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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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超マイナーな格闘技俳優・マシアス・ヒューズ

 今回は、かつて格闘技のチャンピオンであったとある俳優について語ります。ただ正直言いますと、この人に関してはあまりにもデータが少ないんですよね。そもそも、何の格闘技をやっていたかもはっきりしません。一応、ドイツの格闘技チャンピオンであった……という話は聞いているのですが。


 マシアス・ヒューズ……この名前を聞いてピンと来る人は、まずいないと思われます。実際、この人が主役に抜擢された映画は聞いたことがありません。

 もっとも、それも仕方ないでしょうね……このヒューズ、見た目が本当に怖いです。身長は百九十センチ・オーバー(推定)、手足はスラリと長いです。また、その体は分厚い筋肉に覆われています。しかも、ただ筋肉が付いているだけではありません。打撃系の格闘技をみっちりやっていたような、そんな体つきです。

 さらに加えて、顔が怖いですね。アメリカの暗黒街をうろうろしていても違和感の無い、そんな危険な風貌の持ち主です。


 私がこのマシアス・ヒューズという俳優を初めて知ったのは、中学生か高校生の頃だったと思います。当時はテレビ東京にて『木曜ロードショー』なる番組が放送していました。このテレビ東京という局は、妙にマニアックな映画ばかりをチョイスしていまして……その日は、『バトルファイター』(原題はFIST FIGHTER)なる映画を放送していました。

 タイトルを見れば分かると思いますが、この『バトルファイター』は脳みそを一ミリも用いることなく観られる映画です。映画が始まる前に、映画の解説者はこう言っていました。


「ドイツの格闘技チャンピオン、マシアス・ヒューズも出演しています」


 ドイツの格闘技チャンピオンだと? どんな奴なんだろうか……私は興味を持ち、映画を観始めました。

 しばらくして、画面にマシアス・ヒューズが演じるライノ・ラインハートが上半身裸で登場しましたが……私は唖然となりました。まさにギリシャ彫刻のごとき肉体でしたね。手足の長いスラリとした体型にも関わらず、背中や肩そして三頭筋といった、いわゆるヒッティングマッスル(打撃系格闘技に必要な筋肉)が異様に発達しているのです。しかも顔つきは恐ろしく、その風貌を一言で表すなら「マッチョな死神」でしょうか。

 そんな恐ろしい男が、画面の中を所狭しと暴れまくり、最後は主人公にボコられて終わり……しかし私の中に、このヒューズという男は強烈なインパクトを残したのです。

 余談ですが、同じ格闘技でも打撃系とをやっていた人と組み技とをやっていた人とでは、微妙に体型が異なる気がします。また、ウエイトトレーニングだけをやっていた人の体とも違う気がしますね。筋肉の付き方が、微妙に違ってくるんですよね。


 次に私がヒューズに出会った作品は、映画『キックボクサー2』です。ジャン・クロード・ヴァンダムの出世作であった一作目と比べると、明らかにスケールダウンしていたこの作品にヒューズは出演していました。

 しかも彼の役は、前半に登場する単なる噛ませ犬です。明らかにヒューズより弱そうな主役のミッチェルにボコボコにされ、ブチギレてジムに放火するという……しかも、彼の出番はそこで終わりです。単なる放火犯ですね。


 その次に私がヒューズを見たのは、『ダーク・エンジェル』という作品です。極真空手の有段者であり人間核弾頭の異名を持つドルフ・ラングレン主演のこの映画、ラングレンVSヒューズという超ド迫力の肉弾戦が見られるかのかと思いきや……なんとヒューズは、他の星から来た犯罪者エイリアンという役でした。そのため、せっかくの格闘シーンも今ひとつ噛み合わないものでしたね。


 ここまで読んでいただいたなら、もうお分かりかと思いますが……このマシアス・ヒューズという人は、どうも役に恵まれないんですよね。見事な肉体とキレのある技、さらには凶悪な風貌を兼ね備え、B級とはいえ名悪役になれる素質はあると思うのですが……この人の持ち味を殺すような役しか回って来ないんですよね。何とも気の毒な話ではあります。


 そんなヒューズは、六十近くなった今もアクション俳優を続けています。二〇一五年には、以前にこのエッセイでも取り上げたマーク・ダカスコスが監督を務めた『Showdown in Manila』(日本未公開)に出演していたとか。皆さんも、もしよろしければマシアス・ヒューズという俳優を記憶の隅に留めていただけると幸いです。







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