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特別番外短編 〜七夕編〜

本編には関係のない架空の七夕の話です。

本編に関係ないので、本編に関係ない話を読みたくない人はお手数ですが、読み飛ばしてくださいm(_ _)m

 今日は暦の上では七夕。


 異世界に七夕の習慣はないが、今日は俺の発案で『そう言えば昔こんな話を聞いた』って言って七夕をする事にした。


 なのに……


「何で飲み会になってるんだよ!?」


 みんなに七夕の説明をしたところ、なぜかムーン・ライトにアースから召集がかかった。

 まぁムーン・ライトならあの完璧に空気を読むマスターやセバスがいるし、ゆっくりとさせてもらえるからかなと超プラス思考に考えていたが、やはりアースのやる事がまともなはずがない。


 俺がムーン・ライトに着くとみんな集まっていて、アースが「七夕を教えてくれた主役のショーマ君が遅れて登場だよ!」と、俺は伝えられていた時間に着いたのに、今回のメンバー、アースとミリア、セシリーとカイトにネリーさんが揃っていて、いつかの時のように俺は遅刻扱いされた。


 そして、俺が「……」っていろいろ思う事があって、無言になってると、あれよあれよと乾杯が始まり普通の飲み会が始まった。


 それから七夕の要素もなく、みんなでワイワイとやって今はみんな酔って帰りなのだ。


「良いじゃない。だって、ショーマ君が教えてくれたように、織姫様と彦星様が一年に一回しか会えないなら楽しく祝ってあげないと」


「そうですよ! アース君の言う通りです! でも、好きな人と一年に一回しか会えないなんて寂しいです。もし、私がアース君と一年に一回しか会えなかったら私、生きて行けないです……」


「大丈夫だよ、ミリア。僕はいつもミリアの隣にいる。何があっても、僕とミリアの間を割く事はできないさ」


「アース君……」


 そう言って見つめ合うアースとミリア。

 はい、ご馳走さま。

 よくもまぁこんな歯の浮くような事を言えるな、こんなの絶対他の誰もーー


「ネリー、もし俺が依頼に出て帰るのが遅くなってても、必ず戻ってくるから待っててくれ」


「ふふ、カイトさん酔ってますね? でも、大丈夫です。私はギルドの受付嬢。必ず帰ってくると信じて帰ってくる場所を作っておきます」


 いた。

 まさか、あのカイトが酔ったからと言ってあんなセリフを言うとは!?


「ショーマさん?」


 俺が二組のカップルに麺を食らっているとセシリーが声をかけてきた。


「ん? 何だ?」


「私はショーマさんと出会えて本当に良かったです。ショーマさんと出会う前はこうやってみんなで飲んだり、いろんな依頼受けたりとか考えられませんでした。ショーマさんが話してくれた七夕の事じゃないですけど、私は一年に一回しかショーマさんと会えなくなっても、その日が来るのを楽しみに待てると思います。だって、ショーマさんと出会ってからの日々は、私が今まで生きてきた中でも輝いていますから」


 そう言ってセシリーは微笑む。

 俺だってそうだ。

 魔王に転生して、訳も分からず人間を滅ぼそうという部下に囲まれ、どうしていいか分からない中で、いろいろ言い訳して、魔王城を飛び出した。

 勢いでノープランで飛び出した俺はどうして良いか分からない中、セシリーと出会う事でこじ付けであるけど、魔族と人間の共存の道を……じゃなくて、ただ単にセシリーに恋をして、いろんな事を考えるより先に人として戻る事ができた。


 そうした中で、魔族だろうが人間だろうが、俺の周りの大切な人、慕ってくれる人を守ろう、それが結局俺のできる事で、共存への一番の近道だと思うようになった。


 偉そうに共存とか考えたけど、俺に出来るのは結局のところ周りのみんなを守る事だけ。

 あとは万が一、人間と魔族が全面に戦う事になった時、諦めずに最後までもがく事だけだ。


 

「セシリー……酔ってるだろ?」


 俺は照れ隠しにそんな事を言って誤魔化す。


「確かに楽しくて飲み過ぎたかもしれません。ちょっと酔っちゃいました」


「ったく、飲み過ぎはダメだぞ? 酔い潰れてどっかの男に絡まれたらどうするんだ?」


「その時は助けくださいよ、先輩?」


 そう言ってセシリーは微笑んで腕を組んでくる。

 普段のセシリーはこんな事しないから、結構酔っているんだと思うけど、これはヤバイ……。


「お、おう、任せとけ! それに明日からまたビシバシ行くからな!」


「はい、先輩!」


 そうして俺とセシリーは並んで歩く。

 本当、こうやってセシリーといるだけで俺は救われる。


『セシリーとずっと一緒にいれますように』


 俺はそう星空に向かってお願いした。

 すると、流れ星が一つ流れ、満天の星空はそんな俺とセシリーを暖かく見守ってくれた。


 ちなみに、俺の視界端でネリーさんも暖かく見守ってくれていた。

今回の七夕編は本編でカレンとショーマの関係が微妙なところなので、カレンの登場を見送りました。

もし、カレンファンの方がいましたら申し訳ありませんm(_ _)m


ここから宣伝ですが、ただいま執筆速度のリハビリに、『修復魔法で世界最強! 〜リペア、リメイク、リカバリーで俺は成り上がる!〜』ってのを投稿しています!

良ければ読んで頂けたらと思いますし、何か感想等頂けたら嬉しく思います!

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