頭突きの続き
前回に続き、今回も頭突きについて語ります。
だいぶ前の話ですが、私は総合格闘技の試合出場のためトレーニングに励んでおりました。その時に、当時トレーナーをされていたプロ選手から、こんなアドバイスをされました。
「赤井さんは、一発狙いの大振りの打撃を当てるか、倒して寝技に持ち込まないと勝てないですね。かといって、赤井さんのレスリングテクニックでは、タックルで倒すのも難しいです。ですから、いっそブチかましなんかどうですかね」
「えっ?」
聞き返す私に、トレーナーは説明しました。
「要は、頭からぶつかって行くんですよ。胸に頭突きをくらわすイメージでブチ当たって行きます。みぞおちに上手く当たれば、それだけで倒れるかもしれませんよ。頭突きは顔面に当たれば反則取られますが、胸や腹に当たれば反則にはならないです」
なるほどと思い、私はその動きを練習しました。もっとも、結局は試合に出場できなかったので、練習の成果は発揮できなかったのですが………。
ちなみに、胸への頭突きもかなり効きます。重く硬い額をバチンとぶつけられると、息が詰まるようなショックを受けますね。
これは格闘技ではないのですが、サッカーの試合中にジダンが相手選手に食らわした胸への頭突きは凄かったです。一発で、相手が胸を押さえ倒れていました……その後、ジダンは退場させられました。
いかなる理由があれ、その行為自体は完全に暴力であり、非難されて然るべきものです。しかし、頭突きという技の怖さをまざまざと知らしめた感はあります。気になる方は「ジダン 頭突き」で検索してみてください。相手から何か言われ、激昂したジダンが相手に頭突きを見舞い、直後に胸を押さえ倒れる……私は、ジダンという選手のことを全く知りませんが、実は相当に喧嘩慣れした人なのかと感じました。
ミャンマーには、ラウェイという格闘技があります。格闘技というより、国技に近いもののようですが……これがまた、とても過激なルールなんですよ。パンチ、キックなどの打撃技に加え、頭突きもありです。私は一度だけ試合を観たことがありますが、参戦したムエタイの選手を頭突きでノックアウトしていました。なかなか凄かったですね。
このラウェイ、かなり古くからあるようです。二十年以上前にも日本人の空手家が参加し、ノックアウトで勝ったとか。その空手家いわく「当時は、あまりレベルが高くなかった。パンチもキックも、簡単に入れられた」といっていたとか。要は、頭突きの間合いに入られる前に打撃の攻防で勝つことがまた可能だったようです。
しかし今は、かなりレベルの高い選手もいるようです。ムエタイの選手でさえ、頭突きでノックアウトしてしまうくらいですから……逆に、ボクシングやムエタイの技術などを取り入れ、レベルが上がっていったのかもしれませんね。
このラウェイ、メジャーな格闘技となるべく様々な活動を行っているようです。ただ、頭突きありというのはどうなんでしょうね……難しいところです。一歩間違うと、とんでもない怪我になりますからね。メジャーになるには、そのあたりをどうクリアするのかが課題になるでしょう。
頭突きという技は、大半の格闘技で反則となっております。そのため、頭突きの使い手というとプロレスラーを挙げざるを得ないのですが……個人的に頭突きの使い手というと、やはり藤原嘉明でしょうか。古くてすみません。
藤原は関節技の鬼として知られていますが、一本足頭突きもまた得意でした。相手の頭にこちらの頭をぶつけるという、見た目は地味な技である頭突きですが……藤原の頭突きは一味違いました。試合の中盤あたりで、独特の大きな動作から見舞っていく頭突きは、それだけで観客を沸かせることが出来ました。
この藤原というレスラーは、地味なアキレス腱固めという関節技でねちっこく攻めたり、ラリアットに来た相手の腕を脇固めという関節技で一瞬にして切り返したり、本当に地味な技の見せ方が上手い選手でした……などと書いていたら、頭突きからズレてきたので、ここまでにします。気になる方は、動画などで見てください。




