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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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ムエタイとキックボクシング

 今回は、ムエタイとキックボクシングについて語ります。この両者ですが、何やら誤解されている部分があるようですので……さらに、改めてムエタイの強さについて語りたいとも思っています。




 まず、ムエタイについての誤解として次のようなものがあります。


「他の格闘技では禁止されている肘打ちや膝蹴りが使われている」


 はっきり言いますが、これは間違いです。肘打ちは、日本のキックボクシングでも認められています(団体にもよりますが)。また、総合格闘技でも肘打ちは認められています(これまた団体によりますが)。

 膝蹴りにいたっては、キックボクシングや総合格闘技ではもちろんのこと、フルコンタクト空手でも認められている場合が多いすね。ちなみに、今は映画俳優として活躍しているドルフ・ラングレンは、かつて極真空手のヨーロッパ王者でした。彼は、長身を活かした膝蹴りが得意だったそうです。世界大会に出場した時は、世界チャンピオンの中村誠とほぼ互角の闘いを演じたそうです。

 余談ですが、肘打ちがなぜK-1などで禁止なのかと言いますと……危険なのは確かですが、それよりも大きな問題があります。それは、切れやすいということです。以前にも書きましたが、肘打ちを額のような肉の薄い部分にもらうと、ぱっくりと切れます。そうなると、大量に出血するんですよ。その場合、いったん試合を止めて医師が止血を試みますが……もし血が止まらない場合は、TKO負けとなります。

 ムエタイでは、この出血によるTKOを狙い肘打ちを出すパターンもあります。が、日本では出血というのは好まれません。また、出血で勝敗が決まるというのも日本人には合わないようですね。そこで、肘打ち禁止のルールが広まったのです。



 では、ムエタイの強さの秘密とは何なのか……それは、一流のムエタイ選手たちの経歴にあります。彼らは、幼い頃から選手としてリングに上がってきました。わずか八歳の少女が、家計のためにリングに上がり、ヘッドギアもレガース(すねに付ける防具です)も付けずに打ち合う……それが、ムエタイの現実なんですよ。事実、幼い子供が試合中に死亡したケースもあるそうです。また、試合で受けた技により、一生ものの怪我を負うこともあるでしょう。

 そんな修羅場をくぐり抜けて成長した者だけが、一流の選手となれるんですよ。アニメやラノベなどで「祖父に古武術を仕込まれた高校生」という経歴の主人公がいますが、ムエタイの選手は実際に幼い頃からムエタイの練習をしています。さらに、リング上で殴り合い蹴り合い、血みどろの闘いを経験しながら、致命的な怪我を負わずに勝ち上がってきた……そんな人たちなんです。いわば、格闘技のエリート集団と言っても過言ではないでしょうね。

 そんな生活をする理由は、というと……やはり、貧困ゆえでしょうね。この「貧困」という部分を抜きにして、ムエタイの強さは語れないでしょう。


 日本キックボクシング界のレジェンドとも言われている立嶋篤史は、かつてK-1の創成期に誘いがあったそうです。しかし彼は、肘打ちありのムエタイ式の闘い方にこだわっていたため、その誘いを断ったとか。

 ムエタイとキックボクシングは、採点方法など異なる部分は多々あります。しかし、使われている技はほぼ同じですね。もともとキックボクシングは、ムエタイから生まれたものなのですから、当然といえば当然なのですが。

 つまり、ムエタイで用いる技は、全てキックボクシングにもあるんですよ。肘打ちもありますし、首相撲からの膝蹴りもあります。テレビのK-1などを見ただけのイメージで判断し、この点を誤解されている人が多いような気がしますね。「ムエタイは立ち技最強」という言葉がありますが、より正確に言うなら「ムエタイの選手は立ち技最強の可能性を秘めている」でしょうね。もしムエタイの技を習いたい人は、キックボクシングのジムに行ってみてください。会長やトレーナーの指導方針にもよるかもしれませんが、ほとんどのジムが教えてくれると思います。

 

 蛇足かもしれないですが、最近ムエタイのレベルが落ちた……と嘆くファンが少なからずいると聞きました。これについて「経済の発展により、ムエタイをやらなくても食べていける人が増えてきたからだ」という意見もあれば「採点方法が変わってきたからだ」という意見もあります。難しいところですね。もっとも、単なる懐古厨のボヤキかもしれませんが。






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