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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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頭突きについて

 恐ろしいことですが、いい歳してリアルとフィクションの区別がつかない人というのが存在しているようですね。

 たいていの場合、幼い頃にヒーローの真似をして高いところから飛び降りて怪我をしたり、あるいはスペシウム光線のポーズをとるけどビームが出ないことを経験し、リアルとフィクションとの違いを体で理解していくものです。しかし、この過程を経ないまま成長すると……もしかしたら、リアリティの欠片もない格闘技漫画などを鵜呑みにしてしまう人もいるかもしれないですね。今の時代、ネットなどで得た知識だけで、リアルを知った気になる人も少なくない可能性があります。

 もっとも、私の幼い頃にもリアルとフィクションの区別がついていないようなオッサンが近所にいました。ですから、これは個人の問題なのかもしれないですが……。




 さて、先日のことです。なろうの、とある歴史作品を読んでいた時のことですが……頭突きという技について、かなりおかしな描写があったのです。

 まず主人公は「ヤンキーで番張っていた」女性だそうです。そんな彼女が江戸時代に転生し、花魁になって現代知識で無双する……という内容です。

 念のため説明しますと「ヤンキーで番張ってた」とは、英語教科書風に言いますと「私は学生時代は不良生徒で番長でした」という意味です。しかし、番長とは……いつの時代の話なんでしょうか。少なくとも昭和生まれの私ですら、中学高校時代に「番長」なる者はいませんでした。仮に「番を張っていた」などと称するバカが転校して来たら、みんなから嘲笑された挙げ句に袋叩きに遭っていたでしょうね。

 まあ、番長について語ると話がズレますので、ここまでにします。そんな主人公が、武士と決闘をするシーンがあるのですが、その中で、花魁の主人公が武士に頭突きを叩き込んでいました。相手の額に自身の額をぶつけていき「脳震盪を起こさせた」そうです。さらに、額は脳を揺らせる急所だとも書かれていました。

 この説明ですが、明らかに間違いです。しかし、その間違いに気づいていない人があまりにも多いようでした。あるいは、間違いに気づいているけど、ただただ面倒くさいから指摘しなかったのか……実際、この作者さんは絡むと面倒な人でしたので。

 正直、私も重箱の隅をつつくようなことをしているという自覚はあります。ただ、この際ですので……件の作品の間違いを指摘すると同時に、格闘技においてあまり語られることのない頭突きという技(?)について語ってしまおうかと。




 プロレスで使われる頭突きは、相手の額に自分の額を当てています。その印象から、勘違いされている人も多いようですね。ところが、本当の頭突きは顔面に当てます。それも、鼻に食らわすのがもっとも効果的ですね。

 鼻に頭突きを受けると、恐ろしく痛いです。それこそ、一発で戦意喪失しそうなくらいに。さらに涙腺を刺激され、涙が出て視界がぼやけます。おまけに、鼻血が出たら鼻呼吸がしづらくなります。鼻骨が折れた場合など、大量の鼻血が気道に入り呼吸困難に陥る可能性もあります。

 頭突きというのは、ほとんどの格闘技で禁じ手となっていますが……それだけ危険な技だから、なんですよ。ボクシングなどは、偶然入った顔面への一発の頭突き(バッティング)により、試合続行不可能になることがあります。顔面への頭突きは、殴り合いの専門家であるボクサーですら、一発で倒せる可能性のある技なんですよ。

 ちなみに、前述の通りプロレスでは相手の額に自分の額をぶつける頭突きが使われていますが、あれはあくまでプロレスなればこその技です。もちろん、額への頭突きで脳震盪など起きません。一発の頭突きのたびに脳震盪になっていたら、プロレスの興行など出来ませんから。

 そもそも、相手の額に頭突きを当てて脳震盪を起こさせることが可能ならば、自分にも脳震盪が起こるはずなんですよね。ちょっと調べれば、簡単にわかることなんですが……。

 余談ですが、ボクシングではあえて「額でパンチを受ける」という防御技術があります。額は頑丈で骨も厚いため、ダメージにはなりにくいんですよ。なので、顎を引き口や鼻をグローブできっちりガードし、上目遣いに相手を見ながら接近していく……これは、ボクシングにおいて接近戦を得意とする選手の構えです。みんながみんな、この通りにするというわけではありませんが。

 ついでに書きますと、昔のボクシングでは、素手に近い状態で殴り合っていた時代があったそうですが……相手の放ったパンチをあえて額で受け、というより相手の拳に頭突きを食らわし、拳を壊すというテクニックがあったそうです。私は、昔に書いた作品(今は非公開にしています)において、とある巨漢キャラとボクサーとの決闘シーンで、このテクニックを使わせています。あと、映画版の『軍鶏』にもこれに近いテクニックが……などと書いていたら長くなってしまったので、次回に続きます。






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