下手だったりします。反動をばんばん使い、すいすいと数をこなしていくんですよね。特に懸垂の場合、如実に差が出てきます。
以前にも書いたと思いますが、反動を使うやり方は、体の使い方としては正解です。全身の筋肉を上手く連動させ、効率よく大きな力を発揮する……運動としては正しいやり方です。が、筋肉に効かせる効果は低いです。筋肉に効かせるには、目的とする部位のみを動かし、それ以外の部分を使わないよう意識する必要があります。
いろいろ書いてきましたが、全くの運動未経験な方ならば、少々いい加減なフォームでも筋肉に効かせられる気はします。とりあえず、翌日に筋肉痛になっていれば良しとすべきでしょう。
ただし、自己流のやり方で続けていくと、いずれは頭打ちになります。やってもやっても効果が得られず、やがて飽きてしまうでしょう。そうなる前に、ある程度フォームを意識しつつやってみるのもいいかもしれません。ただし、自重トレーニングで「効かせる」のは簡単ではない、という事実だけは頭の片隅にでも留めておいていただけると幸いです。こればかりは、文章で書いて説明したり、動画を見て習得できるものではありません。試行錯誤を繰り返し、自分に合ったやり方を身に付けるしかないのです。




