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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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続・防御の技術

 前回に続き、今回も防御の技術について語ります。

 防御技術の難しさは、ルールによってまるで違ってくる点にあります。

 例えば、ボクシングにはウィービングやダッキングという技術があります。上体を左右に振ったり下に沈めるなどしてパンチを躱す技術ですが……これをキックボクシングでそのまま使えば、相手の何気なく放ったミドルキックが顔面に当たることにもなりかねません。

 また空手やキックボクシングなどでは、相手の放つローキックに対し、こちらの足を上げて脛で受け止める技術があります。しかし、これを総合格闘技で多用すると……ローキックのフェイントからのタックルで倒されてしまう可能性が出てきます。

 そのため、使える防御の技術はルールによって変わってきます。そこが防御の難しいところですね。


 攻撃は最大の防御、という言葉があります。この言葉の本来の意味がどんなものなのか、私は知りませんが……こと格闘技に関する限り、それは正しくないと思いますね。格闘技は基本的に、攻撃面ばかりがクローズアップされがちです。例えば、「あの選手のパンチ力は何百キロ」などと言われたりしますが……極端な話、ヘビー級のパンチやキックはまともに入れば一撃で倒せます。仮にパンチ力が三百キロのA選手と、パンチ力が六百キロのB選手が闘ったとしましょう。B選手がパンチを出すよりも先に、A選手のパンチが当たってB選手をKOしたならば……B選手のパンチ力には、もはや何の意味もありません。特に打撃系の場合、派手なKOのみがクローズアップされがちですが……防御の技術あってこそ、初めて攻撃が生きてくるのです。


 さて、かつてアメリカにモーリス・スミスというキックボクサーがいました。スミスは当時、最強と言われていまして……ピーター・アーツやアーネスト・ホーストらが台頭してくるまで、八年もの間ずっと無敗だったのです。

 その後はアーツやホースト、さらにはマイク・ベルナルドやジェロム・レ・バンナ、といったKー1ファイターたちの影に隠れるような形となります。しかし……思わぬ形で再び脚光を浴びることになりました。

 それは総合格闘技です。スミスはアメリカで、ブラジリアン柔術の選手と総合格闘技のルールで闘うことになりました。もともとパンクラスなどで、総合格闘技の試合の経験はありましたが……今回は投げ技、絞め技、関節技さらには馬乗りになってのパンチまであるようなルールです。さすがのスミスといえども、明らかに不利でした。

 しかし、スミスはハイキックによるKOで勝利したのです。スミスは寝技に持ち込まれることのないように、寝技に対する防御技術を徹底的に積みました。その上で、長年に渡り磨き抜いてきた打撃で勝負したのです。結果、スミスは見事な勝利を収めました。 ここから先は、あくまで噂ですが……当時、アメリカにおける打撃系の格闘技ジムや道場はかなり厳しい経営状態だったそうです。その頃は、グレイシー柔術の使い手であるホイス・グレイシーが総合格闘技の大会で打撃系の格闘家を何人も敗り、何度も優勝していました。そのせいで「打撃系の格闘技=弱い」という評判が出来上がってしまったそうです。

 実際、日本でもとある格闘技評論家(自称)などは「打撃系の格闘技は、組技系の格闘技には勝てないんですよ」などと、ラジオで語っていたくらいです。

 そんな状況だったので、このスミスの勝利は……当時の全米打撃系格闘技の救いの星となったようです。さらに、この後にはミルコ・クロコップが登場し、打撃系の選手が見直されることとなりました。今ではむしろ、いかにして打撃に対応できるかが鍵となっていますね。


 ここからは蛇足ですが……グレイシー柔術が猛威を振るっていた時の話です。私は書店で、とある格闘技の本を購入したのですが……あまりに酷い内容でした。曰く、廻し蹴りを初めとする打撃系格闘技の技術は全て使えない、と断定的に書かれていたのです。しかも、実在の選手の名前をあちこちで間違えていたり、事実誤認の部分が多々あったり……あまりに稚拙な内容に、私は逆に興味を持ってしまいました。

 何が言いたいかといいますと……この作家さんは結局、「物を書いてメッセージを発信する」という攻撃面ばかりを重視し「発信したメッセージの正確さについて気を配る」という防御面は完全になおざりにしていたのだなあ……などと今になって考えてしまったわけです。いい加減なことや事実誤認、さらには嘘を実話として書くようなことは慎まなくてはならないなあと思いますね。

 さらに、蛇足の蛇足ですが……この作家さんはベルセルクやバキ、ジョジョやエヴァといったマンガやアニメの分析本を多数出しているようです。しかし、事実誤認は相変わらず多いようですね……蛇足ばかりですみません。






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