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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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タックルとテイクダウンの話

 ラグビーのワールドカップ、だいぶ盛り上がったようですね……などと書いていますが、実のところ私は観ていません。ラグビーのルールすら、詳しくは知らないのです。なので、試合を観ても何のことやらわかりません。ラグビー選手たちのトレーニング方法には興味がありますが、ラグビーという競技にはあまり興味がありません。

 ラグビーに比べると、総合格闘技は盛り上がらないですね。まだ、競技という目では見られていない気がします……などと嘆いていても仕方ないので、今回は盛り上がったラグビー人気に便乗し、タックルとテイクダウンについて語ります。なお、ここでは両足タックルや片足タックルの違いなどといった、細かい点については書きません。あくまで、未経験者にもわかりやすい触りの部分だけです。




 総合格闘技のタックルとは……人によって、その解釈は若干異なるかもしれませんが、基本は相手に組み付き倒すことを目的とした技です。

 百キロを超えるラガーマンのタックルは、それだけで一撃必殺の技になるでしょう。六十キロくらいの人なら、抵抗すら出来ず吹っ飛ばされてしまうでしょうね。ましてや、二百キロ近い力士のぶちかまし(厳密にはタックルとは違いますが)などは、車に跳ねられるくらいの衝撃でしょうね。

 しかし、総合格闘技は体重制の競技です。タックルだけで相手を吹っ飛ばすことは非常に難しいでしょう。なので、組み付いた後は相手を倒す必要があります。そこで、相手の体勢を崩したり投げたりする技術を使います。相手と組んで倒すことをテイクダウンと呼びます。

 首尾よく相手を倒したら、上から押さえ込みます。マウントポジション(馬乗り)、サイドポジション(柔道の横四方固め)、ノースサウスポジション(柔道の上四方固め)などといった体勢で押さえ込み、相手の自由を奪い身動き出来ない状態にします。

 そこから、関節技や絞め技などの寝技で仕留めるわけです。なので、組み技をかける際にはタックルが重要な鍵となるのですが……今の総合格闘技は、タックルを防ぐ技術が非常に発達しております。遠い間合いからタックルにいった場合、ほとんどが防がれてしまいます。下手をすると、タックルに行った瞬間にカウンターの膝蹴りを顔面にもらい、一発KOされてしまうこともあります。

 なので、タックルに行く時は注意が必要です。左ジャブや速いローキックなどで注意を散らしておき、そこからタックル……という手順が欠かせません。また、間合いが遠いと簡単に防がれてしまいます。そのため、打撃が当たるか当たらないかという間合いでタックルを放たなくてはなりません。いくら強力なタックルを食らわしても、完全に見切られ防がれてしまえば、今度はこちらが不利になるんですよ。

 ちなみに、総合格闘技のジムではMMAミットというトレーニングがあります。ボクシングやキックボクシングのミット打ちはパンチやキックを使いますが、MMAミットは打撃に加えタックルやバービー(タックルを防ぐ動作)などが加わります。トレーナーの「ジャブタックル!」という指示に合わせ、ジャブを打った直後にタックルをしたりします。言ってみれば、タックルも打撃のコンビネーションに含まれているような感じですね。このMMAミットは、いろんな動作をやるので非常に疲れますが、全身を鍛えられますね。是非とも体験していたきたいです。




 ここからは完全に余談ですが、今の総合格闘技は、タックルを防ぐための技術は進歩しています。また、テイクダウンされないよう防ぐ技術も昔に比べ進歩しています。さらには、倒された状態から脱出する技術もです。

 特に一流の選手は皆、タックルを防ぐ技術も倒されない技術もあります。また、倒されたところから脱出する技術も高いものを持っています。

 ですから一流選手にとって、相手が寝技で来るとわかっていれば、対処は難しくないはずなんですが……そんな一流選手たちと闘い、きっちり寝技で仕留める青木真也は本当に凄いですね。相手も青木のタックルや寝技を警戒している……そんな状態でタックルを仕掛けて成功させ、テイクダウンを奪い上になり、最後に寝技で仕留める技術は別格ですね。

 ちなみに以前、ジムのトレーナーをしているプロ選手に「青木真也の強さの秘密はなんなんですか?」と聞いたら「わからない」という答えが返ってきました。

 もうひとつおまけですが、桜庭和志と青木真也の試合で桜庭のセコンドについていた方と少し話をしたのですが「桜庭さんも下からいろいろ仕掛けてたけど、青木真也は全く付き合わず勝ちに徹した」と言っていました。私なんかにはわからない攻防があったようです。ただ、マウントポジションできっちり押さえ込むというのは、高い技術がないと無理なことは確かです。







 

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