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筒抜けだった

いろいろあって遅くなりましたm(__)m

申し訳ありませんm(__)m

「おいクレイ、聞いてるかぁ~?」


「聞いてる聞いてる! ちゃんと聞いているから絡むなショーマ!!」


 俺は今、クレイと約束した通り、酒を奢ってもらっている。

 


 あれから十日。

 クレイの娘さんはエリクシールで治って落ち着いたという事でクレイから誘いを受け、俺もちょうど飲みたい気分だったし飲みにきた。

 なぜ飲みたい気分かというと、あの後、カイトまで「大丈夫だ、あの二人は俺が抑える。違った感じで出かければ新鮮で解放感が出てチャンスだ」と、何か先輩面しながら乗り気になって話はトントン拍子に進んだからだ。


 そして後日、カイトがアースとミリアに参戦の意思を伝え、そして間の悪いところにセシリーが現れた。

 シシリーとして街に出て来たセシリーにアースとミリアが誘いをかけ、シシリーはちょっと戸惑っていたけど、考えておくと言った。

 おそらくは泊まりがけの依頼にするというような事だったから城で許可を得ないといけなかったんだろう。


 俺はあのシスコンの兄と親バカの国王に期待したけど、それも無駄に終わった。

 思えばSランク冒険者二人にAランク冒険者の二つ名持ちの女の子も一緒だし許可が下りやすかったのだと思う。


 そうしてトントンと話は進み今日までの準備期間を経て、俺は明日それに同行する事になっている。

 それでクレイにいろいろ愚痴っているのだ。


 でも、もちろんクレイには俺の好きな相手や登場人物の名前は言わずに、ただ経緯を話して愚痴っている。


「なんでこうなるんだよぉ~なぁ~?」


「あぁもう! こんな場所で絡むな!」



 来ている店は俺が良い酒を飲みたいって言ったから酒場的なところじゃなくて、大人のバーみたいなところに来ている。

 料金が酒場より高いので客は少ないけど、何か裕福そうな客が多い。

 そんな中、俺とクレイはカウンターに座り飲んでいる。


 バーテンっぽい人は俺がクレイに話している(絡んでいる気はない)のを何も言わずに見ていて、お酒を頼めば出してくれる。



「くそ! みんな幸せそうにしやがって!! なんで俺だけ……」


「そりゃおまえが女々しく男気見せないからだろ? あんなに二人で行動してるのに。……まぁ相手がセ、いや、シシリーって事考えれば仕方ないか」


「ぶっ!!」



 俺はクレイの突然の言葉に飲んでいた酒を吹いてしまった。


「げほっ、げほっ、クレイなんでそれを……?」


 クレイには相手の事を伝えずに言ってたはずだ。

 酔っていてもそこは細心の注意を払っていたはず……なのになんで!?



「そりゃおまえ、いつものショーマを見ているのと、さっきまでおまえが話していた事を聞けば普通分かるだろ? まぁ話聞く前からそうだとは思ってたけどな。それにだいたいおまえの交友関係なんて俺からすれば一目瞭然だし話聞けば誰の事かなんて容易に想像つくだろ?」


「あっ……」



 そうだ、クレイはギルド長。

 ほぼ毎日依頼を受けている俺の交友関係なんて必然的冒険者になる。

 そして、高頻度で一緒にいるのはセシリーだ。


 それにセシリーはギルドでもマークされているし誰と行動しているかなんて筒抜け。

 さらには、カイトの愚痴に関しては名前は出してないけど、近頃彼女出来た俺の交友関係と言えばカイトしかいないし、相手はネリーさんだから当然クレイも知っている。


 しまった!!

 根本的なところで失敗してすべて筒抜けだった!?



「クレイ、この事は……」


「言うつもりはねぇよ。まぁでもギルドの職員はみんな分かってると思うけどな。特に受付嬢なんていつも人見てるし。まぁそれでなくてもおまえの行動は分かりやすいけどな」


「なん……だと……?」



 そんな……俺はギルドへ行くたびにみんなに生や優しく見守られていたという事か?

 ……まさか、惚れ薬の時のネリーさんの言葉は俺へのアドバイスでもあったのか!? 

 恥ずかしい……恥ずかしすぎる!!


 クレイから知らされた真実に一気に酔いが覚めてくる。


「まぁギルドの職員は守秘義務があるからな、大丈夫だ。それより明日なんだろ? ほら、景気づけに飲め!!」


 いや、そう言ってクレイは俺が闇夜の黒騎士って個人情報もろに漏らしたけど。

 くそ、こうなった飲むしかない!!


 やけになった俺は覚めた酔いを取り戻すように酒を煽った。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ショーマ、聞いてるかぁ~?」


「あぁ、聞いてる聞いてる」


「俺はなぁ~娘の命を救ってくれたおまえには幸せになって欲しいんだぁ! 例えそれがどんなに険しい道でも――って聞いてるか?」


「聞いてる!!」



 一時間後、そこには立場の逆転した光景があった。

 俺は魔王である体質なのか、それともクレイの話で酔えなくなったのか分からないが、ほぼ素の状態になったのに対し、クレイは見事に酔っぱらって絡んでくるのだった。


 バーテンのマスターの人はそんな姿を見ながらクレイはこの辺が限界だと見定めたのか、こっそりと水を出してくれた。

 俺はそんなプロの行動を見て『さすがだな』と思いながら横目でクレイを見て、『この世界は酒癖の悪い奴しかいないのか?』と思うのだった。


16日(月)17日(火)は予定通り、ランキング入り目指して連日複数話投稿したいと思います。

このたびは、更新が遅くなり申し訳ありませんでしたm(__)m

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