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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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防御の大切さ

 先日、マイク・タイソンのトレーニング中の映像を観る機会がありました。今、改めて観てみますと……テレビで試合を観戦していた当時は全く気づかなかった点が多々ありますね。

 と、ここまで書いて気づいたのですが、若い人の中にはマイク・タイソンと言われても「誰それ?」と思われる方もいるかもしれません。そこで、ものすごく簡単に説明しますと……アメリカの元プロボクサーであり、かつては世界ヘビー級のチャンピオンでした。そのファイトスタイルは未だに語り草になっております。詳しく知りたい方は、是非ウィキペディアか何かで調べてみてください。

 このマイク・タイソンですが……若い時の私は、パンチの強さばかりに注目していました。しかし今になってタイソンの動きを見ると、ディフェンスもまた上手いんですよね。上体をリズミカルに動かしながら相手に接近し、ウィービング(頭や上体を左右に振ってパンチを避けるテクニックです)やダッキング(上体を沈めてパンチを避けるテクニックです)で相手のパンチを躱して懐に飛び込む姿は、まさに芸術と言いましょうか……凄いという言葉でしか表現できないのがもどかしいです。

 そんな姿を見ているうちに、私は改めて防御技術の重要性というものを再認識いたしました。という訳で今回は、防御技術について語らせていただきます。正直、この防御技術について語る人は余りいない気がします。ただ、この防御技術の重要性を理解しているかいないか……これは、経験者とそうでない人を分けるような気がしますね。

 私の偏見かもしれませんが……格闘技経験のない(もしくは経験の浅い)人ほど、攻撃の技術について聞いてきますし、また語りたがるものです。「あの技は危険」「この技は壊せるから凄い」などなど……本当に難しいのは攻撃よりも、むしろ防御ですが。


 格闘技を始めると、様々な技を教わります。しかし、いざスパーリングのような実戦形式の練習をすると……その教わった技が、今度は自分に向けられることになります。その時、初めて防御の重要性に気づかされる訳ですね。

 しかし、この防御というものは本当に難しいです。例えば攻撃だけなら、自分のやりたい技を出せばいいだけの話ですね。ところが防御となると、相手の攻撃に合わせなくてはいけない訳です。

 相手がパンチを打ってきた……それに対し、ガードするか前手で払うか避けるか。避けるにしても、ウィービングかダッキングかスウェー(上体を反らしてパンチを避けるテクニックです)か……などなど、動きの選択肢は多いです。そのため、状況に応じた動きが必要となってきます。

 まあ、打撃の場合……理想としては、相手の放つパンチやキックなどを全て最小限の動きで躱し、そしてカウンターで倒すという動きこそがベストと思われます。もっとも、口にするのは簡単ですが……これは非常に難しいですね。


 これが寝技になると、さらに複雑になります。寝技の攻防というのは……そもそもがポジションの奪い合いです。自分にとって、いかに有利な体勢にするか……それこそが、寝技の攻防の大半を占めているわけです。腕ひしぎ十字固めだのアームロックだのといった関節技や絞め技などは、自分が然るべきポジションにいて初めて仕掛けられる技です。

 ここで、寝技について全く知らない人に説明しますと……例えばプロレスなどを観ていると、片方の選手が、もう片方の選手の上に乗っている状態がありますね。当然、上になっている選手の方が有利です。寝技の攻防でも、まずは自身が相手の上に乗ることを目指します。そして相手の体の上に乗り、押さえ込む……この体勢を作ることが、寝技の攻防の鍵となります。

 そして相手の体を押さえ込むことが出来たなら、そこから関節技や絞め技をかけていくわけです。もっとも、下のポジションからかける技もありますが……基本的には、相手の上に乗っている方が有利です。

 そんな寝技の攻防においては、技のかけ方を知っているだけでは何も出来ません。重要なのは、いかにして技をかける体勢を作るか……ということであり、そこに至るまでの攻防こそが大事なのです。

 では、その有利なポジションをとるためには、どのような攻防があるかと言いますと……私の筆力では説明しきれないですね。こればかりは、実際に習ってみてくださいとしか言い様がありません。ただ一つだけ言えるのは、関節技や絞めのような技は、かけ方を知っているだけでは使えないということです。大事なことなので、もう一度言いますが……技をかけるのに最適なポジションにもっていく、それこそが一番大切な要素です。いきなり真っ正面からアキレス腱固めをかけに行ったとしても、経験者なら防御するのは簡単です……と、大変に中途半端ではありますが、今回はここまでにしておきます。防御の技術というのもまた、奥の深いものでして……次回に続きます。






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