夏の格闘技
いよいよ、夏も本番ですね。今年(二〇一六年)は猛暑と言われていますが……こんな時期には、出来ることなら外には出たくないものです。クーラーの付いた室内で、のんびりしていたいものですね。
しかし、格闘技をやっていると……クーラーの効いた部屋でなるべく汗をかかず、のんびり練習するという訳にもいきません。汗だくになりながら練習することになります。私は汗かきですので、この時期のトレーニングは三〜四枚くらいシャツを替えますね。水分も大量に摂らなくてはなりません。
余談ですが、私は尋常ではない汗かきです。八月など、ただ外を歩いているだけで……二分後には汗が吹き出ています。しかも、私は背中の汗が凄いですね。まず背中から汗をかき、次いで胸や腹などから汗が出ます……これは本当にシャレになりません。外出する時は、替えのシャツが欠かせません。
ついでに言いますと、私は昔は六十キロないくらいの体格でした。その当時は、汗の出も人並みであったような記憶があるのですが……ウエイトトレーニングに打ち込み、七十キロを超えたあたりから汗の出が激しくなってきました。今は八十五キロから九十キロの間ですが、汗は止まりません。世の中のヘビー級の人たちは、夏になると本当に大変なのですよ……。
話を戻します。夏は暑さゆえに、スタミナの消耗が異常に激しいですね。激しいトレーニングをした後など、頭の中がモワァッとしてきます。
打撃の場合はまだいいのですが、夏の寝技のスパーリングは非常に厄介です。まず、汗で滑ります。関節技を掛けようとしても、汗で滑るため非常に掛かりづらいのです。以前、大晦日に行われた桜庭VS秋山の試合で「滑るよ!」と桜庭さんが抗議していましたが……実際、滑ると本当に関節技が掛けづらいですね。それ以前に体がヌルヌルだと、レスリングのテクニックも使いづらいですし。
結果、お互いに技が掛かりづらいままスタミナだけが消耗していく……ということになります。
さらに、スパーリングをしていると相手の汗が目に入ることもあります。あれは精神的なダメージがありますね……試合ともなれば、そんなことは言っていられませんが。
そんな訳でして、夏の格闘技には色々と厄介な部分があります。ただ、夏は体重を減らしやすい……という利点もあります。言うまでもないことですが、夏は汗をかきやすいです。ちょっと気合い入れてトレーニングすると……体重はすぐに落ちますね。ダイエットが目的の人はもちろん、減量中のプロ選手にとっても、夏の暑さはありがたいものです。
また、六月から七月にかけてガンガン体を動かしていると……不思議と夏バテした、という経験がないですね。夏バテの症例として、ダルくなるとか食が細くなるとか聞きますが、私はそういった経験がありません。八月でも、食事の量は減りませんし。まあ、これが全ての人に当てはまるかどうかは不明ですが。
ここまでに色々と書いてきましたが、基本的には……この時期に格闘技を始めるのは、あまりオススメは出来ないですね。これから暑さは本番に入ります。ただでさえ、暑さによる熱中症や心筋梗塞といた病のリスクは高くなっています。
そんな中で、格闘技のようなハードな運動をするのは、とてもキツいですね。無論、普段から運動の習慣のある人なら話は別です。しかし、運動経験のほとんど無い、あるいは数年のブランクがあるような人などは……この時期に格闘技を始めるのは、避けた方が無難かもしれませんね。
運動経験が無く体力も無いような人が、この時期に格闘技のようなハードな運動を始めると、肉体的にも精神的にもかなり消耗します。結果、格闘技が嫌になり続かなくなる恐れがありますね。
以前にも書きましたが、格闘技に限らず何かを始める時、もっとも大切なのは習慣化させることです。習慣化させる前にやめてしまっては何もなりません。ところが、この夏という季節は……ただでさえ暑い上に、様々な誘惑も多い時期です。そんな時に格闘技を始めても、続かないまま辞めてしまうケースの方が多いのではないかと。
思い立ったが吉日という言葉がありますが、慎重に考えて動くのも大事です。衝動のまま、いきなり入会し……そして夏のつらさに負け、反射的に退会する。こういう人、少なくないんですよ。とりあえず入会金や月謝ももったいないですし、今は急がず焦らずにじっくりジム選びなどしてみるのも良いかもしれませんね。
まあ、この意見はあくまで私の個人的主観によるものです。どうしても、夏に格闘技を始めたい……と考えている人がいるなら、私はそれを止めようとは思いません。続くか続かないか、それは本人の資質に依る部分もありますから。




