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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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キックボクサー

 暑い日々が続いております。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。熱中症には、くれぐれもお気をつけ下さい。

 という訳で今回は趣向を変えて、クーラーの効いた家の中でも楽しく観られる格闘技映画について語ります。特に今回紹介する格闘技映画は、やたら派手で時おり大笑いし、ツッコミ所が満載ではありますが気持ちよく終われる、という作品ですので、是非とも観ていただきたいですね。


 今回紹介する映画は『キックボクサー』です。実はこの映画、シリーズ化されております。これまで五作品が作られました。

 その栄えある一作目は、かのB級アクション俳優であるジャン・クロード・ヴァンダムの出世作となったものです。ストーリーはといいますと、兄を半身不随にしたムエタイ選手トン・ポーを倒すため、主人公のカートがジアンというムエタイの達人に弟子入りし、最終的にトン・ポーを倒すというものです。

 しかし、この映画ですが……実は突っ込み所が多いんですよ。まずはラスボスに当たるトン・ポーですが、この男はタイ人という設定のはずなのに、何故か弁髪なんですよ。まあ奇抜なファッションであると解釈すれば、そんなタイ人がいても不思議ではないかもしれませんが……。

 次に主人公のカートですが、師匠のジアンから言い渡される奇怪な修行を、愚痴りながらもこなしていきます。その内容はというと、樹の上から、ヤシの実を腹めがけ投下されます。さらに空手の型のような動きを延々とさせられたり、古代遺跡で正拳突きをさせられたり、水の中で空手の型のような動きをさせられたり……ムエタイ関係なくない!? と突っ込みたくなりますね。

 さらに、ディスコにてヴァンダムが披露しているダンス……私にはダンスの知識はありませんが、動きがちょっと変態っぽく見えますね。

 とまあ、色々と書きましたが……努力・友情・勝利の三原則はきちんと守っていますし、若きヴァンダムの動きは、華麗でありながらパワフルです。一度くらい観ておいても損はないと思いますね。この一作目だけは、DVD化もされていますし。


 この映画、アメリカではそこそこヒットしたようです。そこで、すぐに続編が作られました。それが『キックボクサー2』です。

 皆さんご存知かと思いますが、映画界には「二作目は一作目を超えられない」という格言があります。ことにアクションの場合、二作目がどうしようもない駄作になってしまうことはよくあります。このキックボクサー2もまた、一作目を上回るトンデモ映画に仕上がっていました。

 今作の主人公は、カートの弟のデビッド……この時点で「おいおい」と突っ込みたくなりますね。前作では影も形も無く、語られることもなかった三男のデビッド。それが、何故か今作から主人公として登場しているのですから。

 しかも、兄のカートは何故か死んだことになってました。半身不随になったはずの長男に至っては、語られることすらありません。恐らく、ヴァンダムが出演のオファーを断ったために苦肉の策として弟を登場させたのではないでしょうか。もちろん、私の想像ですが。

 それはともかく、主人公のデビッドを演じているのはサシャ・ミッチェルです……正直に言いますが、聞いたこともない俳優です。この俳優が演じているデビッドが、紆余曲折あって兄の仇であるトン・ポーを倒すというのが基本的なストーリーであります。前作でトン・ポー負けてるじゃん! と突っ込みたくなりますが、それに対してはトンデモな答えが用意されています。


「デビッドの兄カートは、トン・ポーに勝利した。しかし、トン・ポーは負けた腹いせで、試合後にカートをピストルで撃ち殺してしまったのだ」


 もうムエタイ関係なくない!? としか言いようがありません。タイの事件とはいえ、アメリカ国民を射殺したトン・ポーを野放しにしとくなよ! と突っ込みたくなりますね。

 ただ、この作品にはドイツの元格闘家のマシアス・ヒューズが出ています。この人、悪そうな風貌と鍛え抜かれた肉体で様々なB級アクション映画に出演しておりました。現在も活躍中かと思います。

 また、北米のキックボクシングのチャンピオンになったこともある俳優、ヴィンス・マードッコも出ています。すっごい昔ですが、日本のカミソリのCMに「キレテナイ」のセリフと共に出演しておりました。ちなみに、そのカミソリのCMにて2代目イメージキャラクターとして起用されたのが、故マイク・ベルナルドだったりします。これは完全に余談ですが。

 余談ついでに付け加えますと、ドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』にてデビッドくんを演じていたブライアン・オースティン・グリーンも、このキックボクサー2にてチョイ役で顔を出してます。何故ブライアンが出演したのか……やはり、デビッド繋がりでしょうか?


 先ほども書きましたが、このキックボクサーは五作目まで制作されました。しかし三作目は何がしたいのか全く意味不明でしたし(外国行って銃で撃ち合ったり穴掘ったり現地のチャンピオンと試合したりしてます)、四作目と五作目に至っては私は観ていません。ただ、三作目と四作目の主演はサシャ・ミッチェルでしたが……五作目にて主役を演じたのは、以前にも紹介したマーク・ダカスコスなのです。本当に、B級アクション映画界は広いようでいて狭いですね。調べていくと、あちこちで奇妙な繋がりが出来ているのが発見できます。


 最後になりますが、このキックボクサーの一作目が現在アメリカでリメイクされ、二〇一六年の九月に公開されるようです。そして……オリジナル版で出演したヴァンダムが、リメイク版では主人公を鍛える師匠の役で出演しているそうなのです。二十年ほど前にオリジナルテレビですがを観た者としては、感慨深いものがありますね。







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