短い言い訳
今回は、普段の私がどのように格闘技に取り組んでいるかを書かせていただきます。
私は、普段は仕事をしております。当然ながら、暇ではありません。
その仕事の合間に、格闘技の練習をしております。それゆえ、毎日ジムに通うのは非常に難しいですね。最低、週に三日はジムに行くようにはしておりますが……。
ただ日によっては、ジムに行ってもまともに練習できないこともありますね。以前から何度も書いていますが、私の今の体重は九十キロ近くあります。スパーリングでは、自分より軽い人ばかりが相手になるんですよね。
特に寝技のスパーリングでは、軽い人とやる時は注意しなくてはなりません。上から押さえ込む、あるいは下から返していくといった動作の時に、思わぬ怪我を負わせてしまうことがあるからです。力ずくで押さえ込み、腕力にものを言わせて技をかければ、軽い人相手なら簡単に勝てますが……それでは、練習になりません。また、怪我をさせるリスクも高まります。
大いなる力には、大いなる責任が伴う……というのはスパイダーマンに出てきたセリフですが、格闘技の練習では大きい方が気を使わなくてはならないのですよ。
これが打撃となると、さらに気を使いますね。スパーリングは、ほとんどがライトコンタクト……というより寸止めです。
ちなみに、以前には森さんという強豪がジムに来ていました。森さんは極真空手の黒帯を持ち、かつてはプロのキックボクサーでもあった恐ろしく強い人です。ジムで唯一、私がガチで打ち合える人でして……実のところ、私は毎回ボコられていたのです。森さんのローキックは、鈍器でのフルスイングのような威力でした。また中段後ろ蹴りは、腕でガードしたら、腕の方が折れそうになるほど強力です。私は、この人とのスパーリングで軽く百回以上はダウンさせられてます。逆に、私がダウンさせたことは一度もありません。
もっとも、この森さんは最近、膝の手術のためジムに来ていません。非常に残念ではあります。
さらに、時間のある時はウエイトトレーニングもやってます。が、これがまた厄介なんですよね……たとえば、ウエイトトレーニングしかやっていない人なら、普通にトレーニングをすればいいでしょう。
しかし、格闘技をやっていると話は別です。格闘技の練習を考慮し、体の負担を考えたトレーニングメニューにしなければならないんですよ。
また日によってはトレーニングジムが混んでいて、やりたいメニューがやれない時もあります。これは、本当に嫌ですね。忙しい合間に、どうにか時間を見つけてトレーニングしに来たと思ったら、バーベルやマシンが空いていない……冗談ではなく頭がくらくらしてきます。
そういう事態に備え、一応は予備のメニューも考えていたりはしますが。ともかく、夏が近づくとジムに人が増えるのは困りものですね。
また最近では、体の痛みや不調には特に気を配っております。若い時ならば、多少の痛みは無視してトレーニングを強行していました。しかし今は、怪我が怖いんですよ。怪我のリスクを背負ってトレーニングをするくらいなら、トレーニングを休むようになりました。
以前にも書きましたが、怪我をしないのも格闘技の技量のうちですので。怪我をして休めば、確実に弱体化します。怪我や病気が多い者は、格闘家として高い評価を与えることは出来ません。
ここまで書いてきましたが、結局のところ何が言いたいのか……それは、格闘技を続けるのも楽じゃない、ということです。
私は日々、ジムやその他の場所にて汗を流しています。その汗に、嘘はありません。このエッセイは、その汗から書かれたものです。全てがそうとは言いませんが、大半が私の実体験に基づくものです。また私は、自分のやってきた格闘技に対し小さなプライドも持っています。
特に、この時期は本当に暑いんですよ。汗がだらだら流れる状態で、殴り合ったり取っ組み合ったり……さらに練習が終わった後は、スタミナ強化のためのサーキットトレーニングもやってます。決して楽をしているつもりはありません。
ですから、格闘技に関して明らかに事実と違うことを書かれると、本当に困ってしまうんですよ。
まあ、作品の世界観やストーリーもあります。多少の不自然さには目をつぶるつもりではいるのですが……知識不足や、描写が穴だらけだと「おいおい」と言いたくもなるんですよ。
しかも、その作者が自称・経験者だったりすると……我慢できず、感想などで指摘してしまうことはありますね。
はっきり言って、自分でも大人げないとは思います。ただ「しょせんフィクションだから」という言葉に逃げず、きちんと調べた上で書いていただきたいなあ、と……格闘技をやっている者からの、ささやかなお願いです。
あまりにも酷いと、感想で指摘してしまうかもしれませんので。もっとも、私も重箱の隅をつつくような細かいことを指摘したりはしません。穴だらけの描写で「寝技は格闘技のチート」などとドヤ顔で宣言しない限りは。




