スクワットについて
ウエイトトレーニングの種目の中には、BIG3と呼ばれるものがあります。ベンチプレス、スクワット、デッドリフトです。
今回は、この中からスクワットに焦点を当てて語ります。なお、この中でもっとも有効なトレーニングはデッドリフトらしいのですが……デッドリフトは、初心者が見よう見まねのフォームでやると本当に怪我をします。なので、まずはスクワットから始めてみてください。
スクワットというと、ほとんどの人が両手を頭の後ろで組んで上体を上下させるものを思い浮かべることでしょう。しかし今回私が語るのは、バーベルやダンベルを用いて行うスクワットです。
この負荷をかけたスクワットというのは、あらゆるトレーニング種目の中でもトップクラスの効果があります。
たとえばの話ですが、仮に私がどこかの収容所に入れられたとしましょう。そこでは、週に一度だけウエイトトレーニングが許されています。ただし、収容者が多いので一人十分だけ……無茶苦茶な設定で申し訳ないですが、このような環境になった場合、私はバーベルを担いだスクワットに、五分以上を費やしますね。あとは、ベンチプレスと懸垂を一セットやるくらいでしょうか。
スクワットというのは下半身を集中的に鍛えますが、間接的に体幹をも鍛えているんですよ。特にバーベルを担いだり、ダンベルを持って行うスクワットは、上半身にも影響を及ぼしてきますね。
さらに、下半身のトレーニングは成長ホルモンが出やすいです。成長ホルモンは、筋肉の発達や筋力の強化に大きな影響を及ぼします。つまり、スクワットをやることにより……ベンチプレスを初めとする上半身のトレーニングの効果を、最大限に引き出せるわけです。
格闘家の中には、ウエイトトレーニングに否定的な人も少なくない、という話はこれまでに何度も書いています。
「腕の筋肉なんか鍛えてどうすんだ? そんな時間あったら、サンドバッグ叩いた方がいい」
「ベンチプレスは、しょせん見かけ倒しの筋肉しか付かない」
こういう人は今もいます。私は違う意見ですが、否定派のいうことにも一理あると思っています。
しかし、スクワットを否定する意見というのは、あまり聞いたことがないですね。強いていうなら、某古武術の先生ですが……あの人はウエイトトレーニングどころか、競技のトレーニング方法そのものを否定していますからね。「昔の達人は……」などというセリフで。あんた見たのかよ! とツッコミたくなります。話がズレるので、これ以上は書きませんが。
某先生はともかくとして、スクワットに否定的な人というのはあまりいません。これは、スクワットがいかに優れたトレーニングであるかということの証明ですね。
また、これはあくまでも仮説に近い意見なのですが……上半身のどこかを痛めた時、下半身を鍛えて成長ホルモンを大量に発生させることにより、痛めた箇所の治癒が早まるという意見があるそうです。
ただし、スクワットというトレーニングには危険な部分もあります。ベンチプレスと違い、いい加減なフォームで高重量を扱うと怪我の可能性が高くなります。スクワットで三百キロを挙げるようなレベルの人たちのほとんどが腰痛持ちです。
ですから、腰や膝などに不安を抱えている人は気をつけなくてはなりません。あまり膝を深く曲げないハーフスクワットで、痛みを感じないようなフォームで行うのがいいでしょう。場合によっては、スミスマシンというバーベルの軌道が固定されているマシンでやった方がいいかもしれません。
それでも負担が大きく、膝や腰に痛みを感じる場合は……痛みを感じないフォームでのレッグプレス、ないしはチョンチョンと膝を曲げる程度のスクワットでも構わないでしょう。
ただし、関節などに問題のない人には……バーベルを用いたスクワットをやって欲しいものですね。格闘家には欠かせない種目ですし、一般の人にも挑戦してもらいたいです。なお、一般の人であるなら週に一度でも効果があります。強靭な足腰は、格闘技に限らずあらゆる局面で力を発揮しますので、皆さんも是非やってみてください。




