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私が占い師になった理由。  作者: 月灯
第二章 王宮編Ⅰ
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24話 王宮編クライマックス - 怨念との決戦(前編)

祭壇の間は、闇が渦巻き、怨念の力が濃厚に立ち込めていた。

床に刻まれた不気味な紋様が、鈍く光を反射し、黒い影が蠢くたびに、冷たい瘴気が肌を刺す。


アリアたちは、息を呑み、祭壇の中央に浮かぶ異形の存在を見つめた。

それは、人の形をしていながらも、歪んだ輪郭を持ち、見る者の心を不安と恐怖で満たす、まさに怨念の核だった。

そして、怨念の周囲には、黒い影が蠢き、異形の魔物たちが控えていた。


「…ここが、怨念の核…」


アリアの声は、震えていた。祭壇の異様な雰囲気に圧倒されながらも、彼女は決意を胸に、一歩前に踏み出した。


「この場所…以前は秘密の部屋と呼んでいたけれど…」


アリアは、祭壇の周囲を見渡しながら呟いた。


「…どうやら、この祭壇の間が正式名称だったようね。古代魔法の実験が行われていた場所…そして、この怨念が生まれた場所…」


アリアは、自宅で影に襲われた際に手に入れた短剣を手にしていた。それは、ただの短剣ではなく、怨念を封印するための鍵となるアイテムだった。短剣に込められた、微かな光が、闇の中で鈍く輝いていた。


「この短剣…」


アリアは、短剣を見つめながら、その由来を語り始めた。


「この短剣は、私の家族が作ったものなの。私の家族は、古代魔法の実験に関わっていて、この短剣は、その実験の過程で作られたものなの。そして、この短剣には、怨念を封印する力が秘められている…」


水晶に触れた瞬間、アリアは前世の記憶を思い出した。宮廷占い師として、人々の心を癒し、浄化する力を持っていた彼女。その力は、今世にも受け継がれていた。


「私は…思い出した…」


アリアは、自身の手に宿る癒しと浄化の力を感じた。それは、「浄化の癒し手」と呼ぶ、彼女独自の魔法だった。


「この力と、短剣…」


アリアは、確信した。


「この二つを組み合わせれば、怨念を浄化できる!」


その時、アリアの脳裏に、夢に度々現れた少女の姿が浮かんだ。少女は、アリアに力を貸し、怨念との戦いを支援すると告げた。


「アリア…恐れないで…あなたの力は、必ず怨念を打ち払う…」


少女の言葉に勇気づけられたアリアは、短剣を構え、浄化の癒し手の力と、自身の占術を駆使して、怨念に立ち向かった。しかし、怨念は、強力な結界を展開し、アリアの攻撃を防いだ。そして、黒い影と異形の魔物たちが、アリアたちに襲い掛かった。


(だめ…!怨念の結界は、想像以上に強固だわ…!このままじゃ、浄化の力が届かない…!)


アリアは、焦りと不安を感じながらも、必死に怨念の結界を突破しようと試みた。しかし、結界は揺るぎなく、アリアの攻撃を阻み続ける。


(でも…!ここで諦めるわけにはいかない…!皆の想いを、無駄にはできない…!)


アリアは、仲間たちの姿を思い浮かべた。倒れながらも、アリアを信じ、再び立ち上がろうとする仲間たち。その姿に、アリアは再び力を奮い立たせた。


「…っ!」


アリアは、短剣に浄化の力を込め、渾身の一撃を放った。短剣から放たれた光が、結界に小さな亀裂を生み出す。


「…今だ!」


アリアは、その隙を見逃さなかった。彼女は、浄化の力を最大限に高め、再び短剣を振り下ろした。今度は、結界に大きな亀裂が走り、光が怨念の体に届いた。


「ぐああああああ!」


怨念は、苦悶の声を上げ、激しく抵抗した。しかし、アリアの浄化の力は、怨念の力を徐々に弱めていく。


(怨念の過去…それは、一人の若き研究者の物語だった。彼は、古代魔法の研究に没頭し、その力を人々のために役立てようと夢見ていた。しかし、彼の研究は、王宮の一部の人々によって悪用され、彼自身もまた、その犠牲となった。彼の心は、絶望と憎しみに染まり、それが怨念へと変わったのだ。)


「あなたも…苦しかったのね…」


アリアは、怨念に語りかけた。


「でも…もう、終わりよ…」


アリアは、怨念の悲しみを理解し、その力を浄化しようと試みた。彼女は、内なる気の流れを調整し、浄化の力を最大限に高めた。そして、瞑想によって精神を統一し、怨念との対話を試みた。


(あなたの苦しみは、よくわかる…でも、もう、憎しみに囚われるのは終わりにして…)


アリアの言葉が、怨念の心の奥底に響いた。その時、アリアの目に、信じられない光景が映った。倒れていた仲間たちが、再び立ち上がり、アリアと共に怨念に立ち向かおうとしていたのだ。彼らの背後には、守護霊や天国の住人たちが、彼らを支え、励ましている光景があった。


「アリア…私たちは、あなたと共に戦う…!」


仲間たちの言葉に、アリアは、再び力を奮い立たせた。


「皆…ありがとう…!」


アリアは、仲間たちと共に、怨念と、その手下たちとの最終決戦に挑む。祭壇の間は、光と闇が激しくぶつかり合い、激しい魔法の応酬が繰り広げられた。


王宮編Ⅰ、クライマックス。

怨念との戦いは、まだ終わらない。



24話:終わり



〈登場人物〉

* アリア:主人公。家族の無念を晴らし、王宮と人々を守るために怨念との最終決戦に挑む。


* エレノア:アリアの仲間。魔法陣の専門家で、アリアと共に怨念に立ち向かう。


* エリオット:アリアの仲間。聖なる石の配置を担当し、アリアと共に怨念に立ち向かう。


* レオン:アリアの仲間。料理が得意で、アリアと共に怨念に立ち向かう。


* ルシウス:アリアの仲間。ユリウスとは幼馴染で、アリアと共に怨念に立ち向かう。


* ユリウス:アリアの仲間。怨念に苦しみながらも、アリアと共に怨念に立ち向かう。


* 夢に出てくる少女:アリアに力を貸し、怨念との戦いを支援する。


* 怨念:王宮に現れた古代の怨念。アリアの家族と関係がある。

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※このお話の舞台はヨーロッパ風異世界であり、現実世界の歴史とは一切関わりありません。

作中に出てくる 国・文化・習慣・宗教・風俗・医療・政治等は全てフィクションであり、架空のものです。

あくまで創作上の設定としてお楽しみいただけますと幸いです。

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