ボディへのダメージ
先日、とある方の主催したオフ会に参加して来ました。
普段、画面越しの交流しかしていない方々と直接顔を合わせて話をする……これは、なかなか楽しいものです。
特に私の場合は文章力の無さゆえに、作品の中で技の描写などしても、上手く伝わっているか不安ですね。なので、もし今後オフ会で顔を合わせる場合、格闘技について分からない点などあればどんどん質問していただきたいです。私に答えられる範囲なら、きちんと答えていきますので。場合によっては、体できちんと指導いたします。
さて、映画やドラマやアニメなどのフィクション作品を観ていると……腹を殴られ、意識を失うというシーンがあります。
これ、実はあり得ないんですよ。いや、あり得ないというと語弊があるかもしれませんが……少なくとも、腹を殴られて意識を失うというのは非常にまれなケースでしょうね。
ボディ攻撃で倒れる時、それは非常に苦しいです。まず攻撃が当たった直後、何かが腹を貫くような感覚を覚えます。そこから一瞬遅れて、息がつまるようなショックを感じて倒れます。意識はありますが、意識がある分だけ苦しいんですよ。むしろ顔を殴られて意識を飛ばしてもらった方が楽かもしれません。
ボディへのダメージを左右するのは、やはりタイミングです。渾身の力を込めて叩きこんだパンチが全く効かないこともあれば、乱戦の中で苦し紛れに放ったボディブローが予想外に効くこともあります。そんなわけでして、ボディ攻撃で倒すのは難しいですね。KO勝ちを狙うには、顔を狙う方が早いのは間違いありません。
ただし、ボディ攻撃は非常に重要です。今の格闘技は、上下の打ち分けを重視しております。
闇雲に顔を狙い殴りかかって行ったとしても、それを読まれてしまえば当てるのは難しいですね。しかし、攻撃の目標が顔だけでなく、足や腹など多岐に渡っていれば、相手はどこを防御すればいいか分からない……まあ、こんなことはいちいち説明するまでもないですが。
また、たとえ一発の攻撃で倒せなくとも、ボディブローを続けて打つことによりダメージを蓄積させることが出来ます。ボクシングでは、ボディは後半に効いてくる……という格言があります。蓄積されたダメージは、長引けば後々に効いてきますね。
空手には三日月蹴りという技があります。前蹴りと中段回し蹴りの中間の軌道を通り、足先を相手の腹に当てる特殊な蹴りです。確か極真空手が発祥だったような気がしますが、それより前から存在していたのかもしれません。詳しい歴史は不明です。
歴史はともかく、この三日月蹴りは……一言で言うと「刺さります」。みぞおちに入ると息が止まるようなショックがありますが、それ以外の部位に当たっても痛いんですよ。筋肉をえぐるような感覚がありますね。
ローキックやミドルキックがバットで殴られる痛みとすると、三日月蹴りはさしずめバールのようなゴツゴツした鈍器で殴られる痛みでしょうか。上手く表現できていないかもしれませんが。
ボディへの攻撃は、基本的には腹筋を強化することで防げます。ただ、これも人によってまちまちですね。ボディを打たれてすぐに倒れてしまう人もいれば、いくら打たれても平気な人もいます。いや平気というと語弊がありますが、打たれ強い人というのはいますね。
これは生まれついての体質もあるでしょうが、練習方法もあるでしょうね。ただ単純に腹筋運動を何百回もするのではなく、攻撃に素早く反応し腹筋を固める……そうしたトレーニングの有無が分けることになるでしょうね。
もっとも、プロの格闘家は皆、ボディをきっちり鍛えています。そこで鍵となるのが、先ほど書いたタイミングです。
相手の読みを外すタイミングでボディ攻撃をすれば、大ダメージを与えることが出来ます。仮に一撃で倒せなくとも、効かせることが出来れば儲けものです。相手の意識はボディへと向かい、結果として顔面へのガードが下がる……このように、格闘技もプロ同士になってくると高度な読み合いが要求されてきます。レベルを上げて物理で殴れば勝ち、という訳にはいかないんですよね。
最後はちょっとズレてしまいましたが、格闘技の試合では何気なく打っているボディ攻撃が実は奥の深いものである……ということを知っていただけると幸いですね。




