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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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継続は力だけどイジメの継続は地獄だって!

 今回も、いきなり本題から入ります。しかも、重い話からです。人によっては、どよーんと暗くなるかもしれません。

 私は小学校の高学年から中学一年まで、いじめられっ子でした。理由は……本やアニメやゲームが好きなおとなしいインドア派で、しかも滑舌が悪く、さらには球技が苦手で、気が弱くてNOと言えない少年だったせいでしょうか。

 面白半分で殴られたり、学校の中を追いかけまわされたり、バケツで水かけられたり、まあ、この時期はひどい目に遭っていましたね。

 で、いじめられっ子は嫌だ! 強くなりたい! と一念発起。まずは、骨法という格闘技を習い始めました。

 しかし、これがまた、酷い……いや、下手なことを私の独断で書くのは止めましょう。骨法について興味のある方は、御自身で調べて判断された方がいいものと思います。今書けるのは、この骨法という格闘技、私は一か月続かなかった、ということだけです。

 その後、弱いまんまだった私は、極真空手を始めたのですが、空手は当時の私にぴったり合いました。

 空手の稽古はきつかったですが、それでも、きつさを上回る楽しさがあったのも確かです。私は空手にのめりこみました……たったの半年間でしたが。

 たった半年で強くなれるのか、と思われるかもしれませんね。しかし、結局のところ素人同士のケンカなんて、相手を殴る意思があるかどうかで決まってしまう部分があります(よほどの体格差や、精神的な差がない限り)。空手をやっていれば、否応なしに殴る練習をします。スパーリングのような対人の練習をすることで、殴ることに躊躇しなくなります。結果、大半の者(あくまで素人相手ですが)には勝てるくらいの実力にはなるわけですね。

 その後、私はちょっかいを出してきた人間を、みんなの前で殴りました。強くなった自分を他の人間に見せつけました。私をいじめの対象にしようという気を起こさせないようにするため、みんなの前で殴り続けました。

 その結果、「赤井はヤバい奴だ」という噂が立ち、私はいじめられなくなったのです。


 さて、お子さんのいる方には特に考えていただきたいのですが、こんなやり方、どうでしょうか?

 私個人の経験に基づいた意見ですが……これは失敗だったと思います。

 確かに、私はいじめられなくなりました。しかし、その代わりに破壊的な人格が誕生してしまいました。私はその後、不良とつるむようになったのです。

 その後、何があったかはあえて書きません。この連載の趣旨とズレてしまうからです。ただ、都合が悪くなったら殴る蹴る、という最悪のクズだった期間がありました。

 なぜこうなってしまったか……やはり、いじめという壁にぶち当たり、それを乗り越えた手段が暴力だった、という点が一番の問題ではなかったか、と私は思うのです。

 暴力により、私はそれまでの人生で自分を悩ませ続けていたいじめを解決できました。いわば、成功体験ですね。その成功したイメージがあまりにも強すぎて、暴力最高! というような破壊的な人格を(一時的ではあるにせよ)形成してしまったのではないか、と思うわけです。

 もちろん、無抵抗でいじめられ続けた方が良かったとは言いません。問題は、暴力で解決した後の対処です。これはやはり、周りがきちんと導いてあげるべきではないかと……若い少年は得てして、成功すると天狗になってしまうものなので、大人がそれを正しい方向に……。ただ、具体的にどう導けばいいのかと問われると……難しいですね。私のような者には荷が重い質問です。


 話を格闘技に戻します。その当時、私はせっかく始めた空手を半年で止めました。

 若い頃は、強くなりたいがために、激しい稽古をしてました。その結果、長続きせず、半年で止めるという最悪の結果に……今は肩の力を抜き、自分のペースで練習ができています。週に一から三程度でやっていますね。おっさんになったからできることなのかもしれませんが、今はいい感じで格闘技と向き合えています。若い頃より、今の方が確実に強くなってますし。結局、続けていくのが大事ですね。皆さんも、自分のペースを大切にして、少しずつでも継続していって下さい。

 今回はこんな感じで終わります……まとまりのない話ですみません。






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