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私が占い師になった理由。  作者: 月灯
第十章 果てなき砂と星の狭間で
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閑話:番外編001「王都からの特別便」

✪読んでくださり、ありがとうございます。

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砂漠の夕暮れ、淡い橙色の光が砂丘を染めていた。

アリアたちは小さなオアシスに足を止め、体を休める。熱に疲れた体に、泉の水は少量でもひとときの潤いを与えてくれた。


「はぁ……今日も長かったね」



イリスがぽよん、と跳ねながら砂の上に座り込む。


「びよん……あつい、おみずうれしい」



モルンは砂の上でしっぽを振って水を飲み、少し落ち着いた表情を見せる。



その時、アリアの肩の上で千里鏡が光った。


「……王都からの映像か?」


ユリウスが眉をひそめて覗き込むと、画面にエレノアとカイルの顔が映った。



「おや、みんな元気そうね」


エレノアが微笑む。


「昨日の晩に発送したの。今日か明日には届くと思っていたのよ」


「……通信機?」


ルクスが静かに画面に手を伸ばす。


「その通り。さっそくお披露目するわ」


カイルが手元の工具箱を示しながら言った。


「それぞれの個性に合わせて作ったんだ。無茶はするなよ」


アリアが笑った。


「ハヤブサ便、すごいね……まさか砂漠まで一晩で?」


「ええ、ちょっと驚いたよ」


ユリウスもつぶやく。


モルンはしっぽを振って「すごい!」の意思表示。





《開封・装着》


ルクスのペンダントは立体カットされた三日月型のイエロークオーツ。


「……きれい。ありがとう、エレノアさん」


胸に下げると微かに魔法陣が浮かび、指先で触れると光が揺れる。ルクスは柔らかく微笑み、魔法の感触を楽しんだ。



イリスは体内に内蔵するタイプ。虹色の光がぽわりと揺れ、七色に反射する。


「びよん!にじいろ、うれしい!」


弾むたびに光が柔らかく踊り、砂の上に小さな虹の残像を残す。



プエルは星型のペンダントを手に取り、キラキラ光る様子に目を輝かせた。


「わぁ、星だ! きれい……!」


アリアが優しく首からかけ、使い方を説明する。


「緊急時にはボタンを押すと仲間がすぐに駆けつけるんだよ」


プエルは小さく頷き、目をまん丸にして喜んだ。


「わたし……押すときはちゃんとする!」





《テスト通信》


アリアが千里鏡を操作して呼びかける。


「エレノアさん、カイルさん、届きました!」


ルクスのペンダントから光の魔法陣が浮かび、魔力を制御する。

最初のテストで光の反応が強く出すぎ、魔法陣が少し揺れた。


「おっと、少し強すぎたかな」


ルクスが苦笑い。


イリスが慌てて後ろに飛び退き、虹色の光が砂の上に小さな模様を描いた。


「びよん……ごめん!」


プエルが胸のペンダントを軽く押すと、緊急信号テスト。小さな光の障壁が彼女を包み、砂に光の反射がちらつく。

同時に千里鏡を通じて全員に通知される。


「わぁ、すごい……!」


「緊急時はこれで助かるんだね」


アリアも感心した。


障壁は少し跳ねてモルンに当たるが、尻尾を振って笑うモルン。

ルクスも微笑み、イリスはぽよん、と跳ねて光に反応した。





《イリス光の槍テスト》


「……わたしのやり、ためす!」


イリスがつぶやく。


護身用の光の槍はまだ未使用。万一の時に頼りになるか確かめる必要がある。


ルクスが魔力を補助しながら、軽く前に出る。


「大丈夫、わたしが受け止める」


イリスが魔力を込めて槍を生成すると、虹色の光が一瞬きらめき、砂の上に槍影が浮かぶ。

ルクスはその槍を体で受け止め、魔法陣で衝撃を分散させる。


「わわっ、少し強すぎたかしら」


イリスが慌てて後ろに飛び退く。

ルクスは微笑んでうなずき、光の槍を消す。


「大丈夫、問題なく使えるわね」


「びよん!」


イリスは跳ねて喜び、光の槍をもう一度軽く生成して小さな光を飛ばす遊び心も見せた。





《久々の会話と王都近況》


千里鏡を通じて、アリアたちと王都のエレノア・カイルが久々の再会を果たす。


「久しぶりね、みんな元気そうで安心したわ」


「エレノアさん、カイルさんもお元気そうで!」


アリアが手を振る。


プエルはペンダントを握ったまま、小さく手を振る。


ルクスは落ち着いた声で

「私たちは無事に旅を続けています」

と報告した。





エレノアが画面越しに笑いながら語る。


「王都は落ち着いてきたわ。私たちも、新体制の王宮の仕事に少しずつ慣れてきたところ。書類の山に埋もれそうになることもあるけれど……」


カイルは苦笑しながら補足した。


「朝は魔導器具の整備、昼は市民との面会、夜は文書整理……エレノアと二人でやってるけど、少しずつ効率も良くなってきた。ちょっと慣れないといけない部分もあるな」


「昨日なんて、私が魔法書を並べ替えてたら、突然巻物が飛び出してカイルの顔に当たりそうになったのよ!」


エレノアが笑いながら話すと、カイルは恥ずかしそうに顔を赤らめた。


「巻物は悪くない……ただ風の方向が……」


「それでも毎日少しずつ平和が戻っていると実感できる」


エレノアが微笑む。


アリアたちは画面越しに頷き、王都の日常の小さな笑いと温かさを想像した。



「ハヤブサ便、まさかこんなに早いとは……」


アリアが感嘆すると、カイルは得意げに胸を張った。


「王都の最新技術だからな。安全で早い」


「でも砂漠まで一晩で届けるとは思わなかった」


ルクスも少し驚いた表情。



会話の間、千里鏡に映る互いの笑顔は、距離を超えて心を温めていた。


離れていても、互いに繋がる絆の証は確かにここにあった。






閑話:番外編001 完





》》》おまけ:通信機見せ合いっこ


砂漠のオアシスで、日が傾きかけるころ。砂に座る4人の周囲には、さっそく届いたばかりの新しい通信機が並ぶ。


「びよん! わたしの光るの!」


イリスが跳ねながら、体内の通信機から柔らかい虹色の光を放つ。光はぽわりと揺れ、砂の上に小さな虹の残像を描く。


ルクスは胸元の三日月型ペンダントを軽く揺らし、魔法陣の淡い光を浮かべる。

「……うむ、なかなか美しい反応だ」と、落ち着いた声でつぶやく。長い年月を生きたような、学者のような眼差しで光を観察する。


プエルは首からかけた星型ペンダントを嬉しそうに指でつつく。


「わぁ、キラキラ! わたし、押すの上手になりたい!」


小さく光る障壁を発動させ、砂の上でパチパチと光が弾けるのを見て目を輝かせる。


モルンは尻尾を大きく振りながら、念話で皆に語りかける。


《見ろよ、この光の反応、俺のと比べてどうだ?》


イリスやルクス、プエルは笑いながら答える。


「イリスの虹色、ふわふわして可愛い!」


「プエルの星型は角度で光るんだね、面白い」


「ルクスの三日月、派手すぎず落ち着いてていいな」



モルンも尾をふりふりしながら光を受けて喜ぶ。


《俺ももっと強く光らせられるか? やってみる》


4人は順番に自分の通信機をテストし、ちょっとしたハプニングも楽しむ。


イリスが勢いよく光の槍を出すと、ルクスが魔力で受け止め、光が砂にきらめく。

プエルは押す力を間違えて小さな障壁が跳ね、モルンの尻尾に当たっても、みんな笑って済ませる。


「びよん! たのしい!」


イリスが跳ねるたび、虹色の光がくるくる舞う。


モルンは微笑み、ルクスは静かに観察しつつも、思わず笑みをこぼす。

プエルは嬉しそうに光を追いかけ、4人の周囲はまるで小さな光の世界のようにきらめいていた。


「みんな無事に使えるね。これで、いざというときも安心だ」


ルクスが静かに言うと、イリスも小さくうなずく。


「わたし……みんなと一緒に使うの、楽しみ!」


プエルが元気よく言い、モルンは尾を高く掲げて応えた。


夕陽に照らされる砂のオアシスで、4人の通信機の光はゆらゆら揺れながら、彼らの絆をさらに確かにしていった。



おわり





※このお話の舞台はヨーロッパ風異世界であり、現実世界の歴史とは一切関わりありません。

作中に出てくる 国・文化・習慣・宗教・風俗・医療・政治等は全てフィクションであり、架空のものです。

あくまで創作上の設定としてお楽しみいただけますと幸いです。

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