ブラジリアン柔術
九月に入り、だいぶ涼しくなってまいりました。スポーツなどを始めるには、もってこいの季節ですね。
そんなわけでして、今回はブラジリアン柔術について語ります。とはいえ、実は私は正式なるブラジリアン柔術の経験が無いんですよね。グラップリングの経験ならば、かれこれ十年近くありますが……裸のグラップリングとブラジリアン柔術は、似て非なる競技なのであります。例えるならば、Kー1とムエタイくらい違いますね。
そんな私が、ブラジリアン柔術について語っていいのだろうか……などという疑問はありますが、これまでにもムエタイや柔道について語っていますし、大目に見てください。
そもそも、ブラジリアン柔術とは何か……日本の柔道家かブラジルにて広めたものが起源とされています。日本に存在している古流柔術とは、似て非なるものですね。
まず練習および試合は、柔道着のようなものを着て行います。パンチやキックのような打撃技は無しで、絞め技や関節技を用いて闘う……これが、基本的なルールです。
そんなブラジリアン柔術ですが、特徴の一つにポジションを重視している点が挙げられます。
一対一の格闘において最も重要な要素の一つに、自分がどのような体勢にあるか……という部分があります。例えば、自分がうつぶせに倒れ相手が立っている場合を考えてください。これは、誰が見ても自分が不利な体勢であることが分かりますね。体勢というのは、少々の体格差や格闘技術の差など、簡単にひっくり返せるくらいに重要なものなんですよ。
ブラジリアン柔術は、闘いの際に自分を有利な体勢へと持っていくことを重視しています。
マウント・ポジション(馬乗りの体勢)、サイド・ポジション(柔道でいう横四方固めの体勢)、ノースサウス・ポジション(柔道でいう上四方固めの体勢)などのポジションを取るだけでポイントが入るんですよ。
入門者に対しても、関節技や絞め技より、まずは様々なポジションを教えることに時間を割いているんですよね。まあ、これは道場やジムによって違うかもしれませんが。
ブラジリアン柔術の優れた点といえば、殴る蹴るといった破壊的な要素がないことです。
ボクシングやキックボクシング、あるいは空手のような打撃系は、ちょっと間違うと顔に青アザが出来たりしますからね。男女を問わず、これは歓迎できない状況でしょう。
特に社会人になると、顔に青アザを付けて出社しようものなら「君、いったいどうしたの?」などと上司に聞かれたりするケースがあります。
しかし、ブラジリアン柔術の場合はそういった危険性は……正直に言うと、無いこともないです。スパーリングの時に、頭がガツンと当たってしまうこともあります。しかし、打撃系と比べると可能性は格段に低いですね。
また、ブラジリアン柔術は力に頼ることなく相手を制することを主眼としています。黒帯クラスになると、本当に動きが滑らかですね。こちらの力ずくの攻めをいなし、気がつくと回りこまれている……こういった動きは、一朝一夕で出来るものではありません。
さらに、ブラジリアン柔術は女性にもオススメです。ブラジリアン柔術には「エビ」「逆エビ」「柔術立ち」という動きがありますが、これは痴漢や変質者に押し倒された時に逃げる役に立ちます。エビや逆エビで押し倒された状態から脱出し、柔術立ちで素早く立ち上がる……こうした動きは、女性にこそ身に付けてもらいたいです。
前にも書きましたが、下手な護身術など学ぶよりも、まずは不利な体勢から素早く脱出し立ち上がり、逃げるなり助けを呼ぶなりする……これこそが、本当の護身かと私は思います。
当然ながら、人には向き不向きがあります。
ブラジリアン柔術もまた、人によっては好きになれない人もいるかもしれません。たとえば、ブラジリアン柔術は組み技の格闘技ですが……何が悲しくて、男同士で組み合わなくてはならないのかと思う人もいるでしょう。また逆に、男とは組み合いたくないという女性もいるかもしれませんね。
ここまで読んで、どうしても無理……と思った場合は仕方ありません。しかし、興味が出てきた方は、是非とも体験してみてください。ちなみに柔術着はそこそこの値段がしますが、ほとんどの道場で貸し出してくれると思います。




