歩みのノロい呪い
いきなり、下らんタイトルですみません。こちらで小説を書かせていただくようになり、半年が過ぎました。気がついてみたら、このエッセイも多くの方が読んで下さっているようで、本当に嬉しいです。最近では、仕事中でもちょいちょいケータイをいじり書いています。しかし、これは……誉められたものではないですね。外にいる時にも、つい存在を思い出してしまう『なろう』……今や、私は取り憑かれてしまっている気さえします。若干、呪いのような気すらします……。
そんなわけで、今回は呪いについて書かせていただきます。呪いといえば……ドラクエやFFなどのRPGではおなじみですよね。ゲームによって、いろんな効果があります。そういえば、近頃では通販で呪いの藁人形も購入できるとか。恐ろしい時代になったものです。ちなみに、呪いの藁人形を試した方はいるのでしょうか。いたら是非ともお話を聞かせていただきたいものです。
海外で一番有名な呪いというと……何でしょうか?ブードゥーの呪い、なんてのを聞いたような記憶があります。他には……吸血鬼や狼男に変わるのも、一種の呪いでしょうか。西洋諸国においてポピュラーな呪い……うーん、私にはわかりません。知っていたからといって女の子にモテるわけでもないですが。
実は昔、私も呪いにかかっていました。いや、私の頭はおかしくないと思います……多分。幻覚を見たりもしません。ベラベラと嘘をついたりもしません。ついでに言うと、今まで生きてきて幽霊とかそういった類いのものは見たことありませんし、興味もありません。
しかし、私は確実に呪いにかかっていた時期がありました。それは「強くなくてはならない」というものです。そう、私が格闘技を続けている最大の理由は、そこにあるのです。
私はもともと、インドア派でした。小学生の頃の趣味は読書とゲームとアニメと映画。スポーツには一切興味なし。小学生の頃は、典型的な地味目グループに属するひ弱な少年でした。まあ、今も服装なんかは地味なもんですが。
しかしその後、私はいじめに遭います。いじめられっ子の時代……悲惨でしたね、この頃は。殴られたり蹴られたり水かけられたり……まあ、人間の中にある悪意というものの恐ろしさを痛感しましたね。
で、私は一念発起し格闘技を習い始めます。そしていじめからは抜け出せました。しかしその後、格闘技を習い強くなったせいで破壊的な人格が芽生えてしまったのです。私の心の中には、自分の強さを他人に見せつけないと、またいじめられっ子に戻るのではないかという恐怖心が常にありました。
また、私はいじめられないために、あえてタバコを吸ったりして不良と付き合ったりしていたのですが……私の周りの不良は、基本的に言うだけの人間ばかりでした。大して強くもないくせに大きいことばかり言う。で、いざ集団でのケンカになると手は出さず、こちらが有利になったとたんに相手を殴り始める……こんな奴らがいたんです、当時の私のまわりには。
私は、そんな奴らのようには絶対なりたくないと思いました。そこで、空手を止めた後も腕立て伏せや腹筋、スクワットなどのトレーニングは続けていたのです。なぜかと言えば、トレーニングを止めたら弱くなる……弱くなったらまたいじめられっ子に戻ってしまう、という強迫観念のようなものに取り憑かれていたからですね。
その後、ウエイトトレーニングをやるようになり、それは現在もつづいています。私にとってウエイトトレーニングとは、健康や体型維持のためにやるものではありません。あくまで武装とでも言いますか……武士が刀を研ぐのに似ていますね。このエッセイでも何度も書いていますが、闘いにおいて筋力は重要です。筋力はあらゆる局面で役立ちます。さらに格闘技を再開しましたが、ウエイトトレーニングで筋肉を付け、筋力を強化していたおかげで、練習にはついていけましたし。そして格闘技を再開した後は……ちゃんと続いてます。一度は止めようかと思ったことたもありましたが、未だに懲りずに続けています。
さて皆さん、私に取り憑いていたのは「強くなければならない」という呪いでした。これは正直、相当強く取り憑いていましたね。しかし時が経ち、格闘技を始め、試合などを経験することにより、やっと呪いから少しずつ解放されてきたような気がします。いや、まだ完全には解放されていないのは間違いないですが。格闘技はまだ続けているわけですし、試合にも出るつもりでいますから。本来なら、格闘技などやらずにいられるのが健やかな精神状態なのでしょう。ただ、当時の私には格闘技が必要だったのも確かです。その呪縛は今も、非常に緩やかにではありますが、続いています。恐らく、ダイエットにハマる女性もまた、似たような精神状態ではないでしょうか……何ともまとまりが良くないですが、今回はこのへんで。




