無事に帰った先に
更新遅くなりましたm(__)m
「アァ、ソラハナンテキモチインダロウ」
俺は今、カレンと共に竜王の背に乗ってセイクピア王国に向かっている。
走り出したカレンだが、しばらくすると立ち止まり、ドラゴンの事を聞いてきた。
急な話の振り方だったけど、説明しないといけない事なので事の経緯を説明して、空から俺達を追っていた竜王達と合流し、竜王の背に乗って移動する事にした。
その時に竜王に念話で『ワカイナ』と言われたから、『お前には言われたくない!』って返した。
駆け落ちした奴に言われたくないもんだ。
そんなこんなで俺が前、後ろがカレンという形で竜王に乗ってセイクピアに向かっている途中だけど、俺はカレンに「そう言えば、さっきショーマは二刀流で戦っていなかったか?」と聞かれ、動揺している真っ最中なのだ。
「いや、Sランク冒険者以上の戦いをし、エルフやドラゴンに認められたショーマが今更何をしても驚かないがな」
「それってある意味ちょっと失礼じゃないか!?」
「それだけ凄いって事だ。だから、グラムが二本になっても驚かない」
「……それは喜んで良いのかどうか……」
「むっ? やっぱりそうなのか?」
「っ!?」
「そうか、安心しろ。私もティルフィングのせいでいろいろ迷惑かけたからな。誰にも言わないさ。私とショーマの秘密だ」
そう言ってカレンはなぜかどこか嬉しそうに微笑む。
今のどこに嬉しそうに微笑む要素があったか知らないけど、俺はそれに合わせて微笑みながら「ハハハ」と引きつって笑った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ショーマさん!!」
竜王がセイクピア城前の広場へ着陸すると、俺の元へセシリーが走ってくる。
その後ろにはカイトやドラゴン、ゼクスや国王、王子やフィリスさんもいる。
あれから俺とカレンは竜王の背に乗りながら他愛のない話をしてセイクピア王国へと帰って来た。
セイクピアに着く直前に、ドラゴンに乗って帰る事を伝えるのを忘れていたのを思い出して混乱しないかと焦ったけど、別に迎撃されるような様子がなかったし、そのまま着陸してすぐに説明しようとした。
そして、いざ着陸しようとすると、その先にドラゴンを従えたカイトが見えて俺の不安は杞憂に終わった。
どうやら俺とカレンがいろいろとしている間に先にカイトが帰って来て、先に事情を説明しておいてくれたようだ。
助かったけど、通信イヤリングの存在を忘れるくらい俺はカレンにグラムの事がばれた事に動揺していたようだ。
「今帰った」
絶賛動揺中の俺は気の利いた事も何も言えず。
ただありのままの事を口にする。
情けない……。
「ショーマさん大丈夫ですか!? ケガは!?」
俺の内心をよそにセシリーは俺を心配してくれている。
「あぁ大丈夫、今回は特に気を失ったりもしてないし」
俺は照れ隠ししながら冗談っぽく言う。
でも、実際に今回は竜の里ではクロが頑張ったのと、魔物の大群は竜王が手助けしてくれたし、それほど強敵もいなかったし危険はなかった。
「もう……心配したんですよ!!」
「ちょっ!?」
でも、どうやらセシリーは心配してくれていたようだ。
冗談っぽく言った俺の胸へと飛び込んできた。
内心ではめちゃ嬉しいけど……。
「っ!?」
すると、セシリーも俺と同じ事に気づいて飛びのいて顔を赤くする。
そう、今の様子をみんなに生温かい目で見られていたのだ。
ただ二人ほどの男は冷たい視線だったけど。
「コホン、良いかな?」
すると、その冷たい視線を送っていた一人の男、国王が咳払いして声をかけて来た。
「はい、なんでしょう?」
俺は気まずいながらも聞き返す。
すると、国王は一呼吸置いて真剣な顔になって口を開いた。
「冒険者ショーマ、そなたをセイクピア王国……いや、三ヵ国のSランク冒険者として認めよう」
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