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格闘技、始めませんか?  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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指導の上手い人

 格闘技を始めると、トレーナーや師範といった教える立場の人から、様々な指導を受けます。技の指導は言うまでもありませんが、柔道や空手などの武道では道場での礼儀作法や、道着や防具などの着方なども教わることとなるでしょう。また、ボクシングやキックボクシングのジムでは、バンテージの巻き方なども教わるかもしれません。

 そうやって指導を受けていくと……人によって、教えることの上手い下手の差があることに気づかされますね。教える技術、というものは人によって天と地ほどの差がある場合もあります。実に分かりやすく説明できる人もいれば、その逆もいます。これもまた、才能による上手い下手があるかもしれませんね。もっとも、指導の技術もまた後天的な努力で伸ばせるものではあるので、一概には言えませんが……。

 言うまでもなく、指導を受ける側としては下手より上手い方がいいでしょう。なので……入門前の見学により、そのあたりのことも見ておく必要があります。もっとも、一回の見学でそこまで見極めるのは、さすがに難しいですが。


 さて、指導の最中には……時として厳しいことを言われることもあります。プロの選手、もしくはプロを目指している人ならなおさらです。上達したいのであるなら、辛口の意見を避けて通ることは出来ません。これは当然のことです。

 しかし、勘違いされては困るのですが……厳しい意見を言う人は皆、教える側のプロであるということです。指導することでお金をもらっているわけですから、教えられる側よりも遥かに高いレベルの技術を持っている……という前提があります。

 さらに言うなら、指導する側とされる側には信頼関係が出来ています。この人の言うことを聞いていれば間違いない、という……多少、厳しい言葉を伴うアドバイスを言われたとしても問題ないような信頼関係を、時間をかけて築き上げているわけです。その信頼関係がなければ……厳しい言葉は、ただのストレスの種でしかないでしょう。

 実際、昔は竹刀で叩きながら「殺すぞ!」などと怒鳴りつけるような師範も少なくなかったらしいです。しかし、選手の側に「この人に付いて行けば強くなれる」という信頼があればこそ、耐えられたのではないかと思います。ちなみに、私は耐えられませんが。


 アドバイスつながりですが……他のユーザーさんの作品を読んでいると、辛口の感想を目にすることがあります。中には誹謗中傷ともとれるようなものも……私は悪い部分を指摘する感想の是非についてどうこう言うつもりはありませんが、最低限の礼儀だけはきちんとすべきではないかと。歯に衣着せぬ発言、というのは迷惑に思う人も少なくありません。さらに言うと、中には明らかに間違った言葉の使い方をアドバイスしている人もいたりします……こういうのは聞かなくてもいいのではないかと。

 それ以前の問題として、作品や創作スタイルに対する的確なアドバイスというのは……非常に難しいのではないかと思います。下手なアドバイスは、作者さんの良い部分も殺してしまう可能性もあるかと。まあ、あくまで私の個人的な意見ですので。

 ついでに、感想に対し個人的な意見をもう一つ言いますと、誹謗中傷ともとれるような感想を書いて「この程度のことを言われて凹んでいるようではプロになれない」と言っている方もたまにいますが……私はちょっと首を傾げてしまいますね。言っていることは確かにその通りです。作品を叩かれようとも、書き続けられる強靭なメンタルは必要でしょう。ただ、その発言の根底には「俺は悪くない。俺に感想を書かれて凹むコイツが悪いんだよ」という気持ちが(例え僅かながらでも)あるような気がするのですが……それに、皆がプロを目指しているわけでもないですし。これもまた、私の個人的主観によるものですので、そういう意見もあるよ、という風に捉えていただけると幸いです。


 最後に、一人の名トレーナーを紹介します。名前はエディ・タウンゼント……聞いたことのある方も少なくないでしょう。エディさんは既に故人ですが、ボクシングのトレーナーとして数々の世界チャンピオンを育てている、名伯楽と呼ばれるにふさわしい方です。

 このエディさん、とにかく選手を褒めるのが上手かったらしいです。「そうよ、それよ」という言葉を選手にかけ、選手を強くしていったとか。昔ながらの竹刀や鉄拳制裁などの軍隊的な指導方法を徹底的に否定し、ハートで選手を育てるをモットーとしていたそうです。

 しかし一方で、ただ優しいだけでなく、指導中には厳しい言葉をかけることも少なくなかったとか。先ほど言ったことと矛盾しているようですが、優しさと厳しさ……その二つをきちんと合わせ持っていたからこそ、名伯楽と言われるトレーナーたりえていたのではないでしょうか。厳しい言葉をかけるだけでなく、優しい言葉もかける……それでこそ、初めてバランスが取れるのではないかと思います。

 ちなみに、このエディさんが過去に育て上げたボクサーたちに「エディに最も愛されたボクサーは誰か?」という質問をしたところ、皆「自分が最も愛されたボクサーだ」と答えたそうです。







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