『必殺! なろう拳』(仮名)の続きだって!
今回はいきなり、本題に入ります。いや本題ってなんだよ、と自分でも思いますが、ご容赦ください。前回の続きですので。
《君は大学を卒業後、商社マンになった。現在では中国で働いている。君はある日、同僚と仕事であちこち回っていたところ、地元のライバル会社の男とトラブルになった。向こうは一歩も引く気配を見せない。口ゲンカがヒートアップし、向こうは突然、隠し持っていた青龍刀を抜いてきた。相手の正体は中国マフィアだったようだ。さて、君はどう闘う?》
おいおい、ちょっと待ってくれよ、と言いたくなるような急展開ですよね。何なの、その商社マン設定? しかも中国? それって、もしかして左遷? つーか明らかに子供向けなのに、主人公の年齢設定おかしいだろうが? と、序盤から突っ込み所が満載です。さらに青龍刀……隠し持っていた、って何だよ?! ヌンチャクなら隠し持てるが、青龍刀は隠し持てないだろうが? どこにどうやって隠し持つんだ? つーか、何で中国マフィアと揉めなきゃならないんだよ? それに、青龍刀抜かれたら、まずは逃げようよ! とまあ、こんな具合で……
そして、この本には何とイラストが付いていたのです。この話に付いていたイラストは、スラム街みたいな場所でキ〇肉マンのラーメ〇マンみたいな弁髪の人がスーツを着て青龍刀を構えている図が……バカな小学生だった私は、未だにこのイラストを見た瞬間のトキメキが忘れられません。しかし、今あんなイラスト書いたら……どっかの団体から怒られそうです。ちなみに前回の場面のイラストも、ちゃんとありました。リーゼントに長い学生服の男が鎖ガマを構えるシーン……今から思うとシュールですね。
ちなみに、青龍刀になろう拳でどう闘うかというと……忘れました。手元の資料にも載ってないんですよね。確か、青龍刀は攻撃の際、振り上げる動作があるので、振り上げた瞬間に間合いを詰めて、青龍刀を持っている手の手首を掴んで、のようなことが書いてあったと記憶していますが……。しかし、青龍刀を持った中国マフィアと闘わせたいなら、中国を旅行している最中のトラブルでいいのでは……大学卒業後、商社マンになったという設定、明らかにいらないと思うのですが。
しかし、こんなのはまだ甘いもんです。次に比べれば……次は本当に不可解な状況です。
《ある日、君は町を散歩していた。すると突然、大地震が! 凄まじい勢いで、建物が倒壊していく! 君はとりあえず近くの公園に避難し、地震が収まるのを待つ。やがて地震は収まったが、町の建物は崩れ落ち、非常に危険な状況だ。君は注意しながら歩いていると、突如、目の前に巨大なゴリラが現れた! どうやら、今の地震で檻が壊れ、近くの動物園から逃げ出したようだ。ゴリラは敵意をむき出しにしている! 今にも襲って来そうだ! さあ、君はどう闘う?》
何と言えばいいのでしょう。大地震の後にゴリラ……神は乗り越えられない試練は与えない、という言葉がありますが、この試練は厳し過ぎます。私には無理です。
確かこの当時、アニメで北〇の拳が放送されていたりしたように思います。その無法地帯、の要素を入れたくて大地震、などというものを起こしたのでしょうか? しかも、その前置きのあとにゴリラです……。ゴリラと闘わせたいなら、もう少しまともな状況がありそうですが……。
さて、なろう拳でゴリラとどうやって闘うのかと言いますと……これは手元の資料に載っています。
《いくらなろう拳の達人でも、ゴリラには勝てない。だから、まずは廃墟と化したビルに逃げ込む。そして上の階に行く。ゴリラは追ってくるが、そうしたら転がっているコンクリートの破片を、上からゴリラに投げつけるのだ。上から投げつけていれば、やがてゴリラも戦意を喪失し、立ち去っていくだろう》
要するに、石投げて追っ払うんですね……何て原始的な闘い方でしょうか。しかも、それ拳法と関係なくない? と言いたくなりますね。梶〇一騎原作の劇画では、牙なんとか言う空手家がゴリラを素手でぶちのめすシーンがあったような……そんな展開を期待していたんですが。いや、それ以前に設定が突飛すぎますけどね。なぜアフリカ旅行中にゴリラに襲われた、としなかったのでしょうか。この本の作者は反骨心旺盛な人で、あえて普通の人には思いつかないような状況を造り出すことに力を注いでいたのでしょうか。今となっては、確かめようもありませんが。
そういやゴリラの握力は三百キロだとか。恐ろしいですね。人間の勝てる相手ではありません。ん……しかし、アニメ『スペー〇コブラ』の主人公、左腕にサイコガンを持つヒュー! な男コブラは確か握力五百キロでした。コブラなら、ゴリラと素手で闘って勝てますね。コブラ対ゴリラ……失礼しました。このへんで終わります。




