ブランクの怖さ
いきなりですが、今回はブランクというものについて語らせていただきます。つい最近、ブランクの怖さについて色々と思い知らされる事態を体験しましたので。
以前、私は個人的な理由から一月以上トレーニングから遠ざかっていたことがありました。この時は本当に忙しく、自宅での腕立て伏せやスクワットすら出来ない状態だったのです。さらに、たちの悪いインフルエンザのせいで一週間ほど寝たきり……という最悪のコンディションでした。
さて、ようやく時間が取れた私はジムに行き、ウエイトトレーニングをやりました。もちろん、筋力が低下しているのは承知していました。そのため扱う重量は軽めにしていましたが、トレーニングの総セット数は普段と同じでした。
すると、一時間もしないうちに私の体に変化が起きます。まず、嫌な感じの汗が全身から吹き出てきました。次いで、猛烈に気分が悪くなってきたのです。
私は、慌ててトレーニングを中断しました。まずは隅の方でしばらく座り込み、体力の回復を待ちます。そして、ようやく動けるようになると……さっさと着替え、トレーニングジムを後にしました。
ちなみに、私はウエイトトレーニング歴は二十年近いです。途中で数年ほど中断していた時期もありますが、どの程度やれば効果的かはちゃんと把握していますし、激しいトレーニングメニューもこなせていました。
ところが、この日は普段の半分程度の強度のメニューをやっただけで吐きそうになったのです。この時以来、長い中断の期間がある時は、慎重にトレーニングをするようになりました。
昔、格闘技に打ち込んでいた人は……ある程度の技術を体が覚えています。少々のブランクがあっても、一度身につけた技術はそうそう忘れたりしません。幼い子供が自転車に乗れるようになるまでは、それなりに練習が必要ですが……一度乗れるようになれば、後は問題ありません。たとえ数年のブランクがあっても、いざ乗ってしまえば簡単に操縦できるはずです。
つまり、長い時間をかけて身につけたスキルは体が覚えているのです。ブランクがあったからといって、右ストレートが打てなくなったりアームロックのかけ方を忘れたり……なんてことはありません。
しかし、体力は確実に落ちます。特に寝たきりだったりすると、全身の機能は確実に低下しますね。事実、腕を丸一日ギブスで固定しただけで筋力が低下した……という実験結果があるくらいです。
そのため、病気の後などはくれぐれも注意してください。特に、心肺機能は恐ろしく低下しているケースがあります。普段と同じ練習メニューをこなそうとしたら、途中で気分が悪くなってきた……という事態は珍しくありません。病み上がりのトレーニングは、慎重かつ計画的に行うことをオススメします。
また、若い頃に格闘技に打ち込んでおり……数年後に再開した、という場合も注意が必要です。
この場合も、かなり厄介なんですよね。なまじ経験があるだけに、どの程度のトレーニングをすればいいかを本人は分かっている……つもりでいます。ところが、こういう人は往々にして自身の体力の低下については分かっていません。むしろ過去の経験があるがゆえ、自身の体力を過信していたりします。
その結果、若い頃と同じようなトレーニングをした挙げ句、途中で倒れてしまうケースもあるのです。格闘技に限らず、久しぶりに体を動かす時にはくれぐれも慎重に。心肺機能というのは、短期間でガクッと落ちますので……。
これはトレーナーから聞いた話なのですが、筋肉というのは一見すると落ちていないように見えても、放っておくと内部では変化が生じているそうです。
具体的に言いますと、たとえばベンチプレスを一月休んだとしましょう。すると、筋肉はバーベルの「挙げ方」を忘れてしまうそうなのです。そのため、いきなりベンチプレスをやったりすると、筋肉が戸惑い、結果として思わぬ事故に繋がるケースもあるとか。
特に年齢を重ねていくと、筋肉も物忘れが激しくなるようです。なので、久しぶりにトレーニングを再開する時は「筋肉に動作を思い出させる」という過程が必要かもしれませんね。
某筋肉芸人のネタの中に「さあ、俺の筋肉よ……」などと自身の筋肉に語りかけるものがありますが、冗談ではなく自身の筋肉との対話というのは、トレーニングを続けていく上では重要な要素であると思いますね。バーベルを持ち上げてみて、筋肉に適切な負荷がかかっているか。あるいはサンドバッグを叩いてみて違和感がないかどうか。自身の肉体との対話は、本当に大切です。
格闘技とは関係ありませんが、私はこのところ忙しく、ほとんど執筆することが出来ませんでした。約一月ほど、何も書けませんでしたね。
で、先々週あたりからようやく書き始めたのですが……はっきり言って、書くのが遅くなった気はします。少なくとも復帰直後は、二百字書くのに丸一日ほどかかっていました。
そんな訳ですので、毎日少しずつでも書き続けていった方がいいかもしれませんね……と、こんな形で今回は終わります。まだ、いまひとつな状態ですみません。




