怪しい健康情報
だいぶ昔のことですが、とある昼の番組にて「ココアは体にいい」という内容の情報が放送されました。すると、その直後に番組を観た人が店に殺到し、ココアが店頭から姿を消したそうです。何とも恐ろしい話ですね。
こうした健康情報は、結局のところ継続しなければ何の意味もないのですが……当時、ココアを買い占めた人たちは、今もちゃんとココアを飲み続けているのでしょうか。
実際にココアが体にいいかどうか、私には分かりません。そもそも、テレビなどに登場する健康情報には、出所が怪しいものも少なくないのです。
これまた昔の話ですが、「納豆を食べると痩せる」という情報が、とあるテレビ番組にて放送されました。そのため、あちこちで納豆が売れたそうです。
ところが、後で分かった話なのですが……このデータ、実は捏造だったそうです。このテレビ番組におけるデータの捏造というのは、実は厄介な問題なんですよね。はっきり言えば、視聴者である我々には真偽を確かめる術が無い訳ですから。
その上、捏造とまではいかなくても、よくよく調べてみるとデータの取り方が間違っていたり、対象に偏りがあったり……捏造に近い状態になっているものもあります。こうなると、情報を受け取る側にも、その情報が正確かどうかを吟味する能力が問われます。
通販番組を観ていると、ダイエットに関する製品が多いですよね。今の時代、ダイエットは老若男女を問わず一大関心事となっているようです。
しかし、このダイエットもまた一筋縄ではいきません。例えばテレビ番組などで「これを使い、一ヶ月で十キロ痩せた!」などという商品があったとします。それが本当なら、確かに凄い商品でしょう……純粋に、その商品しか使っていないのであるならば。
しかし、ほとんどのダイエット商品にはこんな文句が添えられています。
「効果には、個人差があります」
「専門家の指導に従い、適切な食事と運動とを併用しています」
おいおい、と思いますよね。特に「専門家の指導に従い〜」というくだりは、それが出来りゃあ誰でも痩せるよ! と突っ込まざるを得ません。
また、意外と誤解されている人も少なくないのですが……一ヶ月で五キロ痩せるのと、二ヶ月で五キロ痩せるのと、果たしてどちらが楽でしょう? と問われると、ほとんどの人は「二ヶ月で五キロ痩せる方が楽」と答えると思います。
しかし、実際は一ヶ月で五キロ痩せる方が楽だったりするんですよ。というのも、一ヶ月という短い期間だからこそ、キツいことにも耐えられる訳です。
また、ダイエットにつきものの「停滞期」も「リバウンド」もありません。個人差や性格にもよるでしょうが、短期間で一気に痩せる方が、簡単といえば簡単です……その後リバウンドする可能性を考えなければ、ですが。
ちなみにプロの格闘家は、一週間で七キロを落としたりします。これもまた、短期間だからこそ出来る荒業です。しかも格闘家の場合、そこにはちゃんとした理由があります。
プロの試合の場合、体重の計量はほとんどが前日です。つまり、試合までには一日空くこととなります。
その一日の間に、選手は食べて体重を戻します。要は、意図的にリバウンドさせる訳ですね。短期間に落とした体重なので、すぐに戻ります。計量の時は七十キロだったのに、試合当日は八十キロになっているケースも珍しくないとか。
そうなると、試合では圧倒的に有利です。例えば、同じ階級のはずなのに十キロの差があるとなると、体格で押されてしまうことになります。そのため、格闘家は過酷な減量をするのです。短期間でガクンと体重を落とし、意図的にリバウンドさせる……こうして、少しでも有利に闘おうというわけです。
もっとも、皆が皆そうしている訳ではありません。このやり方は、若いうちは有効ですが……年を取ってからだと、体に与える負担が大きくなります。そもそも、一般人がプロの格闘家の真似をしたら、確実に体を壊します。まあ、一週間に七キロという減量を真似する人は、さすがにいないでしょうが。
ちなみにプロの格闘家の中には、普段は八十キロ以上の体重があるのに、六十五キロ前後の階級で試合をしている人もいます。二十キロ近くの減量をする訳ですから……キツいでしょうね。
皆さんに知っておいていただきたいのは、健康情報にしろダイエットにしろ、継続しなければ意味がないということです。本当に効果があるかどうかは、最低でも一年単位で見なくてはなりません。
また、人によって驚くほど効き目があるものと、全く効き目がないものがあります。極端な話ですが、いくら健康にいいからと言って、蕎麦アレルギーの人に蕎麦を食べさせる訳にはいきません。人には持って生まれた体質というものがあります。その体質に合った方法を見つけるのも大事です。
どんな方法にせよ、まずは継続してみること、それが大事です。さらに、悪い生活習慣を変えることも大切です。体というのは、日頃の生活習慣によって出来上がる訳ですから、まずはそこから見直さなくては話になりません。特にダイエットの場合、鍵を握るのは生活習慣ですので。怪しげな情報に惑わされたり、高価な器具を買うよりずっと重要です。




