第30話 新たなスキル『合成』、使ってみた。
『汝に天啓を与えん』
あっ!この声は。
『汝に与えしは合成の天啓也』
合成…。何かと何かを合わせる能力かな?
《ナビゲーションシステム起動。天啓合成は同じ物を合体させ一つにするスキルです》
同じ物を一つにか…、そうなるとある意味では両替と似ているな。あれは小銭を集めて貨幣価値の高い銀貨や銀貨にするスキルだ。逆に金貨や金貨を銅貨などに両替する事も出来る。
《注意喚起。合成には魔力を消費します。以上でナビゲーションシステムを終了いたします》
なるほど、魔力を消費するのか。でも、どうしてこの能力はわざわざ魔力を消費するのだろう。両替は魔力を消費しないのに。もし、そうでなかったら願いの井戸の底であれだけのコインを両替したのだ。魔力を使い果たし倒れていただろう。
「何か意味があるのか?」
俺は指先で弄っていた魔石を見た。試しに合成とやらの能力を使ってみるか。
「合成」
次の瞬間、たくさんの魔石が入った布袋が眩い光を放った。
「な、なんニャ!!」
「これは…魔力!?」
その光は一瞬のものだった、網膜を焼くような強い光。だが、それはすぐに収まる。
ころん…。
麻の小袋から一つの球体が転げ出た。
「お、大っきい魔石ニャ!!」
それはソフトボールよりもやや大きいぐらいのもの…。
「これ…ゴブリンキングぐらいの強いモンスターでもなければ手に入らない魔石…」
ゴブリンキング…、文字通りゴブリン達の王だ。ゴブリンは人間と比べて体格は一回り小さく、身体能力もそれに比例する。しかし、その上位種たるボブゴブリンになると人間より体躯は大きくなり力も強くなる。単純な身体能力なら並の人間では太刀打ち出来ない。それがキングともなればさらに強大になる。両手でなければ扱えないような大剣でも易々(やすやす)と振るい、その性質は残忍かつ狡猾。出会いたくないモンスターである。
そんなモンスターから得られる魔石、安い訳がなかった。小さなモンスターの魔石が一個数百円なら、この魔石一つで数十万円にはなるだろう。そのくらいの価値はあった。
稼ぐ手段、見つけたかも…。俺がそう感じた時だった。
ぐらり…視界が揺れた。
「なん…だと…?」
「キノク〜!!」
体に力が入らない。揺れた視界は俺の意識が危うくなったせいか、あるいはバランスを崩したせいか…。ただ一つだけ言える事は、意識を保ってはいられそうもない。崩れ落ちながらそれだけはしっかりと理解できた。
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次回予告。
気を失ったキノクが目覚めてみるとそこには…。
第31話、『事後?キノク、始まったニャ』
???「このタイミング、仕掛けるなら今だ!」
お楽しみに。




