格闘のススメ その5
今回で『格闘のススメ』シリーズも終わります。最後を飾るのは……打撃系の素晴らしさについて語る回となりました。
まず、打撃系の魅力の一つに、『わかりやすい』という点が挙げられます。組み技系などは、見てわかりづらく、やってもわかりづらい部分があったりしますが……打撃系は、見ていてわかりやすいですね。まあ、自分でやるようになると難しさに気づきますが……ちゃんとしたストレートを打つのは、実は難しかったりします。それはともかく、組み技よりは何をやるのか理解しやすいですよね。
次に、一人でも練習できる点が挙げられます。組み技の場合、一人でやれる練習というものがほとんどありません。組み技だと、一人でできることは……大木にタックルの打ち込み(公園でやる人います)などでしょうか。しかし打撃系は、一人でできる練習は多いですね。引きこもりだった主人公がとあるきっかけでボクシングのワンツー(左ジャブからの右ストレート……物凄く簡単に書くと、左右の順番で速く殴ることです)を学び、部屋の中で一生懸命練習しているうちに、ボクサー並みの凄まじいパンチを身につける、という路上格闘技マンガがありましたが、一人での練習でも、少しは上達できるのが打撃系のいい所です。
また、前回では打撃系は顔のケガが避けられないと書きましたが、それはあくまで本格的に取り組む場合の話です。スパーリングをやらないという選択肢もあります。サンドバッグを叩き、キックミットを蹴るだけでも相当な運動量です。あくまで、ここでは『なろう』の方々に向けて書いていますので……スパーリングさえやらなければ、顔へのケガは避けられます。さらに、マススパーリングという選択肢もあります。マススパーリングとは、マススパーとも呼ばれる「当てない」スパーリングです。相手に当たる寸前で止める攻防ですが、これは体格や老若男女関係なくできるため、オススメです……と言いたいところですが、この「当てない」はずのマススパーで、何をトチ狂ったか本気で殴ってくる人もいるので……連載の前の方で書いた「困ったちゃん」の部類に入る人です。なので……そういう人がいたら、マススパーは止めた方がいいかもしれません。
さて、スパーリングをやらないとなると、シャドートレーニングやミット打ち、そしてサンドバッグ打ちなどが練習の主体となります。このサンドバッグ打ちやミット打ちというのは独特のものがありますね。何と言うか……少なくとも、ウエイトトレーニングやランニングなどをしてかく汗とは、また違う感覚があります。人間の根底にある破壊衝動……そういったものを解消する効果があるのかもしれませんね。だとすると、『なろう』に作品を投稿する方には、大いに役立つのかもしれません。
ここまで、打撃系格闘技の魅力について語りましたが、数ある打撃系格闘技の中での私のオススメは何かと言われると……昔習っていた空手と言いたいところですが……ここではあえて、ボクシングを押させていただきます。
オススメの理由ですが……まず、メジャーだという点が挙げられます。メジャーだということは同時に、教えてくれる場所を見つけやすいということでもあります。皆さんの学校や職場の近所でも、見つけやすいと思いますし。
また、メジャーであり、スポーツとして認められている分、おかしな人間は少ないですね……某兄弟とその父親は別にして。あんな連中はほとんどいませんので、安心してジムに行ってみてください。
さらに、練習も自分のペースでできます。私の通っているジムでも、打撃はほとんど自由練習みたいな雰囲気ですね。前にも書きましたが、ジムの開いている時間に行き、シャドートレーニングをやったり、サンドバッグを叩いたり……という感じです。ボクシングジムだと、空手のようにみんなで「セイ! セイ!」という練習がないので、その点もいいかもしれませんね。
サンドバッグを叩き、キックミットを蹴る……そういったトレーニングを経験したり、またプロ志望の若者たちとのふれあいは、創作において(ひいては人生において)確実にプラスになるものと思います。皆さんもこの機会に、格闘技を始めてみてはいかがでしょうか。格闘技の経験は創作においてプラスにはなってもマイナスにはなりませんから。
蛇足になりますが、もし幼い子供に格闘技を習わせたいが、オススメは、と聞かれたら……私は柔道や剣道、空手のような精神修養の要素のある武道を勧めますね。幼い頃に、そういった経験は必要かもしれません。とはいえ、理不尽なシゴキは論外ですし、泣いている子供に練習を強要したりするのは言語道断ですが……。
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突然ですが、今年の七月にDーNETグラップリングトーナメントというアマチュアのグラップリング(組み技だけ)の大会が開催されます。それに出場することにしました。やはり、こんな連載を続けているのに、試合に出ないというのは……「看板に偽りあり」ではないかと思いますので。格闘技をやっており、なおかつ人に勧める以上、自分も闘わなければ何の説得力もありません。口だけでなら何とでも言えます。しかし、今の自分は試合から遠ざかっており、これでは口だけではないか、と最近思いました。なので、まずは組み技の試合に参加し、できれば今年中に総合格闘技の試合に出るつもりでいます。グラップリングの方は、優勝を狙うつもりです。結果はこちらに書きますので、これからもよろしくお願いします。
もし、ケガをしたり仕事が忙しくなったりして試合に出場できなくなった場合は、こちらで報告します。




