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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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護身術とフルコン空手

 先日、ツイッターを見ていたら「女性のための自己防衛、これは多くの人に知って欲しい」という文章とともに、女性が男をぶっ飛ばしてる護身術の動画のツイートが流れて来たのです。しかも、このツイートはいいね! が二十万以上、リツイートも六万以上されていました。

 私は、せつないものを感じてしまいました。。


 今まで私は、このエッセイで何度も何度も「素人が護身術の映像など見ても何の役にも立たない」と主張してきました。いざという時に身を守るには、大声を出しながら逃げるのが一番だ、とも書いて来ました。

 一方、こうした護身術も未だに人気があるようですね。格闘技経験のある人なら、件の映像で用いられている技を現実の場面で使うのがいかに困難であるか、すぐにわかるはずなのですが……わかっていない人もまた、未だに多いようですね。

 しつこいと思われるかもしれませんが、私はこうした護身術に対し、今後も「使えないですよ」と言い続けていくつもりです。護身術の動画を見ただけで、勘違いした挙げ句に命を失うような事態だけは避けて欲しいので。




 さて、以前「身を守りたいなら、いっそボクシングをやった方がいい」と書きました。勘違いされては困るのですが、ボクシングのパンチで暴漢を撃退しろ、と言っているわけではありません。ボクシングをやる過程で培う体力やフットワークを用いて逃げろ、と言っているのです。また、スパーリングで殴り合いを経験することにより、いざという時に怯まないようになるためです。

 ボクシングのテクニックで、サークリングというものがあります。素早いフットワークで、相手の周囲を円を描くように動くテクニックです。これは防御にも使えます。相手の攻撃が届かない間合いで、相手の周囲を回りながら、大声を出し続ける……そういう展開を作れれば、いずれ相手はスタミナ切れを起こすか、やばいと判断して立ち去る可能性が高いかと。

 しかし、中にはボクシングに抵抗のある人もいるかもしれません。また、近所にボクシングジムのない人もいるかもしれないですね。そういう方には、フルコンタクト空手をオススメします。


 フルコンタクト空手(以下フルコン空手)は、そのほとんどが試合では顔面へのパンチを禁止しています。そのため、ネットなどで「あれは実戦的ではない」などと言う人もいます。

 批判の言葉はともかく、フルコン空手を習い始めれば、いつかスパーリングをやることになります。スパーリングをやれば、相手から殴られたり蹴られたりします。現実の戦いにおいて大事なのは「相手を殴る蹴る」だけでなく「相手から殴られ蹴られる」経験なんですよ。さらには、殴り合い蹴り合いをしている場に身を置く……という経験も大事です。

 暴漢に襲われた時、何より怖いのは相手の勢いに圧倒され、心理的に萎縮し、心身ともに固まってしまうことです。これ、珍しくないんですよ。特に、殴り合った経験のない女性には起こりやすいでしょうね。

 それを防ぐためには、まず実際の殴り合いの経験が必要です。ひとりの人間が、自分を本気で倒そうと殴りかかって来る。あるいは、こちらの攻撃に対し反撃してくる……これに近い状況を実際に体で経験しない限り、護身術の動画など一万回見たところで役に立ちません。

 さらには、実際に殴られ蹴られすることにより、体へのダメージを経験することが出来ます。そんな経験をすることにより、痛みに萎縮せず状況を判断する能力を養うことも出来るのです。それだけでなく、必然的にスタミナも付いてきます。スタミナは、いざ走って逃げる時に非常に重要ですので。

 こうした練習が出来るのは、非常に大きいですね。そのメリットを考えれば「顔面パンチがないから実戦的ではない」などという言葉は、無視しても構わないと思います。

 誤解されては困るので、念のために書きます。私は、ボクシングやフルコン空手で学んだ技なら、暴漢を撃退できる……と主張しているわけではありません。襲われたら、逃げるのが一番です。大声を出しながら逃げる、これがもっとも役に立つ護身術です。今までに、何度も書いておりますが……。

 ただし、襲われた恐怖で体が萎縮し固まってしまい、何も出来ない……という人も、中にはいます。そうした人たちに、まずは逃げられるようになって欲しいんですよね。実際に、本気で殴りかかって来る人と全力でド突き合う……そうした体験を経て、襲われた時にも固まることなく対処できるのではないでしょうか。少なくとも、部屋の中でひとり護身術の練習をするよりは、確実にマシでしょうね。


 よくいわれる「ボクシングは蹴りがないから実戦的ではない」「フルコン空手は顔面パンチがないから実戦で使えない」などの単純な技術論は、いざという時の護身においてさほど重要とは思いません。肝心なのは、暴漢の暴力の前に萎縮し体がすくんでしまい、逃げることすら出来ず一方的に暴力を受け続けてしまわぬようにすることです。実際の喧嘩の経験がない人ほど、こういう状態に陥りがちです。

 そのためには、実際の暴力に近い状況に身を置き、体で体験することこそが大切なんですよ。この段階をクリア出来ない限り、どんな技を習おうが意味がないでしょうね。反撃するしない以前の問題です。

 この段階を軽視している人が、意外に多い気がするんですよね。特に武術や剣術系の人なんかは、机上の空論で語る人が多いようです。

 なろうで書いてる人にも、小手先の格闘技術には文字数を費やすのに、こういう基本的な部分を綺麗さっぱり無視している人が多いようです。まあフィクションの世界では必要ないのでしょうが、リアルでは暴力の前にすくんでしまい、動けなくなることが珍しくない……という事実は知っておいてください。





 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 ここしばらくは実践的な護身術の話題のようですが、以前テレビで面白い道場を紹介していました。 そこも当然「実践的」を標榜しているのですが、まず第一に教えるのが「…
[一言] 護身術でおすすめしたいのは、スマホ利用です。 標準搭載の緊急SOS機能で通報、防犯ブザーも鳴らせます。痴漢対策の表示機能などもあります。また、気絶してもヘルスケア情報を登録していれば、血液型…
[一言] 大抵の場合、それをやっていない人間には簡単に見えるものですからね。 小説を書くのでも、筋肉つけるのでも、格闘技の技術を身につけるのでも。
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