脳内達人の恐怖(表)
私はつい三年ほど前までは、ネットに関する知識は0に等しいものでした。まあ、今も似たようなものですが。
そんな私も、なろうにて活動するようになって、少しはネットに関する知識を得ることが出来ました。また、ネットで使われる言葉も、少しは知ることが出来ました。
そのネット用語の中で、脳内達人というものがあるそうですね。一般的に、格闘ゲーム界隈に多いようですが……大して上手くもないのに、他人のプレイをボロクソにけなすタイプの人のようです。
実は、この脳内達人……格闘技界隈にも少なくないようです。プロ選手の試合を観ながら「レベル低い」などと言ったりする、のはまだいい方でして、「俺ケンカだったらコイツらに勝てるわ」「ガチの殺し合いなら、二人とも通用しない」などとコメントする人までいるとか。
こういう人たちは基本的に、格闘技の経験が無い人でしょう。仮に本当に殺し合いなどを経験している人だとしても、いちいち相手にする必要はないです。
また、武勇伝を語る人もいますね。ほとんどは他愛ないものですが……中には、明らかにウソと分かるような話を語る人もいます。経験者なら、すぐにウソと見抜ける話なのですが、そういった話に騙されてしまう人もいますから……本当に困ったものですね。
もっとも、こうした脳内達人は最近になって出てきた訳ではありません。昔から、こういう系統の人はいました。また、ウソの武勇伝を語る人もいましたね。
確か、『格闘技通信』という雑誌だったと思うのですが……その雑誌には、読者からのお便りコーナーがありました。そこにも、しょうもない格闘技論や武勇伝を投稿している人がいたんですよね。
「空手家の○○、あの程度の技量で真の武道家を名乗るとは片腹痛い」
「高校の柔道部の試合に出場し、ハイキックで相手をKOしたにもかかわらず反則負けになったのはボクです」
私の記憶に残っていたものですが……ちょっと呆れてしまうような内容ですよね。「空手家の○○」について書かれた投稿に関しては……じゃあ、お前が行って倒してこいとしか言いようがありませんね。ちなみに、この○○とは当時の日本チャンピオンになったこともある人です。
次の「高校の柔道部の試合で〜」に至っては、開いた口がふさがりません。仮に、他校との柔道の試合でハイキックを放ち相手をKOしてしまったら……確実に大問題になります。ただの反則負けで終わるほど、甘い処分では済まないでしょう。下手をしたら、件の学校は当分の間、出場停止になるかもしれません……あくまで私の予想ですが。
ただ、私は高校時代、柔道部ではありませんでした。したがって、このような事態になった場合の判断について正確なところはわかりません。
もし高校時代に柔道部だった方で、実際に柔道の試合中にハイキックでKOしたというバカ者の話を聞いたことがある方、あるいはそれに類似するような悪質な反則を犯した人間および学校がどのような処分を受けるのか……知っている範囲内で教えていただければ幸いです。
余談ですが、この格闘技通信という雑誌は、観る側のファン向けの誌面作りに重点を置いておりました。結果、キックボクシングやボクシングさらには空手といった様々な格闘技の試合結果を載せておりましたが……何故か、このような痛い人たちの主張(?)も誌面に載せていたのであります。正直、どうかと思いますね。編集部にも、ボツにする権利があったのですから……。
昔から格闘技の世界には、脳内達人がかなりの数いたように思います。脳内達人という現象自体は、以前から存在していたのは間違いないですね。ただ、昔は彼らの主張する場といえば……せいぜいが格闘技雑誌のお便りコーナーくらいしかありませんでした。
ところがネットの普及により、脳内達人たちは全世界に向け自分の意見や武勇伝を発信できるようになったわけです。また、その存在も昔より注目されるようにはなってきました。嘆かわしいことではありますが……。
格闘技を習っている、あるいは習おうと思っている人たちに言いたいのですが、ネットなどで見かける格闘技に関する意見は、そのほとんどが聞かなくていいものです。もちろん、中には真っ当な意見もあるでしょう。しかし、ただでさえネットという世界は玉石混合です。頭のおかしい脳内達人や、フィクションとリアルの区別がついていない人も集まりやすいです。
ですから、まずは自分がやりたいようにやってみましょう。ネットの意見より、大切なのはジムや道場にいる先輩たちです。さらに、自分で考えるのも大切です。
某サイトを見ても分かるように、質問しても的確な答えが返ってくるとは限りませんし、答える相手が脳内達人でないとは言い切れないのです。場合によっては、解答者同士で罵り合う始末です。
ともかく、今回私が言いたいのは、格闘技に関する疑問が湧いたら……ネットで聞くより、まずは自分で考えてみた方がいい、ということです。ネットには脳内達人がうようよしています。彼らの話を聞いていても、得るものはあまりないでしょう。
それに格闘技は、個人の体格や身体能力、さらには性格や好き嫌いやスポーツ歴などで大きく変わります。プロ選手Aさんの言うことが、BさんCさんにも当てはまるかというと……必ずしもそうとは言えません。人それぞれ、自分にあったやり方を探していくしかないのです。
自分を強くするのは、最終的には自分自身の努力です。そのことだけは忘れないでください。




