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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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芸能人、並びに周囲の人たちの勘違い

 最近、こんな話を耳にすることがありました。


「俳優のAが、プロ格闘家のBとスパーリングして負けなかったらしい」


「ミュージシャンのCが、格闘家のDと寝技のスパーリングして一本取ったらしい」


 こんな噂が、まことしやかに伝わっているようですね。

 私は、この噂は嘘ではないと思っております。しかし、同時にそれは本当の真実ではないとも思っております。それはどういう意味なのかを、今から説明いたしましょう。




 まず、皆さんに知っていただきたいことがあります。それは……プロ格闘家は、素人相手に本気でスパーリングしないということなんですよ。

 当たり前の話ですが、プロ格闘家は強いです。技術は言うまでもないですが、そもそも基礎体力からして素人では相手にならないですね。

 そんなプロ格闘家が、素人に毛の生えたような芸能人とガチのスパーリングなどしたら……相手になるはずがありません。いや「相手にならない」で終わればいいのですが、怖いのは万が一のアクシデントです。

 打撃のスパーリングはもちろんのこと、仮に寝技のスパーリングであっても顔に怪我する可能性はあります。

 たとえば寝技においては「スクランブル」と呼ばれる局面があります。これは、ポジションの奪い合いとでも言いましょうか……かなり激しい動きで取っ組み合い、上になったり下になったりするんですよ。この時、たまに相手の手足が顔面に当たったりします。寝技のスパーリングで怪我するのは、半分以上がこのスクランブルの時ですね。

 もし、人気ミュージシャンがスパーリングで怪我をしてツアー中止になったとしたら、これは本当にシャレにならない事態です。多額の違約金やら何やらが発生するでしょうね。

 人気俳優に関しても同じです。ドラマや映画の撮影をしなくてはならないのに、顔に怪我をして中止となったら……これまた、シャレにならない事態なのはお分かりですね。

 そうなると、必然的にスパーリングは緩くならざるを得ません。つまりは、子供を相手にするように優しく扱います。力はせいぜい三割ほど、動きも緩やかなものですね。間違っても極めになどいきません。関節技をかけて、怪我などさせたら本当にマズイですから……。

 というわけですので、芸能人(特にイケメン俳優やミュージシャン)が語る格闘家相手の武勇伝は、その九割以上が接待スパーリングによるものです。そのことは覚えておいてください。本当に、タレントの顔に傷など付けたら、とんでもないことになりますので。

 ちなみに格闘家という人種は、スパーリングの時に弱い人間には手を抜きます。あっさり一本を取らせることもあります。逆に「こいつ強い」と判断した場合は……かなり強めに当たってきますし、一本を取らせようとしません。

 ですので、冒頭の武勇伝が何を意味するかは、推して知るべしですね。





 さて、かつて『やりすぎコージー』なる番組がありました。芸人たちが多く出演していた深夜放送のバラエティー番組です。今もたまに、都市伝説の特番が放送されたりします。

 この番組で『やりすぎ格闘王』なる企画がありました。腕に覚えのある芸人たちが集まり、グラップリングで激突するというものです。

 このトーナメントは三回ほど(ひょっとしたら他にもあったかもしれません)開催され、うち二回は水玉れっぷう隊のアキさんが優勝しました。

 この時のアキさんの闘いぶりは、実に見事でした。七十キロもないような体格でありながら、サバンナの八木さん、レーザーラモンHG、バッドボーイズの佐田さん、アホマイルド坂本さん(今は解散してます)といった格闘技の経験者たちを相手に驚異の身体能力と見事なグラップリング・テクニックで勝ち抜き、二連覇を果たしております。

 三回目の時は、ずんのやすさんと闘い、健闘しましたが敗れたようです。もっとも、いかに強いとはいえ七十キロもない(当時は六十七キロ前後)体格のアキさんでは、八十キロを超える体格さらに柔道や寝技の技術とを兼ね備えていたやすさんを仕留めるのは困難だろうな……という気はしますね。純粋な実力なら、アキさんの方が上であるように感じました。

 ちなみに、この『やりすぎ格闘王』ですが……私の見た印象では、どこかの番組のようなヤラセではありません。バッドボーイズの佐田さんなどは、試合後のインタビューで腕十字をかけられた腕を氷で冷やしていましたから……これ、グラップリングの試合でよく見る光景なんですよね。

 さらに付け加えますと、水玉れっぷう隊アキさんは今も吉本新喜劇の舞台などで活躍されているようです。既に四十代後半のようですが、引き締まったスマートな体とキレのあるダンスを披露しているようですね。ちなみに、なかなかのイケメンでもあります。




 そんなわけで、今回言いたいことは……イケメン俳優やミュージシャンの格闘技の武勇伝は鵜呑みにしないでくださいということです。本当に強い人は、実は芸人の中に多く生息しているのかもしれません……芸人さんなら、格闘技の練習で怪我しても「お前、しょうもないことで怪我すんな!」と話のタネになるかもしれませんしね。

 ついでに、もし寝技に興味のある方は、まず手始めに『やりすぎ格闘王』を観てみてください。DVDは存在していますし、動画も探せばあると思います。







 いっそ、なろうでも『なろうユーザー格闘技大会』を開催して欲しいものですね。実現したら、もちろん私は出ますよ(笑)。


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